劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

週刊月曜日 第4号

2022-01-31 01:36:20 | 2020-2022 日記

劇団夢桟敷「週刊月曜日」
@yumesajiki weekly Monday
〈第4号2022.01.31〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/

■ 〜世界の涯てまで連れてって〜
 劇団夢桟敷 座長 夢現(さかもとまり)

ごく個人的なことではあるが、私がなぜ今もって演劇を続けているのかというと、それはひとえに寺山修司率いる天井桟敷の「レミング〜世界の涯てまで連れてって」を観たからであり、今もその時の驚きと興奮を身体が覚えているからである。
1979年晴海埠頭でのことだ。
これは一体何なのだろう?
脳みそがグチャグチャになり、まさしく世界の涯てまで連れて行かれたような感覚。痺れた頭を振りながら勝鬨橋を歩いて渡ったことだけは鮮明に覚えている。
あれは果たして何だったのだろうか?
あれが自分にもできるだろうか?
あんな世界を創り出せるだろうか?......

あの日の初期衝動以来43年が経とうとしている今、世界は3年目のパンデミックである。
こんな時に「レミング」の呼び声が聞こえるのは空耳だろうか?
影という名の女優「影山影子」が語る妄想、「空室の住人、出口さん」について他人同士の隣人たちが囁く噂話....イメージは際限なく膨らむのである。

世界の涯てを夢見て、
これからも進む、進む!

夢桟敷のTerayama projectは、様々な可能性を探って、只今前進中である。

■連載(4)訪問劇
 根本豊(元 天井桟敷/現 万有引力)レポートより
 ◎市街劇「ノック」エピソード
注/昨年より演劇ワークショップのテキストとして使わせて頂いています。

 劇団員を数ヶ月前から街に住み込ませ、アルバイトとして客や定員と顔なじみになり、また、一棟丸ごと借りたアパートに入居募集して普通の人を住まわせた。
このアパート住人が住んでいる壁が、ある日突然、家族の夕食の団らんの時にジワーっと壁が溶け出して壁の向こうには何百人の観客がどれを目撃している「壁の消失」というシーンになったりした。
また、「戸別訪問演劇」では、“包帯男”や”びしょ濡れ男“が住民宅に突然 訪問したため、警察に通報されたり、他所でも住民とのトラブルが発生し、パトカーまで出動する騒ぎになり、予定していた一部の劇が中止になった。
寺山さんは劇評欄ではなく社会的事件として批判に晒された時にこんな反論をしました。
「国勢調査員や、市役所の住民係がドアをノックしたら平気でなんの疑問もなくドアを開けるのに、どうして包帯男や、白塗りメイクの俳優が訪れると警察に通報したり、排除しようとするのでしょうか。
私はホンの軽い気持ちで、あなたの心のドアをノックしてみただけなのですが。」
“閉ざされたドア、閉ざされた心をノックしてみる”この「市街劇ノック」は“団地に代表されるような、平穏無事な日常の中に、いかに異物を挟んでいくか”
が、この演劇のテーマでした。

■特別寄稿
 市街劇体験談
 Akira Shinohara
 ※元 東宝芸能actor

「わたくし、は渋谷区東町にあった天井桟敷のすぐ裏の3畳一間が輝く人生の始まりでありました。
そして一階のカフェには寺山母が白い割烹着を着てウェイトレスをしていた頃、二階の小窓からミシンと傘の恋愛を覗き見てると、急に劇団員に外に連れてかれバスに乗り目張りされて何処へ行くのかもされず、やがてバスの中では劇団の連中が揉めはじめ着いたところは外苑でした。やがてバスはどこかの団地に行くのです、そして在る一部屋に向かうのでありました。
しかし訪ねたさきは奥さんが風呂にはいり旦那は晩酌。当然観客ももう、やめようと、怒りだす。
そのとき一間だと思っていた襖が、開き天井桟敷の団員たちが、目眩くライティングで芝居を始めるのです!
最後には部屋から赤ふんの男が1人階段をくだり高速道路を走るのであります。夜9時ころから始まり12時くらいまでのハプニング劇でありました。」

■遊戯療法(2)
 山南純平

記憶喪失者のモノローグ
眠り男の独白

「夢から覚めると又、夢で…。
(ト 眠り男は瞼を開いて横を向いた)
ぼくはサーカステントの楽屋でイシャを名乗る催眠術師に操られている青年が何人者もの村の女を誘拐したのを目撃しました。
ドイツ映画「カリガリ博士」で見たチェザーレによく似ている青年でした。否、チェザーレそのものではありませんか。
すると催眠術師はカリガリ博士か。
ぼくは映画の中にいるのだろうか。
そんな筈はない。
チェザーレを追って、ここにたどり着いてもう何十年も経った。
チェザーレは青年のままだ。
歳をとらないのか。
ぼくは歳をとった。
この場から一刻も早く立ち去らなければならない。
チェザーレは何もかもを見通す不思議な力をもっている。
もう、ぼくに気づいているに違いない。
ぼくを泳がせているのだろうか。
ぼくを殺しに追って来ているのではないかと何度も後ろを振り返りながら、ぼくは何十年も走り続けた。
やっと辿り着いた。知らない村の一軒家。しかし、ここは懐かしいところに思える。
夜分遅くすみません。
旅をしているぼくは〈眠り男〉と申します。
逃げてきたとは言わなかった。
ちょっと話しを聞いていただけないでしょうか。
ぼくはあなたの将来を占うことができます。
あなたの寿命は明日まで!それをお知らせに参りました。
(ト 眠り男は目を閉じる)
おや?セリフが消えましたよ。
セリフをください、先生。
このままではあなたに言うことがありません。
ぼくの空っぽになったお芝居にセリフを詰め込んでください。
ほら、頭を振るとカタカタと音が聞こえてくるではありませんか。
カタカタカタ!
ぼくです。あの時のぼくです!と追ってくる、もうひとりのぼくが来ます。
カタカタカタ!
あなたはぼくではありませんか。
チェザーレ!目を覚ましなさい。
ぼくはあなたのイシャですよ。」
(つづく)

■編集後記
 
劇団夢桟敷「週刊月曜日」はいずれ季刊誌として春夏秋冬(年4回)発行する予定です。「週刊」を編集構成して写真やイラストを加えて、新たに特別号の冊子とします。…途上の「週刊」にご期待ください。
(演劇実験編集委員TNS)


村人へ

2022-01-30 00:28:13 | 2020-2022 日記

世界中の疫病流行につき生活リズムは変わった。
劇団での夜稽古は自粛され、のんべんだらりと夜は横になってテレビを見る機会が増えた。しかし、テレビに登場する人物たちの名前が頭に入らない。
ま、いいか!
身近な人たちのことを忘れなければ私の情勢に影響なし。
村人である。…村人発見へ!


前田和展 くまもと工芸館

2022-01-27 22:02:50 | 2020-2022 日記

前田和 草木捺彩陶展
〜草木の生命とともに〜
くまもと工芸会館(熊本市南区川尻)
1月30日(日)まで

前田和先生との出会いは30年前。
雲仙普賢岳噴火1991年の際、画廊喫茶三点鐘主催でチャリティー陶芸展に参加して被災した小学校に電気釜を寄付。
熊本の美術関係者の中にポツンとアングラ人。気が合う。
子供たちを元気に!子供たちの笑顔を見た。救われたのは私たちだった。
私は前田先生の蒼土釜で陶芸初体験。参加者は殆ど完売して感激!

先生と会って元気をいただいた。下田眞一郎先生も来ていたよ。
くまもと工芸会館は日本酒瑞鷹の敷地内にある。
良い意味で目の毒だった。瑞鷹は体内消毒になるよ〜♪


慌てることはない。

2022-01-26 16:21:03 | 2020-2022 日記

ふんふん。
未だ先はある。
明日は将来だね。
慌てることはない。

劇団夢桟敷、予定変更のお知らせです。

しばらくは自主トレ(台本書き集中)になる。
デスクワークばかりでは限界があるので、
歩こう、走る(車で!)。

慌てることはない、と自分にも言い聞かせているこの頃。
フライングはしない。