劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

桜の馬場 城彩苑

2023-08-31 23:16:19 | 2023年
8月31日(木)天気、曇ったり雨だったり。

九州では千葉を東京と思っている人が多い。(ウソ含む余談)
東京と思われている千葉の兄(86歳)がやって来た。長男(兄)と末っ子(私)の歳の差15。並ぶと差が縮まったように思える。

桜の馬場 城彩苑をご案内。
熊本城を二の丸公園から眺めた。復興中のお城に登ると息が切れるのでパスイチ。
観光より飲食と家族しか通じない話しで時を過ごす。

週刊月曜日 第50号

2023-08-28 15:23:01 | 2023年
劇団夢桟敷「週刊月曜日」
〈第50号 2023.8.28発行〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/
1.水俣見聞想(2)海の声

只今、次回公演MINAMATA PROJECT 夢現ひとり芝居+1「苦海からの呼び声 不知火幻視行」にとりかかっています。
夢現(#坂本真里)のメッセージを掲載します。



 コロナ禍の3年間というもの、“新しい日常“の名のもとで人と人との関係は確実に希薄化し、あっという間に世はヴァーチャル化の一途を辿り始めた。
 そんな息苦しさや鬱屈した気分にやっと慣れ始めた頃、私は書物を通して「石牟礼道子」と「水俣」に〈出逢い直した〉のである。それは一方通行ではあったが衝撃的な経験であり、それ以来、私の図書館通いが始まり、石牟礼道子作品と水俣病関連図書を読み耽る日々が続く。コロナ禍の恵みがあるとすれば、唯一、私にその時間を許してくれたことかもしれない。

 石牟礼道子著「苦海浄土3部作」(苦海浄土/神々の村/天の魚)を読みながら、私は無知の知の涙を禁じ得なかった。「知っていたつもり」の自分の罪深さを思い知る。「あなたがそこにいたら、あなたは何をしたか」.....53年前に発せられたこの厳しい問いは、時空を越えて私に迫ってくる。
 一方、方言で語られる水俣病患者の聞き書きの章では、随所に激しく感情移入する場面が出てくる。方言であるからこそ、病の極致にある人々の魂の深さがより詩的に、またより劇的に行間から立ち昇ってくるのである。溢れ出るこの「情念」を何とか舞台化できないものか.....私はいつのまにかそんなことを考え始めていた。文字で書かれた語りに自分の声を乗せてみる。方言の生々しさからであろうか、言葉に覆い被さるようにして肉体が憑依してくるような錯覚を覚える。もしかしたら、石牟礼道子自らが演劇的表現を求めていたのではないかとすら思えてくるのである。
 
 私は水俣病が公式認定された年と同じ1956年生まれである。公式認定から今年で○○年というニュースを見聞きするたびに、自分の人生と水俣病の年表を重ねてみるのが常であった。しかし年表は年表でしかないのだ。その時系列の並びの向こう側には、生身の肉体を持つ人間たちの濃密な時間が大河のように流れている。その流れの中でどんな人々がどんな風に生まれ、生き、そしてどのように死に追いやられて行ったのかに想いを馳せる。

 ある水俣病患者は言う。
「水俣病んこつは、人間の生き方ば考えんばんとじゃった。
この海、この山に向きおうて暮らすこつじゃ。
患者じゃなか。
人間ば生きっとばい。」

 水俣病事件が世に問うたものは何であったのか。不知火海の火影のゆらめきのようにその答えが見え隠れする。
 次の「MINAMATA」を生まないために、私はこの期に及んでも不知火の海から幻視の旅を始めようと思う。

「あなたがそこにいたら、あなたは何をしたか」



 チッソの裏山を地元の人はしゅりがみ山と呼んでいた。後年そこにいた狐が山をハッパで崩されて住み場所を失い、一族そろって天草へ帰るのに、地元の漁師に頼みごとをしに来たという話が残っている。「いまは渡し賃もありまっせんが、天草に帰ってから働いてお返ししますので、なんとか船にのせて連れて帰っては下さいませんでしょうか」と頼まれた漁師もいた。もちろん渡してやったが、なかには、木の葉ではない本物のお金を持ってきた狐もいたそうだ。
 この中で「そこにいた狐が山をハッパで崩されて住み場所を失い」とあるのは、つまり明治時代後期にチッソが進出してきて、山の東側までをもすっかり工場化して行った経緯が反映されているのであろう。
 しかも、山に住めなくなったのは狐たちだけでなく、実は何よりもまず人間たちがそうなってしまったのではなかったろうか。
「魂の秘境から」石牟礼道子参照
※(注)
 水俣病は1956年に公式発見された。体内に入った有機水銀により脳や神経が侵される有機水銀中毒。発端は、チッソ(当時の日本窒素肥料、のちに新日本窒素肥料に社名変更)が熊本県水俣市に構えた水俣工場の工場排水に有機水銀の一種である「メチル水銀」が含まれており、これを摂取した地元の魚介類の体内に蓄積され発病した。


昨年に引き続き
【熊本公演協力】井上弘久独演会
 9月16日(土)17:00開演
「椿の海の記〜第二章 岩どんの提燈」石牟礼道子
料金2000円
熊本市国際交流会館5F和室大広間
【水俣公演】
 9月18日(月祝日)19:00開演
 おれんじ館
 水俣市月ノ浦195-2

演劇のための演劇、文学のための文学、芸術のための芸術を排す。
闘いである。
故 石牟礼道子さんがデザインした黒旗の「怨」に「愛」が張り付いている。それを模索する。
序走に引き続き「プラス1」を無限に追う。
【第49回 熊本演劇フェスティバル参加・夢現ひとり芝居+1】
「苦海からの呼び声 不知火幻視行」
 11月17日(金)19:00
 11月18日(土)13:00
(開演は30分前。上演時間60分+映像トーク10分〜20分)
 熊本市国際交流会館5F和室大広間
 前売2000円(当日2500円)

撮影日(宣伝美術)

2023-08-26 18:36:06 | 2023年
8月26日(土)
モデル(夢現こと坂本真里)の写真撮影の日。
水俣市エコパークの魂石とのコラボを試みる。(只今、宣伝チラシ試作中)
夢現ひとり芝居+1「苦海からの呼び声」11月公演に向けて助走。

苦海とは?
水俣病に限らず、
福島原発処理水(放射性物質が含まれる汚染水)の海洋放出が始まった。
あくしゃな…「困った」。
フライング(先走り)ではないか?

チラシ作成

2023-08-25 19:18:15 | 2023年
8月25日(金)
温泉にて次回公演チラシデザイン作成中。場所に違和感無し。
湯に浸かると気持ちが和らぐ。イメージは弛緩から生まれる。しかめっ面は禁。
座長夢現の「苦海からの呼び声」はもう始まっている。
チラシ裏の写真が足りない。明日(土)は座長をモデルに写真撮影することになった。

9月-12月 公演案内

2023-08-24 12:45:49 | 2023年
夏の終わりから「演劇の日常」を回帰する。

【公演ご案内】

9月16日⭐︎予約受付中
井上弘久独演
「椿の海の記〜第二章 岩どんの提燈」
原作/石牟礼道子
熊本市国際交流会館5F大広間A
(昨年につづき熊本市では2回目の公演。水俣市おれんじ館は9月18日)

11月17日・18日 
(夢桟敷公演)
熊本演劇フェスティバル参加
夢現ひとり芝居+1
「苦海からの呼び声〜不知火幻視行」
熊本市国際交流会館5F大広間A
(plus oneの謎が明かされる。)

12月10日 
流山児★事務所 
「夢・桃中軒牛右衛門の」
荒尾市総合文化センター
(作 宮本研/演出 流山児祥 宮崎滔天を題材にした革命劇。流山児氏の生誕地荒尾市での公演は19年ぶり。)
◼️
問 夢桟敷
 090-4581-5190
 yumesajiki@ybb.ne.Jp