劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

安井建ニ絵画展(避難)

2023-06-30 18:52:04 | 2023年
6月30日(金)
九州各地で豪雨警戒レベル3〈高齢者避難〉発令中。熊本市味噌天神に座長と避難する。
そこは!
安井建ニ絵画展(画廊喫茶ジェイ)最終日だった。
細かい描写で河川から眺める風景モノクロ大型版画やオッパイを揉んだような手触りの陶芸、広告デザインを営まれていたが、今は三角西港(世界遺産)で金箔を使って悠々自適の絵を描いている。金にドキッ。額縁の紅は舞台の色に通じる。金味噌の天神さんを祀る赤鳥居のようでもあり、若い時からの血潮を感じる先輩。
酒を呑み交わした頃のチョイワルを思い出す。内緒の話はあのねのね。シーッ(笑)

週刊月曜日 第47号 水俣計画②

2023-06-30 12:46:04 | 2023年
劇団夢桟敷「週刊月曜日」
〈第47号 2023.6.30発行〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/

第46号のつづき。
YUMESAJIKI
MINAMATA PROJECT 2023
PROLOGUE ②
劇団夢桟敷 「水俣」へ序走2

プラス1について。
「限りなくゼロに近いイチ」は「ゼロ」ではない。控えめなプラスがある。
「そのイチはマイナスに向かうか?無限大のプラスに向かうか?」…只今、「イチ」は停滞中(1+1=1+−♾️)に見えるが、人生や演劇の活動は損得の数字では表せない。これが得意技。
ナンチャッテ言っているから「わからない人」と言われる。
プラス1で迷宮入りさせないように気を配ろう。結果、迷宮に閉じ込められたとしても出口を探す。出口を探して三千世界。
その人の名は出口君と言う。
隠れんぼをしていて鬼が出口君を見つけてくれなかったため行方不明となって忘れられた少年がいる。
少年が50年後に現れると鬼も遊び友だちもみんな大人(老人?)になっていた。誰が誰だかわからない。
出口君は逆の浦島太郎である。大人になれない少年のまま。少年症候群。
少年は50年もの間、何をしてきたのだろう?と空白だった時間を思う。
記憶を遡ると「ぼくはここにいるよ!早く見つけて欲しい。」と自分の穴の中に閉じこもっていた。
空白の半世紀を埋め合わせよう。可能か?容易なことではないことぐらい少年は気づいている。
穴から顔を出したのは空白に絵を描き、音を出し、叫ぶためだった。

唐突はお好きですか?
理由や必然は後回しである。…出会いは偶然。出会って続けば、結果として必然だったと糸を繋ぐ。
演劇は偶然の出会いから始まり、ここに感動があったりサヨナラもある。
しかし現実は?
さよならだけが人生さ、という文学もあったりする。何をカッコつけているか。カッコで閉じましょう。

水俣病をテーマに演劇に取り組んでいる。座長が台本作成中につき、いらぬことを言わないようにしている。口が軽い山南にとって苦行。
座長夢現(ゆめうつつ・坂本真里)の〈ひとり芝居〉作・出演である。
演題は「苦海からの呼び声」
石牟礼道子の「苦海浄土」の「苦海」を連想したのか、唐十郎の「少女都市からの呼び声」を模倣するのか?
ネタバレに注意しながら、理不尽との闘い、人間の強さ弱さ、悲しみと怒り、そして感動を浮かび上がらせるために水俣通い(ロケハン)は続く。
水俣病闘争のシンボルである黒い旗「怨」との鬼ごっこが始まる。
鬼ごっこと言って良いのだろうか?
遊びじゃない?ふざけるな?
「怨」との鬼ごっこは演劇である。

ひとり芝居+1の「プラス1」は出演者人数のことだろうか?大掛かりなスタッフとの共同作業のことか?
ナマ舞台の前座としてMovie「不知火幻視行」を仕掛けることか?
それもある、これもある。
これとは「水俣病」を演劇や物語として良いのだろうか?という問題。
「現実の歴史的事件だから物語にして欲しくない。」という声も聞かされた。
特に気を配ることは水俣病患者さん(被害者)が高齢化し亡くなられた方々が多くいるということ。付け加えれば、夢桟敷は裁判闘争や水俣病市民運動に何も力になってこなかった後ろめたさもある。
プラス1とは?
私たちは稽古・宣伝・動員・発表の繰り返しだけではなかったと確信する。
プラス1とは?出口を探す。


【劇団夢桟敷公演告知】
第49回 熊本演劇フェスティバル参加
 夢現ひとり芝居+1
 11月17日(金)18日(土)
「苦海からの呼び声」夢現(作 出演)
 Movie「不知火幻視行」短編
熊本市国際交流会館5F和室大広間
(予約開始は9月より)

井上弘久独演会【公演協力】
 9月16日(土)
「椿の海の記〜第二章 岩どんの提燈」石牟礼道子
熊本市国際交流会館5F和室大広間

狐の嫁入り

2023-06-28 15:39:44 | 2023年
6月28日(水)「ゲリラ」模様(天気)

唐突に!
小雨が降る中の日照り、かと思えば雲に覆われ稲妻が走り雷の音。近づく嵐かと思えば空は晴れの雨降り。
「狐の嫁入り」と目が合って時は流れ、「ゲリラ」は死語か?
「シェーッ!ガチョーン!」も死後何十年から抜けきれず。

唐突はお好きですか?
好きです。

今日から「突然どうもすみません」の連絡作業。
「不知火幻視行」Movie出演者スタッフ若干募集する。

週刊月曜日 第46号 水俣計画①

2023-06-26 13:18:28 | 2023年
劇団夢桟敷「週刊月曜日」
〈第46号 2023.6.26発行〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/

【劇団夢桟敷公演告知】
第49回 熊本演劇フェスティバル参加
 夢現ひとり芝居+1
 11月17日(金)18日(土)
「苦海からの呼び声」夢現(作 出演)
 Movie「不知火幻視行」プロモーション
熊本市国際交流会館5F和室大広間
(予約開始は9月より)

(関連協力公演)
井上弘久独演会
 9月16日(土)
「石牟礼道子 椿の海の記〜第二章 岩どんの提燈」
熊本市国際交流会館5F和室大広間


プロローグ(序)

水俣病の「水俣」というネーミングを外して欲しい!と言う声を聞いたことがある。「水俣と言われることに差別を感じる」と言われる。
原爆を投下された広島や長崎も地名で呼ばれる。
水俣も含めて広島も長崎も世界で通用する地名だ。
MINAMATA-HIROSHIMA-NAGASAKI
ローマ字で世界は通用する。
原爆の悲惨、公害の悲惨…その悲惨さが強烈な「負」の世界になる。
負の遺産でも割り切れない。引き算で語れるものでもない。隠すわけにはいかない。
亡くなられた方々の無念さや悲しみ、今も苦しんでいる症状や生活の不便さに加えて「補償金欲しさに裁判が行われている」という心なき患者さんたちへの差別や偏見もあることも確か。暴力である。
豊かさの暴利を貪りながら、同時にその過程で発生した甚大な被害を隠そうとする側が市民を分断する。
その分断を直接見ることは難しい。
が、どの側に立つかによって分断が見える。
わが演劇に中立なし。患者側に立った物語。
水俣は熊本、熊本は水俣である。しかし、ナショナリズムは排す。
私たち夢桟敷は熊本で生きている。これが劇の寄って立つラインである。

チッソ株式会社は化学工業として水俣市を中心に発展してチッソ城下町と言われた歴史がある。不知火海沿岸、天草まで発生した水俣病の原因を作った。
旭化成、積水、日本ガスなど日本でも巨大な資本の母体企業。
資本主義の「怪物」として、そこから恩恵を受ける地域の労働者や住民と魚を獲って暮らす漁民たち(水俣病の発症者たち)との対立矛盾関係として分断されてしまう。差別と抑圧された人々がいる。
ここに社会的(政治経済)問題の根源がある。水俣の問題は現代社会の矛盾の縮図でもあり、ここから明るい光を求めることは希望の手掛かりにもなるだろう。
明るい光を阻害するものとは?患者さんたちを差別する人間の無知から来るものだろう。
全知全能は無理だとしても差別する要因は大なり小なりの無知と無恥から始まるのではないだろうか?
又、立場変われば政治経済権力の座にいる有知がご都合主義によって人を騙す。無知が騙されると孤立を生み出す。それが分断の正体か?
世界中に広がる豊かさを求めた結果のしっぺ返しとしての公害問題。
公害に限らず、戦争や貧困、命の危機に繋がる地球全体の根源を見ることができる。
気をつけないといけないのは分断が成功すると手のひら返しの「団結」が叫ばれる恐怖。数の暴力が横行する。

大きなことを大きな態度で大きな声で叫びたいが、劇団夢桟敷はいぶし銀である。とりわけ座長=夢現(坂本真里)のひとり芝居はじわじわ来る狂気と哀楽いぶし銀、「怨」の黒旗を立てる。
こころを揺さぶられるか?喜怒哀楽はあるか?
作品のための作品ではない。次の世代に繋げよう。
自称、アングラ!他称、アングラ?
アングラの「あ」の字はどう書くの?
こう書いて、こう書いて、こう書くの。
あっ!
踊れるか?オドル。
アングラ劇の側から水俣の演劇に挑戦する。

1980年の頃、「空飛ぶ魚」と題した水俣病をテーマに小劇をやったが、文学や美術を意識して空回った経験がある。
ゲージツを気取ることはしない。
演劇で闘争できるか?
社会主義リアリズムを背負って議論した時代もあったがシュールに越された。
表現分野では独裁も民主主義も基準にならない。とりわけアングラ劇は下からの出現である。
出れば叩かれるモグラ叩きで打たれ強くなる。
「演劇はプロパガンダである!」と言って演劇が炎上したこともある。ネチネチネットの炎上ではない。
その時はプロパガンダの意味が不明で吐いたに過ぎなかった。公演終了の打ち上げ飲み会の席だった。ケンカするほど仲良くなる時代だった。

安心してください。rest assured.
社会主義リアリズムもプロパガンダも、夢現ひとり芝居+1の「1」には含まれていない。
「プラス1」について次号47号(6月30日)発行につづく。
徐々にMINAMATA PROJECTのベールが剥がされる。

午後のお茶、チャチャチャ

2023-06-25 18:37:12 | 2023年
6月25日(日) わかる人はピンとくる日記。少数派ピンピンである。

JR熊本駅近くの昔遊郭の町二本木にて。
二本木と言えば幕末から明治政府、叛乱計画など、「性」は「政」の裏面史に繋がる謎多き地。問題の「おてもやん」は女性解放の歴史を秘めた謎多き町。

その町で我らがBigboss(成毛克美さん)について若者戦後史から現代に繋がるお話を謎多き人から聞く。成毛さんの活動記録などを整理する必要あり!激動日本の時代を表現できる。…成毛さんの物語でも良いから!
彼は大分県日田市在住であり現在闘病中。
今日は日田ツアー(成毛さんを囲む)を計画するために中村倭文夫さん(福祉生協創立者)と会う。謎多き人バレバレの失礼。私の大先輩だが並ぶと年齢が同じくらいに見えるのはナゼ?
日程決まり次第、関係者の日田ツアーの参加を呼びかけましょう。