劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

熊日連載⑨「わたしを語る」(18)

2020-05-06 02:27:22 | 2020-2022 日記

熊日連載「わたしを語る」(18)は2005年3月の近畿大学「唐十郎フェスティバル」参加を語る。

この時期は5月開催の日本劇作家協会の大イベントで熊本県立劇場の準備にも追われていた。私は直接演劇とは距離を置いた「熊本うまかもん市」を担当することになっていたので、お菓子の香梅さんのイベントプロデューサーさんに交渉や事務的なことは留守の間、お任せになってしまった。
近畿大学でのフェスティバル参加では助けていただく。

大阪でのエピソードは山ほどあった。
その一つを付け加えれば…
フェスティバル開催オープニングシンポジウムとして、実行委員会と参加劇団が唐十郎さんを囲んで公演作品の思いを発表することになっていた。
事前打ち合わせで大学近くのお好み焼き屋に入ったのが運のつき。…みんなでビールを飲み過ぎてしまった。本番まで時間が有り余っていた。
唐さんの演劇論や体験談、1960年-70年代までの「状況」で酔いが急激に回り、シンポジウムまでの余力が失せてしまった。
打ち合わせで全力を出し切ってしまった。雲の上の人がいる。
日本のシェークスピアとは何か?…考えてみれば私には学問的見地による演劇とは無縁なところで活動をしていた。お客さんは圧倒的に演劇専攻の大学生や専門の学者、評論家である。
まっ、いいか!「愛の乞食」の「乞食」を語れば良いではないか、とアドバイスをいただいた。
シンポジウムで発表したことは「乞食」と「焼夷軍人」の物語だった。酔いの勢いだけが振り返していた。
いかん、酔った勢いはいかん。失礼だ。
ステージ上は甘いビール酵母菌の匂いが漂い、客席に流れて行った。