6日、今日も穏やかなよい天気だ。
朝7時半、ホテル出発。
古道歩きの前に日本最大規模の棚田、紀和町にある「丸山千枚田」を
見につれてくれる。
高低差100mの斜面に、なんともいえない厳しい先人の労力から
成り立っている丸山千枚田は、まだ寒々とした田んぼだが朝日の中に
圧倒される景観だ。早苗の頃はきれいだろう。
昨日の市木川を越えたところから今日は出発。語り部さんも交代だ。
海が見えすぐに堤防の遊歩道に入る。
今日の16キロは浜街道と小さな峠を2つ越える。
七里御浜の浜街道は、巡礼道とも言われかって河口渡りで波にさらわれたり、
行き倒れになって命を落とした人たちの巡礼供養碑も
小さな石碑としての残されている。
また穏やかな海を右に見て歩く。
浜辺の小石の中に、女の人が一人、一心に何かを拾っているのが見える。
波打ち際ではないので海草ではなさそう・・・。浜大根の花が咲いていた。
海岸線を走る国道42号線沿いに、高さ70メートルの巨岩をご神体とし、
イザナミノミコトの御陵といわれる花の窟神社(はなのいわや)がある。
社殿はなく自然崇拝を今に伝える日本最古の神社と言われているそうだ。
下から見上げるとその大きさが分かる。その空間は静寂と神秘に包まれ、
荘厳な気持ちになります。
年に2回御綱掛け神事といわれる行事があるらしい。
縄を編んで幡三流れを作り、その幡に種々の花を括り、扇を結びつけて
長い綱で岩屋の上より前の搭に高く掲げる・・・という。
花の窟から20分ほど歩くと海岸に向かい大きな獅子の顔の形の岩がある。
獅子岩だという。本当に獅子のほえている形だ。
少し街の中に入るとJR熊野市駅。
松本峠の登り口近くから少し海岸に向かい歩くと、東屋があり
鬼ケ城城址の展望台がある。
昨日からず~と歩いてきた七里御浜を一望できる。
国の名勝天然記念物「鬼ケ城」は、海風蝕と数回の大地震で隆起した
凝灰岩の大岸壁で、奇岩奇勝で知られる名勝です。
その昔、桓武天皇(737~806)の頃、この地に隠れて熊野の海を
荒らし廻り、鬼と恐れられた海賊多娥丸(たがまる)を、
天皇の命を受けた坂上田村麻呂(751~811)が征伐したという
伝説があり、その伝説に基づいて鬼の岩屋と呼ばれていましたが、
後に鬼ケ城といわれるようになったそうです。
鬼ケ城の写真はネットから拝借しました。
いよいよ今日越える峠の一つ目松本峠ののぼりに入る。
高低差135m、3キロばかりの峠だ。
竹林に囲まれた峠にはかって茶屋があり、葉ランや花茗荷など茶屋で
使ったものが植えられ、そのまま残っている。
峠には鉄砲で撃たれたというお地蔵様が立っていて歴史を感じさせる。
趣のある石の道の端には、ふきのとうに花が咲いていた。
峠を下り大泊のきれいな砂浜の海水浴場の浜に下りて、
ようやく温かいお弁当を一人ずつ貰い昼ごはんとなる。
穏やかなさざなみの光る海はすっかり春の海だ。
鳶がみんなの上空を輪を描いて飛び、お弁当を狙っているみたい・・・
小休の後はすぐに次ぎの大吹峠ののぼり口だ。
今度の峠は少し高くて205M、2,6キロの道のりだ。
両脇に美しい竹のそびえる道を抜けていく。
鎌倉期のものといわれる大きな石の石畳が残る。
峠を降りて波田須の集落に入る。海が見え山に囲まれた里の風景を見ながら
3キロばかり・・・れんげそうも咲いてさすが暖かい熊野灘に面した土地だ。
れんげそうはシャドーさんの画像をお借りしました。
峠から波田須への道
行程の終わり、新鹿(あたしか)到着は3時半。
4時出発でバスに乗り尾鷲周りで伊勢道、出来たばかりの新名神、
京滋バイパス、名神と走り8時過ぎ大阪着、帰宅は9時半だった。