団塊世代の人生時計

 団塊世代として生きてきた「過去」、「現在」、そして「未来」を、自分自身の人生時計と共に綴り、「自分史」にしてみたい。

足るを知る

2012-05-30 17:19:28 | 社会
                           足るを知る

                                                    2012年5月30日(水)

 先日、かつて同じ職場で働いたことのある先輩と一献傾ける機会がありました。
 この方は、世間的に言えば、一風変わった人で、世が世なら山頭火のようにになっていたかも知れない人です。そう言えば山頭火と同じ山口県の出身ですが・・。
 北海道から沖縄までの海岸線を、バイクにテント・寝袋・炊事道具を積んで完走したということです。孤独が全く苦にならない方で、星空を仰ぎながら、いろいろと考えを巡らしたということでした。(今頃○○さん(私のこと)はどうしているかなと思ったとか・・。)

 この方が含蓄のあることを言いました。「足るを知る」必要があるというのです。「足るを知る」とは、私の浅薄な理解では、「贅沢を望まない」程度のことですが・・。


 5月29日の朝日新聞にNPO法人「地域再生機構」福理事長の平野彰秀氏が「足るを知る社会へ 地産池消の電力が自治再生のカギ」と題して述べています。
 この方は、岐阜県郡上市石徹白(いとしろ)という所で水利を利用し、水車により発電し地域再生の運動に取り組んでいます。「水が流れる限り、24時間365日コツコツ発電できるのが、小水力の利点です。」と述べています。私は、この「コツコツ」という言葉にこれからの脱原発への希望を見たような気がしました。小さなことでも、全ての人がコツコツ努力すれば、過剰な電力に依存した生活から抜け出すことができるのではないでしょうか・・。

 「高度化する現代社会は巨大なシステムが複雑に絡みあい、自分の生活がどう成り立っているのか、命の根っこがどこにつながっているか、みえなくなっています。原発事故が起きて初めて、福島でつくられた電気が東京に送られていたことを知った人は少なくないでしょう。私たちはシステムに自動的に組み込まれてしまうから、管理・運営への責任感や主体性は当然育まれません。平治は『誰か』に全くのお任せだし、問題が起きると『誰か』に文句をいう。文句をいって留飲を下げたり、不安を紛らわしたりするしかできない人が大多数の社会は危うい。」

 「石徹白では雪深く、隔絶された集落なので、食べ物はもちろん、衣服や道具類も手近な材料でつくってきた。自らの手で暮らしをつくるからこそ、『足るを知る』ことができる。そんな地域の知恵と精神性をもとに、次の時代の社会モデルを実現したいです。(一部省略)

 立派な思想だと思います。

 ただ、この方は、「僕ら(多分40代)や、より若い世代が新しくつくるしかない」と主張していますが、それは、「全ての人」に求めることでしょう。生意気ですが、そう思いました。
 


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