大和川ウォッチング 春の植物
大和川の上流の奈良盆地には156本の支川が流れ込みます。出口は奈良県の王寺町で1本になります。一本になった大和川は亀の瀬と呼ばれる渓谷を経て大阪へ流れていきます。
亀の瀬は、大和川の水が奈良から大阪へ流れるたったひとつの出口です。
亀の瀬で地すべりが起こって大和川がふさがれると、奈良盆地は水没し、大洪水になってしまいます。その水は、やがて鉄砲水となって大阪平野を襲い、大阪平野も水没してしまいます。過去の地すべりの際には亀の瀬付近の地形も変わっています。
王子のところで紅葉で有名は竜田川が合流しますが、古代から江戸時代まで、亀の瀬付近の大和川は、龍田川と呼ばれていました。
現在の竜田川は、平群川を竜田川に変えたものです。名称が変わり、紅葉を植えて名所となっています。
亀の瀬で見られた植物 春
クサフジ(マメ科)牧草として利用されていたのが逃げ出した植物。奈良盆地から大和川下流まで各地で群落として見られます。
セイヨウカラシナ(アブラナ科)元々食用として導入されたものが野化しました。春の川原を一面黄色に染めてくれます。
ホトケノザ(シソ科)春の七草に数えられる「仏の座」とは違います。畑の付近や土が肥沃な場所では、ホトケノザが群生している様子をよく見かけます。
カンサイタンポポ(キク科)長野県以西の本州、四国、九州、南西外に分布している。カントウタンポポ、トウカイタンポポなど地域のタンポポと外来のセイヨウタンポポのように全国に広がったタンポポも。
シロバナタンポポ(キク科)染色体数は5nであり、単為生殖を行う。総苞外片はやや反り返り突起が顕著である。タンポポは黄色と思っている人は島根、高知、愛媛、大分、熊本、宮崎では、過半数の方が「白色」と答えるのは驚き。
ハルノノゲシ(キク科)このような黄色い花を観ると子どもたちタンポポと答えますが、この花はノゲシといいます。秋に咲くアキノノゲシがあるので、春に咲くのでハルノノゲシ。史前帰化植物のひとつ。
オオイヌノフグリ(オオバコ科)明治の初めにヨーロッパから日本に伝わってきた。ゴマノハグサ科とされていたのですが、現在はDNAの分析により、オオバコ科となりました。今まで当会で出版した本は訂正しないといけません。
オランダミミナグサ(ナデシコ科)ヨーロッパ原産の越年草。今世界中で見られる野草です。
カラスノエンドウ(マメ科)本州以南に分布。畑や道端、空き地などでよく見られます。
タネツケバナ(アブラナ科)水田や水路の周辺など、湿り気のある場所で見られます。イネの種を水に漬けて発芽させるころ花が咲くというのが名前の由来。
ムラサキカタバミ(カタバミ科)南米原産。直径2ミリほどの小さな球根をたくさんつけて増えます。環境省に「要注意外来生物」と指定されています。
キュウリグサ(ムラサキ科)葉っぱをこすったりちぎったりするとキュウリの香りがするのがな前の由来。春に青色の 小さい5弁花がカレン。
その他
カニクサ、ネコヤナギ、ママコノシリヌグイ、イタドリ、ギシギシ、シロアカザ、アケビ、ヨウシュヤマゴボウ、ノイバラ、クサイチゴ、ヌスビトハギ、ヤブガラシ、カタバミ、ノブドウ、チドメグサ、メハジキ、クコ、ハルジオン、オニノゲシ、カンサイタンポポ、オオオナモミ、ヤマノイモ、メヒシバ、アキノエノコログサ など