牧野富太郎と兵庫県の花 ノジギク
日本の植物分類学の父といわれる牧野富太郎博士が、朝のNHK連続テレビ小説の主人公のモデルになって今年の4月放送されという。牧野富太郎と兵庫県の花ノジギクの関係について紹介する。
晩秋、一年の遅くまで花を咲かせる菊の花がノジギク。
ノジギクの分布は、豊後水道に面した四国西岸(高知県、愛媛県)と九州東岸(大分県、宮崎県、鹿児島県)を中心とし、一部は瀬戸内海に面した地域(山口県、広島県)にも生育し、その東限は兵庫県(姫路市等、淡路島)となっています。
かつては、 塩田の間を縦横に走る水路(澪みお)の土手に、枝いっぱいに咲き乱れていました。また、八家•的形•大塩の山々には、真っ白に見えるほど 群生していました。しかし、今では開発が進み、少なくなってしまいました。県レッドデータブックはCランク(準絶滅危惧)に指定しています。
兵庫県の花になったのは
昭和29年(1954年)、NHKなどが全国各都道府県を代表する花を募集したとき、ノジギクが兵庫県の鄕土の花として選ばれました。それ以後、「県花」として広く県民に親しまれるようになりました。
牧野博士が命名
ノジギクは、明治17年(1884年)11月に、日本植物分類学の父といわれている牧野富太郎博士が、郷土の高知県吾川郡吾川村川口の仁淀川沿いの路傍で発見し、命名したものです。
ノジギクは海岸からせいぜい4km〜5kmまでの所にしか生息しないとされていますが、発見された
場所は、海岸から30kmも奥に入った山あいの地です。その謎はまだ明らかにされていません。
ノジギクの分布は先に述べましたが、香川県や岡山県では見つかっていません。豊後水道に面した地域と兵庫県に生育するノジギクにはギャップがあり、兵庫県のノジギクが豊後水道に面した地域に生育するノジギクと起源を同じであるとはよくわかっていません。