野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

淀川 三川合流 サクラ

2023-03-20 | 市民講座

サクラ 三川合流

サクラの開花が大阪でも始まりました。

今日は 淀川がはじまり、三川合流の堤のサクラの話です。

淀川は桂川、宇治川、木津川の三川が合流するところから始まります。この三川合流地点の京都府八幡市付近の背割地区はサクラの名所として有名です。

 この背割りは明治時代の初めの木津川付け替え工事でできた淀川右岸の堤防が明治30年からの宇治川改修を経て出来た堤で、もともとは松並木だったものを松枯れの進行により1978年に当時の建設省により、ソメイヨシノ250本が植えられたそうです。

 

今はそれらが大きく育って見事な桜並木となっていますが、ソメイヨシノは江戸時代後期に江戸染井町(現在の東京都豊島区駒込~巣鴨周辺)作られたとされています。

中部日本や関東を中心に分布するエドヒガンと伊豆半島、伊豆大島、房総半島に自生するオオシマザクラを親として出来た種間雑種で、明治になってからソメイヨシノと名づけられて量産され、広まった、いわば人工的に作られたサクラの一品種のコピーです。当初、吉野桜と名づけられて出されましたが、1900年(明治33年)にソメイヨシノと命名されました。

ただし、起源については諸説あります。当の奈良の吉野山のサクラは、ヤマザクラです。

野生のサクラは樹齢が400年以上時には1000年ともいわれるサクラが多く、ありますが、その多くはヤマザクラやエドヒガンです。花柄や葉柄に毛があります。樹齢400年以上のものも多く、岐阜県の荘川桜、薄墨桜、などはエドヒガンです。 

オオシマザクラは、花は白色で大きく、香りがよく、葉を塩漬けにしてサクラ餅を包みます。

 そのため伊豆半島付近が分布の中心ですが、色々なところに植栽されています。花柄葉柄とも無毛です。

カスミザクラ花期が遅く、ソメイヨシノやヤマザクラが咲く4月上旬にはまだ蕾も膨らんでいません。他のサクラが散った4月下旬から5月上旬にようやく花を開きます。

ヤマザクラに似ていますが、花柄や葉柄に毛があり、ケヤマザクラとも呼ばれます。開いた葉は表面に毛があり、触るとざらつきます。また、葉の裏面は光沢があります。

サクラの実は人が食べてもサクランボのように美味しくはありません。私たちが食べるサクランボは、セイヨウミザクラやシナミザクラというサクランボを採るための栽培種です。

しかし、野生のサクラの実を鳥たちはよく食べます。鳥によって食べられたサクラの種は運ばれて色々なところに糞と一緒に排泄されます。このように、一旦鳥の消化管の中を通った種はそこで発芽し拡がるわけですが、不思議なことに淀川の河辺林の中にはサクラの木があまり見られません。人が植えたと思われるものはありますが、自然に育ったものはなかなか見られません。(「生きている淀川」より)

もうすぐ花見の季節ですね。