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Natural Mystic ~ナチュラルミスティック~

There's a natural mystic blowing through the air

2010-03-14 19:54:11 | Weblog
 気温が春めいてくると花粉症が発生し始める。杉花粉の頃、湧いて出るのがバイク乗りである。冬の間も通勤等でバイクを使っていればそれまでの話なのであるが、乗らないでいた場合、バッテリーが上がっていたり、キャブレター内でガソリンが腐っていたりしてこれがまた一苦労でバイクを目覚めさせることになる。

 最近はめっきりバイクも乗らなくなったが、乗っていた時期は必ず春になると苦労してバイクを起こし、とりあえずバイク屋へ乗っていき、確実に下がりきった空気圧の調整をし、またその他の法廷点検をして貰っていたものだ...。

 日が長いのに暖かさが加わった夕刻、家に向かって車を走らせる。信号待ちのとき他のエリアのナンバーを付けたアメリカンが車の前に停止していた。見ていて何とも羨ましい。何となく眺めていると妙に煙が多いのに気づく。よく見ればマフラーからではなくエンジン部から立ち上っている。蒸気の様な音も聞こえる。流石にライダーも焦り始めたようだ。見ているこちらも焦る。途端、

バスッ!!

音とともにエンジンがストップしてしまった。ライダーはとりあえず右にバイクを押して待避させた。


【ライダーの周りが煙で覆われている】

車の窓を開けこういった。
「その信号右に曲がって1km行くとバイクやあるから!」

ヘルメットを脱いだ中年のライダーは、
「ありがとうございます!」

と一礼をくれた。時刻は17:30。バイク屋まではもはや単なる鉄の塊と化したアメリカンを1kmも押さねばならない。バイクを預け、自宅へ帰ったのは何時になったのであろうか...。

何とも春らしさを感じたのであった。

卒園

2010-03-13 20:05:11 | Weblog
 保育園の卒園式である。何故か1年前からちび共には参加を約束させられていた。入園以来6年もたったのであるが、どうにもこの手の子どもの行事は苦手である。

 相も変わらずムービーカメラを構える親たちの様相を眺めながらの式典開始となった。とはいえ赤ん坊の頃からこの園にお世話になっているためそれなりに感慨深い。そんなことを感じていると焦った。周りの親たちは大部分が鼻を啜っているのだ。驚いて見回すと母親に限らず父親も大部分がそうであった。中には号泣している人物もいる。子育てに頑張ったためそれが報われたときである。確かに気持ちも分からないではないが一人泣かない私がおかしいのかと何とも不思議な気分に苛まれたのであった。



 ともあれ、無事卒園。これで帰りたいところであったがその後、保護者会主催の謝恩会であった。先生達が主賓と言うことでステージ上で演じるのは父母である。数日前からこの練習に参加してくれないかという要請が私のもあったが、忙しさを理由に断っていたのであった。
 程なくスタート。母親の部門は嫁も参加していたがまあ、『おかあさんといっしょ』的で微笑ましいものであった。

 続いて父親の部門。出てきた様相を見て思わず顔が引きつった。何と揃いもそろって幼児の格好という空恐ろしい様相で登場し、意味もなく、
「わーいわーい」
とデカイ体で楽しそうにスキップをしながらはしゃぎ、秋の行事で行った動物園のキリンを演じたり、冬にやった雪遊びを組んずほぐれつ演じていた。端から見れば笑えるのかもしれないが、私は見ていて参加する事にならなくて良かったと心底思ってしまった...。

 しかし、すべてを終えてふと気づく。私はまだ保育園との縁は切れてはいない。三男が後5年お世話になるのだ...。

 ...何処までかわしきれるのであろうか。ともあれ、卒園。あっという間の6年であった。

ブーム

2010-03-06 21:42:37 | Weblog
 ブームに便乗して商品開発がなされる事が普通にある。古くは饅頭や煎餅であったり、最近ではマスコットを作りストラップ等で販売されることが多い。しかし、大抵はブームが下火になってくると同時にそれらの商品は姿を消してしまう。

 我が家の裏手の丘陵地帯を進むと西武ライオンズのホームとなる西武ドームがある。しかし、この球場、日本に存在するプロ野球チームの中では一番の田舎と言われ、周りには湖と狸が跋扈する丘陵。コンビニが一軒、飲食店に至っては食堂が2~3軒ある程度で、ファミレスはおろか居酒屋さえない。ともすれば地方球場と大差はないのではと囁かれるほどの立地である。
 今春、そんな球団にドラフト1位で超高校生ルーキー菊池雄星が誕生する。連日マスコミはその話題で賑わってはいるが近くに住んでいながらライオンズファンではないためあまり興味がない。
 生憎の雨、留守番ではあったが昼も回れば腹も減る。いつも行く街道筋ではなく所沢方面でも開拓するかとドーム前を抜け信号待ちをしていた。左手に住宅街へ誘う看板があり、『P有り』と書かれた食堂を見つけた。雨脚も強くなったため面倒になりそこで済ますことにする。
 入店すると何のことはないカウンターだけの中華料理屋である。何を頼もうかと壁に貼られたメニューを見ようと店内を見渡すとあろうことか柱に『雄星ラーメン』と書かれていた。流石に声に出して頼むのも恥ずかしいので、
「これ下さい。」
と指を指して注文したのであった。
 待っている間店内を見ると、壁に新聞の切り抜きが貼られていた。近くに選手寮があるため、この食堂と選手関連のニュースが殆どであった。
 しばらくして出されたラーメンは、とろみがかった辛めの塩ラーメンであった。なぜか人参が星形に切られていた。



 食い終えて思ったこと。
 まあ、ブームが収まる前に消えるか或いは店主が意地で続けるかのどちらかであろう。それよりも2軍生活になったとはいえ早い時期に1軍で大活躍してラーメンが続くことを願いたい...。

 余談だが『雄星』の名前に星飛雄馬をイメージするのは私だけではないはずだ...。

歌のお姉さん

2010-02-27 18:35:34 | Weblog
 以前、仕事で松田敏江という人物にお会いしたときがある。私は全く知らなかったが大正生まれの歌手で声楽家。大昔にやっていた『スター誕生!』というオーディション番組の審査員をしてたそうだ。そのときは『初代歌のお姉さん』という話も聞いた。歌唱力は流石に凄いと実感したが、その数年後に機会があったときは加齢のためか歌うことはせず、代わりにピアノを弾きお弟子さんが歌っていた。

 朝食後、子供達は何となくNHKの超長寿番組『おかあさんといっしょ』を見ていた。最近のお姉さんは、歌ばかりではなく、演技・絵・踊りもあり大変なようだ。

 PCをいじっていた私はふと先ほどの事を思い出し、『歌のお姉さん』を検索してみた。しかしどこにもその名前は見あたらない。不思議に思い更に検索するとあろうことか1949年にNHKラジオ第一でやっていた『うたのおばさん』という番組のメインパーソナリティで当時は松田トシという名前だったようだ。

そんな検索の途中、もの凄いものを見つけた。宝塚女優である先代19代目のおねえさんのエピソードである。これは是非画像でみたいと思い、探し出し見たところしばらく笑いが止まらなかった。



 『放送事故』とまで酷評されただけのことはある。初めから出演の二人の様子がおかしい。また終わりまでの画像が歌のお兄さんを中心に写していて、お兄さんが歌の途中で笑い出すという展開が苦しさを物語っている。

問題の画像は下に...。

以下Wikipediaより抜粋。
「子供を黙らせる絵を描かせたら日本一」と評されたその腕前に、両親から「人前で絵を見せることだけはするな」と釘を刺されていたが、結局仕事上で描かざるを得なくなった旨を話している。

2006年4月28日には「おかあさんといっしょ」の番組内で同番組のマスコットキャラクター『スプー』の絵を絵描き歌で披露したが、これは本来のスプーのデザインとはかけ離れたイラストとなっていた。今井ゆうぞうは歌が終わりはいだの絵を確認すると、堪え切れない様子で笑い出し「しょうこお姉さんも、上手だね!」という言葉はかろうじて掛けたものの、はいだと共に必死に笑いをこらえていた。その間、両者の下で絵描き歌に合わせて踊っていた黒と白のヤギの人形が、はいだの描いたスプーを凝視し、口をあんぐりあけた状態で動きを止めていた。



0051

2010-02-21 22:10:46 | Weblog
 国際電話の「0051」残します…公共性を重視
2月21日16時10分配信 読売新聞

 KDDIは20日、3月末で廃止を予定していた、「0051」でつながるオペレーターによる国際電話サービスを存続させる方針を固めた。

 オペレーターを介さず直接電話する国際電話が普及して利用件数が減ったため、2008年7月にいったんはサービスの終了を決めていたが、総務省が、災害時など緊急の場合にも
使いやすい公共性を重視してサービス継続を要望。KDDIが受け入れた。

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 このニュースを読んで蘇った記憶がある。

 「0051」のサービスはいつから始まったかは知らないが、おそらく以前は局番を付けていたはずだと思う。というのは、局番なしの「0051」が始まったときのCMを覚えているからである。

 それがいつ頃のCMなのかははっきりとは覚えていない。おそらく小学校低学年の頃であったと思う。休日の昼下がり、家には私と父親の二人しかいなかった。何となくテレビを眺めていると、国際電信電話(KDD)と呼ばれる会社のCMのナレーションが始まり、全国局番なしの「0051」でオペレーターに繋がるという事を言っていた。するとCMに出ていた樹木希林(だったと思う)が無言で0051を押す。当然のようにオペレーターに繋がり「はい、国際電信電話です。」という返事があり、それに対して樹木希林が涼しい顔で、「なるほどねぇ~...。」という内容であった。





 これをみた私の父親は真顔で私にこう言った。
「おう、『0051』に電話してみろ。相手が出たら『なるほどねぇ~...。』って言ってやれ!」

 流石にそんなことをする度胸は当時の私にはなかったが、今なら何となくやってみてもいいかな...。

 と思ってしまう自分に笑ってしまうのである。

 おそらく30数年前の古い思い出である。

お礼参り

2010-02-20 22:37:53 | Weblog
 今年は私も嫁も厄年である。特に気にする方でもないので厄払いもしていなかったが、入院となった1月15日(金)は本来10時に病院へ行かなければならなかった。しかし、前日に病院から連絡があり、13時に変更となる。予定外の時間が空いたので病院からそう遠くない去年の初詣でも参拝した大國魂神社へ向かった。

 今日はリハビリ終了後、管理栄養士の栄養指導となった。折角なので嫁に同席して貰う。終了後、ファミレスで昼食を取ったが保育園に預けていたちび共を迎えに行くには若干の時間がある。気温も久々に10度を越え、日差しも春めいていて気持ちがいい。お礼参りに寄っていくことにする。



 参道は暖かいせいか比較的多くの人が歩いていた。ぶらぶらしていると向かいから来る、ベビーカーを押した男性が口笛を高らかに吹いていた。そのメロディーを聴いて笑ってしまった。『ドラゴンクエスト』のテーマであった。最近、DS用の載せ替え版が発売されヒットしているらしい。それはそれでいいのだが、ただでさえ口笛という行為は目立つ上、その曲がゲームのテーマソングというギャップが何ともおかしかった...。

 気づけば嫁も鼻歌でこのドラクエのテーマを口ずさんでいたのであった...。

 ...春は近い。

定期券

2010-02-14 19:18:39 | Weblog
 明日から社会復帰、仕事である。ちょうど先月で定期が切れていたため散歩がてらちび共を従え買いに行く。とはいえ、私鉄路線なら当たり前のことらしいが、JRの様に沿線すべての駅で定期券を購入できるわけではない。各駅には当然駅員はいるものの定期の取り扱いはしていない場合が多い。定期は分岐となる駅や始発あるいはターミナル駅となる。

 駅の自動券売機で定期券購入駅までの切符を購入し電車に揺られる。この切符、あくまで定期券を購入のための乗車券であるが、西武線内ならどんな遠い場所の駅まで行っても定期購入窓口で提示すればお金が返って来るという便利な代物である。ちょっと用向きがあったため国分寺まで出向く。

 改札を抜けずに定期購入の窓口へ行くと返金してくれ、更に自宅最寄り駅までの帰りの切符をくれた。



 試しに駅員さんに訊いてみた。

「定期を購入するために例えば西武秩父とかまで行ったら往復無料で可能なんですか?」
駅員さんは困った様子で、
「理屈はそうですがどうなんでしょうね...。でもお客さんのようにクレジットカードでご購入されますと、例えば異動等で払い戻しが必要になった場合、面倒ですよ。払い戻しは購入された駅となりますのでわざわざ西武秩父まで行って貰うようになります。」

 定期購入の必要性がありなお、秩父へ遊びに行くという目的がある場合、この結果がどうなるか試してみるのも面白いかもしれないが、払い戻しを考えるとやはり面倒である。

 ともあれ、国分寺で買い物を済ませ、ついでにちび共にストロベリーパフェを奢らされるのであった...。

復活!

2010-01-31 21:59:35 | Weblog
 諸事情で病院生活を過ごしていました。治療を終え退院出来ました。春になったらフルマラソンしようが3,000m級の山を再開しようが全くかまわないとの医者の太鼓判も得ました。
 まあ、フルマラソンをやる気は全くありませんが...。



 早速、酒を飲んでいます(笑)

 まあ、詳細は気が向いたら...。

 ちょっとの間、自宅療養日数があるのでモーニングショー割引(平日朝1回目上映の全作品1,200円均一)で映画でも見て過ごします。

10 元日

2010-01-01 17:17:58 | Weblog
 2010年である。かのキューブリックが映画化した2001年宇宙の旅より当たり前の話だが9年後の世界である。この映画のように何か新しいことが起こりそうな気もするがこの数年、あまり世の中は大きく変わっていないような気もする。
 とはいえ、私生活は大きく変わった。10年前に結婚したが今では5人所帯と増えてしまった。しかし特にやることは変わらず初詣。しこたま昼飯を食い、酒を飲むという自堕落な正月を過ごしているのである。


【散歩にかこつけての初詣途中、多摩湖の堤防からのぞむ冬晴れの富士山】

【多摩湖取水塔】

【堤防からのぞむ新宿副都心の高層ビル街】

 あけましておめでとうございます!
 今年もよい年でありますように!

09 大晦日

2009-12-31 19:10:14 | Weblog
 風花舞う、寒い大晦日となりました。今年は年末を東京の自宅で過ごしています。

 振り返ればあっという間の1年でした。今年はブログの更新率がめっきり下がった年でした。書きたいネタは沢山あったのですが今年の1月15日付の異動のおかげで仕事がバタバタしっぱなしでなかなか更新がままならない状態です。

 それでも初めてのことでありまた全く持って予想外の展開でしたが、アクセス数はある一定を保ちながらも少しずつ増加し始め夏前かたときどき、なんとこのgooのランキング入りを果たすようになりました。...にもかかわらず更新率を上げずにいる現状が非常に申し訳ございませんが、また出来る範囲で更新していきますので暇に任せてお付き合い下さい!


【多摩湖から眺める夕刻の富士山(中央右)】

読んでくださった方々本当にありがとうございます。
良いお年をお迎え下さい!

イエーイ!

2009-12-19 23:37:52 | Weblog
 今年の仲間内の忘年会は何故か渋谷であった。たまに仕事で行くことはあっても滅多に行かない場所なので20年以上東京にいるにも関わらずいつもハチ公やモアイの位置があやふやで迷ってしまうのである。
 それでもハチ公口を出て道玄坂方面へ歩き出すと突然前を歩いていた禿オヤジに向かって若い女性が手を広げてきた。ハゲオも手を広げ、次の瞬間なぜか抱き合っている。
 
 ???
 
 シュチュエーションがまるで理解できない。見ているとハゲオと抱き合った女性はすぐに離れまた通りかかった男性に向かって、
「イエーイ!」
といって手を広げ抱き合っている。ハゲオ達男性二人はすぐにその場を離れていなくなった。
 あっけにとられていると今度は女性の隣にいた若い男性が私に向かって両手を広げ、
「イエーイ!」
といって向かってきた。酒も入らず見知らぬ男性と抱き合うほどアホではない。適当にかわすと相手はすぐに別な通行人に向かっていった。



 気付けば、『ハグしようぜ』と書かれた紙を手にしている人物が数人いた。まあ、サークルのノリといったところであろうか...。

十二の月の物語

2009-12-12 20:08:09 | Weblog
 去年のウシノクソ役から1年、今年の劇遊びは『十二の月の物語』とのこと。何のことかよく分からなかったが見にいく。おかしな事に会場は例年より父兄が少ない。...というかガラガラである。訊けば新型インフルエンザ、おたふくの流行のため保育園側が配慮し、対象となる父兄のみの参観となったらしい。

 さて、ストーリーはというと何のことはないロシア童話の『森は生きている』であった。役柄は長男は3月の神様。次男は2月の神様であった。ところが二人の衣装はマントを纏っているため、私には神様というよりも『仮面ライダー』に登場する『死神博士』にしか見えなかった。

 劇が終わると園庭に集合となった。来年卒園のため一人一人がその衣装でビデオカメラの前でインタビューがあるらしかった。


 
 インタビューの様子を見、次男を呼び寄せひそひそ話をする。しばらくして、にやけた顔でカメラの前に行った次男はお約束のように訊かれた。
 
「お名前は...?」
 
ヤツは言い放った。

「しにがみはかせです!」

周りの親共は笑っていた...。

その後、自分の名前を言い直したヤツに更に質問があった。ここからは全く入れ知恵はない。

「小学校に入ったら何がしたいですか...。」

「さんすうです!」

「大人になったら何になりたいですか?」

「...しにがみはかせ。」

ヤツは本気でショッカーの大幹部になるつもりなのであろうか...。

モヤシノヤマ

2009-12-10 22:20:03 | Weblog
 「野菜ましまし。油ニンニクまし。」
こんな意味不明な言葉が飛び交う『ラーメン次郎』というチェーン店がある。味は豚骨ベースなのであるが、盛りが勝負といったところである。しかし盛りとは言っても麺のことではなくトッピングである。野菜増しというとおおよそモヤシが一袋。油増しといえば背脂の固まりが乗り食っているうちに溶けてスープがギトギトになる。更にニンニク増し。辛さ増しというトッピングもあるがこれらはいくら注文しても無料である。先ほどの不思議な言葉はトッピング内容を訊かれたときに発せられたもので意味は野菜×2。背脂とニンニク×1という意味である。

 今日は久々にこの店で麺大盛り・チャーシューW・野菜マシマシ・脂マシマシで食ってみるかと意気込んで入店する。混み合ってはいたがそれほど待たずに座れ、しばらくすると麺がゆで上がりトッピングの注文を訊かれた。


【どんぶりの周りに盛られたチャーシュー・槍のようにそびえるモヤシの山・その上に盛られた背脂】

いよいよカウンターに出されたどんぶりを前に箸を割り、この巨大なモヤシの山を制覇し、その下に埋蔵された大盛り麺が伸びないうちに発掘するという、格闘に踏みだそうとしたときのこと、突然BGMに聞き覚えのあるもの悲しい曲が流れ始めた...。
 
♪教えて~...くぅださい(下さい)...。

絶妙のタイミングである。

この曲いったい何だっけ??
と頭をひねるも思い浮かばない。しかし、記憶が確かならめちゃめちゃ古い曲である。

モヤシの山を切り崩しながら思わず聴き入ってしまう。ようやく、さびの部分でこの謎も解け、途端に気が滅入ってしまった。

♪海は~、死にますか~ 山は~、死にますか~
 風は~、どうですか~ 空は~、どうですか~
 
この曲は私が小学校の頃『二百三高地』という映画のテーマソングで、当時のヒットチャートを席捲して一躍ブームとなった、さだまさしの曲『防人の詩』であった。

この曲、2~3分ならともかく7分と長い。楽しいはずの意気込んだ食の時間、ひたすらこの、

♪海は~、死にますか~ 山は~、死にますか~
♪春は~、死にますか~ 秋は~、死にますか~

と連続で問いかけられどうにも重苦しい。
このような山盛りを食っていてスミマセン的な気分に苛まれてしまうのである...。

それでもひたすらどんぶりとの格闘を続ける...。

しかし、ようやく迎えた曲のエンディング、大声での、

♪逝って~、しまいますかぁ~...。

の部分では私も滅入ってしまい、目の前のモヤシの山からどうにかほじくり出した麺を発見して、歓声どころか、
「こんなに食ってすみません...。」

と叫びたくなってしまったのであった。

この詩、万物に命があるのならば、それらは死にますかと問いかけて来るという曲である。このようないつ来るのかさえよく分からない地球滅亡を思わせる(そういう事ではなさそうだが)未来のことを考えるほどの余裕は私の日常にはない...。

それにしてもこの『もしも○○なら』という仮定の話に、疑問をひたすら投げかけるという決して明るいとはいえない詩に日本中が歓喜した時代があったのが不思議である...。

ともあれ、味はあまり記憶にないが普通に完食。しかしこの手の盛り勝負の食い物はしばらく遠慮したいと思うのであった...。

マルレモン

2009-11-27 21:15:33 | Weblog
 初旬にわが家を混乱に陥れたA型インフルエンザは一時期沈下の様相を呈したモノの昨夜再び双子の次男に襲いかかり、私が1日看病をすることとなった。
 
 夕刻、双子の兄貴が保育園から帰ると次男にこう言った。
「お土産持ってきたよ!今日は保育園にサッカー選手が来てこれくれたんだよ。」
見ればJリーグ東京ヴェルディのグッズが入ったモノであった。得意げに次男に話すには今日3人の選手が来て園児達にサッカーを教えてくれたらしい。サッカーにはリズム感が大切らしくボールを跳ね上げ3回拍手をしてキャッチしたり、地面に叩き付けてみたりととても楽しかったらしい。



 話している横から割って入って訊いてみた。
「何て言う名前のお兄さんが来ていたの?」
長男は首をかしげながらこう言った。
「えーっとねぇ。はぎコーチ。たかコーチ。あとねぇ...マルレモ...。」

聞こえたコーチと付く方々は日本人っぽい。
「マルレモさんって外国の人?言葉がや肌の色が違ったり髪の毛の色が違った人だった??」

長男は強い口調でこう言った。
「違うよ!マ・ル・レ・モ・ン!同じ色で日本語話す人だったよ...。」

不思議な名前であるが長男には非常に楽しかった時間らしくサッカーに興味を持ち始めたようだ...。

それにしても気になるこの名前。ネットで検索してみるとはぎコーチはおそらく普及コーチの萩村滋則さんのようだ。しかし、たかコーチは同じような人が見つからない。全く分からないのはマルレモンさん。コーチという名称が付いていないところで察すると選手なのだろう...。しかし日本人なのだろうか...。

全く持って謎だらけなのである。或いはその辺のサッカー好きのオヤジがボランティアで選手と称してサポートで保育園に現れたのだろうか...。

謎は深まるばかりである。

携帯電話

2009-11-26 21:09:18 | Weblog
 野暮用で2泊3日軟禁の上、飲み食いまで制限された。解放され、帰宅途中、国分寺で生ビールを飲みたくなり駅前の回転寿司屋へ入店。
 夕方にはまだ間があったためか店内の客は私を除いて2名しかいなかった。何故かBGMは90年代のJ-POPが流れていた。
 
 早速出された生ビールで喉を鳴らす。思わず、
「プハー!!うめぇ!!」
と軽く声を出してしまった。決して大きな声ではなかったはずだが、2名の客は怪訝そうな顔で私を見た。その内の学生風の若い一人は昼から飲んでいるのが悪いとでも言いたいのか私を睨んだ。

ふと、いたずらしてやろうと思い、携帯で嫁にメールを打つ。
『気付いたら電話をくれ...。』
あと、10分程度で嫁は仕事を終える時間である。

あっという間にジョッキを飲みほしたが次は少しゆっくり飲もうと瓶ビールを頼む。

持ってきた店員の女の子にこう言った。
「なんか、(店内は)懐かしい曲ばかりかかっているけどなんで?」
BGMは相変わらず90年代で、かのピストン西澤がDJ ICHIROの名前で擦ったモーニング娘のラブマシーンが流れていた。
「別に理由はないんですが、有線のチャンネルがたまたま90年代で...。」
態度が何故かつっけんどんである...。



寿司をビールで流し込んでいると予想通り間もなく嫁からの携帯が鳴った。当然のことであるがガラガラの店内、携帯の会話は人の目を引く。またもや先ほどの男性に睨まれた。それを確認しながら電話に向かってこう言った。

「おお、久しぶり。...おかげさまでようやく仮出所。質素な生活は全くきつかったよ。久々に寿司でビールをやってる。これから国分寺線乗るけど迎え頼めるか!?」

そう言い終え、携帯を切った。

先ほど睨んできた男性の方に目をやると、予想通り慌てて私から目を背けた。会計の際レジでは先ほどの女性はやたら緊張した風でよそよそしかった。

私はおもむろに懐に手を入れ、財布ではなくわざと封筒から万券を出してこう言った。
「寿司の値段って殆ど変わってないんだね...。」

解説するが国分寺市の南部は府中市と隣接し、その辺りにはかの『府中刑務所』が存在する。

まあ、そういった方が携帯電話を持っているとは思えないが...。