縄文時代の人の顔はどんなだろう?

国立科学博物館展示
タケシさんではありません。実は、1989年に北海道礼文島の船泊遺跡から出土した約3800年前の40代と推定される女性の縄文人!今の人とあまり変わりないではないか。
ぐっと親近感がわいてくる。この人が化粧して街中を歩けば縄文人なんて誰も思わないかもしれない。
何故縄文人の顔を復元できるのか?→豆知識
それは、現代人の全ヒトゲノム解析が成功し、古代人についてもゲノム解析が成功したからです。当時の食べ物や暮らしなどいろんなことが分かってきています。これまでは遺跡の発掘で出土したものを調べて総合的に当時の暮らしを想像していたけど、ゲノム解析でこれまでの考え方が裏付けられたり、新しい情報がもたらされたり、縄文人の生活が遠い過去とは思えないほど近く感じられるようになった。
1 あなたは縄文人に近い?弥生人に近い?
顔の特徴は次のとおり。
髪の毛→細く縮れ
顔の形→四角・長方形 造作の線構成→直線 彫りの深さ→立体的
頬骨→小さい 目→大きく丸い 眉→太い・濃い・直線 髭→濃い・多い
瞼→二重 鼻骨→広い・高い 唇→厚い 耳たぶ→大きい
頬骨→小さい 目→大きく丸い 眉→太い・濃い・直線 髭→濃い・多い
瞼→二重 鼻骨→広い・高い 唇→厚い 耳たぶ→大きい
耳あか:ベトベト
参考に「弥生人」の特徴は?
顔の形→丸・楕円 造作の線構成→曲線 彫りの深さ→平坦
頬骨→大きい 目→細い、一重まぶた 鼻翼→小さい 唇→薄い
汗→あまりかかない ひげ→:薄い 体毛→薄い 指紋→渦状紋が多い
耳たぶ→小さい 耳あか→乾いている
頬骨→大きい 目→細い、一重まぶた 鼻翼→小さい 唇→薄い
汗→あまりかかない ひげ→:薄い 体毛→薄い 指紋→渦状紋が多い
耳たぶ→小さい 耳あか→乾いている
2 縄文時代っていつ頃のこと?
草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の6つの時期に分けられている。おおよそ16000年前から3000年前まで続いたと考えられています。
豆知識 ゲノム解析の経緯①
縄文人骨から抽出したDNA分析は1990年頃から始まる。2006年に次世代シークエンサー(NGS)が登場し古代人についても核ゲノム分析が可能になる。
船泊遺跡から出土した縄文人のミトコンドリアDNA分析を2009年に開始。保存状態が良好であることを確認。その後、国立科学博物館研究員を筆頭とする国内 7 研究機関 11 名からなる共同研究グループ が23号女性と5号男性の人骨の大臼歯からDNAの再抽出を行い、全ゲノム分析を試みた。結果、全ゲノムを高精度で決定することに成功。
そこで、解析を進め、2019年5月その研究成果を公表した。(女性の顔は昨年公表済)
日本人の全ヒトゲノムが解読=2003年 全ヒトゲノム解析=2010年
古代ゲノム解析も可能となる!2014年にはネアンデルタール人の全ゲノム解析も現代人と同じレベルで成功しています。私は簡単に言ってるけど、大変難しいことなんです。アジアでは今回の解析が最初だそうです。