山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

やっとこさ 夏山到来!! 北アルプス薬師岳編(後編)

2020年09月23日 06時55分22秒 | 北アルプス

 さて、翌朝です。

寝坊しないように、且つ 同室の他の方に迷惑をかけないように、

携帯アラームのバイブをオンにしていましたが、

早くに寝床についたおかげでちゃんと予定していた3時半過ぎに目が覚めました。

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ふふふ、

頂上アタックに備えた準備も、着替えてザックを背負うだけに寝る前に済ませていたので、

余    裕 … です … … … ふふ、… 完 璧     だ な  … … …  … … …  

って、危ないあぶない、二度寝するところでした!!

頬をつねって 体を起こします。

そーっとシェラフカバーから体を抜いて、

おサル隊員は?!  と気配をうかがうと、ウキキッ、起きてるじゃん

 

用意しておいた最小限の装備をつかみ、

山荘の階下へ下りていくと、既に何組かが、山頂アタックの準備をしています。

自分たちだけでなかったのに ちょっと安堵しつつ外へ出ますが、

8月末の日の出は5時過ぎ、まだ真っ暗です。

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少しガスも出ているし、

明日の朝はいい天気だよ、と請け合ってくれたイケメンお兄さんの言は 外れちゃったのかなぁ

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用意万端、これで出発OKなのですが、

単純な登りだろう ルートも、我隊にとっては初めて。

できれば慣れている先行者のライトの光が 歩く先に見えていれば、

離れていても安心なんだけどなぁ

気配を探ると 玄関先の 2、3グループ共、皆、想いは同じようです …   

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え~い、ままよ、時間も気になるし、行ってまえ~!!

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こういう時の おサル隊員は実に頼もしい。

真っ暗な、漆黒の闇の中へ、ヘッデンの灯りを向けながら、ずんずん進みます。

隊長も、ヘッデンに加え、ミニマグライトを手に 足元を照らしながら、負けじと進みます。

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闇に浮かぶハイマツの中のトレイルと

時折岩にマーキングされた やらをたどり、

徐々に高度を上げていきます。

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暗いと自分達の進み具合や、進む先の地形が把握できないので、

ピークについたのか、まだ先があるのかが 初めての場所だけにわからない

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幾つ目かの大き目のピークに着いた時、うっすらと祠みたいなシルエットが浮かんできました。

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着いた!?  着いたね!?   ウキキッ

おサル隊員と ぬか喜びしていると、

我隊の後を50メートルほど遅れて歩いてきた中年ご夫婦がやって来て、

「あれ?  山頂にしては ずいぶん早く着き過ぎだねぇ」、と … 

へっ?!

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え?! 違うの?!

すぐ後から ソロの男の人がやって来て、当たり前のように

更に左奥にある フラットなトレイルに向かって進んでいきます。

あらま!?   どうやら、まだピークは先のようです。

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目を凝らすと、やっと うっすらと 足元が浮かび上がってきました。

左奥に 高さはそれ程変わらないまでも 別のピークが見えます。  

あっちだ!!

 

ここからは、歩を進めるごとに 暗さが薄れ、だんだんとまわりの山のシルエットが見えだしてきます。

いつの間にかガスもとれ、こりゃあ 素晴らしいご来光が見えそうです。

薬師岳、登頂っす!!

何気に また百名山一つ、ゲットだぜっ!!

おっと、お薬師様に 肝心のお願いをしないとね!!

素晴らしい朝焼けです。感動っす!! 

いつまでも 眺めを楽しんでいたいけど、時間が読めるようになるまでは、早目早目に行動しとこう

残念だけど バスに乗り遅れるわけにはいきません。

山荘へ向け、GO!!

槍さまに、穂高オールスターズさま

今朝は一段と男前です!!

下りはもう、明るいので もう  全然No problem!!

スイスイ

結局、一時間半で山頂を往復できると言っていたイケメンお兄さん、大正解でした。

貸し切り状態の食堂で ちゃんと朝食をとる事も出来て、

6時過ぎには山荘を後にすることが出来ました。

大部屋も、これこの通り、感染対策用の仕切り板が…

 

さぁ、行くぜっ!!

山荘越しに、手前側の偽ピークと 左奥の 本物ピークが クリアに見えています。

 

やっばりここは富山県なんだねぇ、日本海の水平線が、地平線みたいに見えます

 

 

チングルマが 朝露に濡れ、良い感じ

 

 

コル部分にある「薬師峠キャンプ場」 。ここから登り返しを経て太郎平小屋へ

 

薬師岳山荘のシルエットが、この位置からはちょうどマウンドの陰に入り見えません。

しかし、良く登って下りて来たねぇ、我ながら感心感心…

登り返しを登りきったところで振り返ってみます。

太郎平まで  順調に戻っていければ、その先の時間は 大体読めるだろうし、

なんだか急に 全然余裕のヨっちゃんっす

 

あれが 黒板   黒部五郎岳方面?! は?!

 

太郎平 到着です。

隊長の腰かけた隣のベンチのおじさん2人連れは、

折立から朝登ってきて、ここから黒部五郎岳を踏んで 雲ノ平をまわって来るのだとか…

そうか、改めて見渡せば、太郎平からは、憧れの雲ノ平も よーく見えるんだね

いつかは、このおじさんたちのように、雲ノ平をめぐる周回や、

新穂高まで雲ノ平を通って抜ける縦走にチャレンジしたいなぁ

何日必要だろう?  3日?  脚はもつかなぁ

 

 

 

 

 

折立への長いルートを下りながら、ずーっと右手に望める薬師岳山塊の、なんて雄大な事だろう !!

夏山は、もう今年は終わりだろうけれど、

この山塊、春や秋も それはそれはいいんだろうなぁ

望遠で覗けば ほら、お世話になった薬師岳山荘が見えるよ

 

昨日は雲が掛かって見えなかった、王者 剱さまも 見えています!!

 

 

いよいよ、薬師岳山塊とも、ここでお別れっす。

 

剱岳とも、お別れっす!!

 

あとちょっと   頑張りやっしゃ

 

無事、50分近く余裕を残しての下山完了っす!!

おサル隊員、頑張りましたっ!!

 

ミッション、コンプリートっす!! 

 これから イヒヒ、富山に戻って、イヒヒ

ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒーーーーーー

 

壊れてます

 

 


やっとこさ 夏山到来!! 北アルプス薬師岳編(前編)

2020年09月21日 12時53分25秒 | 北アルプス

 夏も終わろうという今頃になって やっとの更新です…

新型コロナ禍の影響で、この夏はどこの山域でも例年とは全く異なる夏を迎えました。

当初は 山に行くことさえ憚られ、

山に入ろうとする人間を一括りにし、常識のない、身勝手な輩と断じる風潮さえあって

ぎすぎすした空気が、

本来そんなものとは無縁の山の世界にも押し寄せもしました。

おっと、あまりその事に触れすぎても、

つまらない炎上騒ぎに巻き込まれたくないので これくらいにしとこっと

 

さて、夏山です。

やっぱり、夏山って言えば、アルプスじゃない?!

おサル隊員とせめて この夏、一度くらい行っておきたいなぁ…

で、三密を極力避けて、お盆休み過ぎたあたりなら、

なんとか行けない?!  行けちゃわない?!

天気予報をにらんで…

8月も来週には終わろうという夜、我隊はバスタ新宿に立っていました。

三列シートの夜行バス、しかも登山バスじゃないから 程々に空いてるし、うん、正解!!

 

 

富山駅到着です。

山小屋一泊分の荷物だけザックに詰め、残りはコインロッカーへ

先ずは富山地方電鉄で、有峰口へ向かいます。

有峰口からは、バスを乗り継ぎ、登山口の折立

例年なら富山から直接 折立行きのバスがあるらしいんだけど、今年はしょうがないね。

目指すお山は『薬師岳』

とりあえず山頂手前の薬師岳山荘へ向かい、

時間と天候次第で登頂を考えようという計画。

薬師岳を選んだのは ?

お薬師如来様にコロナ禍の早期平癒をお祈りするのにぴったりだと思ったから

マジか一!? (笑)

ここ折立では、1週間ほど前から、人様を恐れないが出没しているらしく

ザックや車が荒らされているのだとか

バスの運転手さんも、バスを降りたら ぐずぐずせずに、すぐ出発しなさいと… マジか~

 

折立から歩き出すのは初めて。けっこうな急登からスタート

 

三角点のあるここまで、一気に登ると稜線が見えてきました

 

 

トーテムポールみたいな棒、あれは何 ?!

 

稜線が幾重にも重なる、あの一番高いところが薬師岳だったと知ったのは 帰路でした。

もし知ってたら 気持ちが折れかねない、そんなずっと ずっと 遥か先です。

 

森林限界を超えたのか、陽を遮るものが何もなくて、暑い!!

 

ん?!  有峰湖が 遥か下に望めるじゃん

 

暑い!

 

この辺りから 先行する おサル隊員が 目に見えてペースダウン。

前を替わって歩きます。

 

登山道の補修中。働いているガテン系お兄さんや ベテランおじさん、毎日ここ登ってくるのかな?

それって マジ大変。自分なら死んでしまうね~

( 帰路、思い切っておサル隊員が尋ねたら、太郎平小屋に泊まり込んで通ってることが判明。だよねー )

 

 

やっと 道の勾配が楽になったぁ~

 

ん?!  ちょっとガスが湧いてきたなぁ~

これ、「五光岩」っていうらしい

展望スポットになっているのでちょっと休憩。

 

と、再び歩き出した途端、ポツリポツリ、お、雨?!  と思ううちに暗くなり…

本降り、のち、土砂降りに…

 

太郎平小屋が すぐ目の前の所まで来ていたので、あわてて軒下に逃げ込みます

それにしても 急変しすぎだろ、登りだしはあんなに晴れてたのに…

 

 

雨具は着たものの停滞を余儀なくさせられ、軒下で立ったまま おにぎりを食べていると

30分ほどで 何となく明るく、霧も取れだして…

 

よし、再出発じゃ!!

ここで (憧れの)雲ノ平方面と、薬師岳方面と、道を分けます

 

 

なんて でっかい山容なんだろう

この時点で、もしかして あの先の山が薬師岳?!  と うすうす気づきます。

おサル隊員には まだ教えないほうがいいでしょう

なんて、隊長が気を配っている間に

おにぎり食べたら、元気回復したみたいで、

とっとと先に歩いています ( ちっ、おサルめ )

 

一回、深い谷へ大下りしなくてはいけないみたいです…

 

今から下りきったところが 薬師峠

熊どんのせいで、太郎平テン場は閉じられているようなので、

テン泊する人はこっちを使わざるを得ないようです。

でも 水場もあって、なかなか快適そうでした。

 

ここからの登り返しが、けっこうハードで、

あれっ?  写真撮ってないじゃん

 

やっとこさ、眺望のある所まで登り返します。

もしかしたら 薬師岳山荘が 見えるんじゃないかなぁ~ と期待していたんだけど

全然、気配さえ まだありません

 

 

でも この広大な「カール地形」は、薬師岳に繋がる地形なのは間違いなさそう

どこかの陰に 山荘はあるはず

頑張れ自分、ついでにおサル隊員

 

 

 

喘ぎあえぎ、一つピークを越え、次のピークへと進みます

 

もう、見えているピークは 頂上方面にしかないのに、絶対おかしい、そんなはずない

と 左に回り込んだ時、ハイマツの陰から赤い屋根が目に飛び込んできました!!

 

 

 

やったー! 山荘 到着っす!! 

 

 

ほっとしたのも束の間、重大な決断をしないといけません。

地図のコースタイムによると、明日 折立のバスに乗るには、朝  頂上を踏んで下りたのでは

時間的に けっこう厳しそうなのです。

なので、荷物をデポして、今から頂上を踏んできてしまえば

明日の行程が楽になるのは明らか

しかし、その脚力が、今の我隊に残っているかというと 微妙

しかも 天候は 雨こそ上がったものの 眺望が望めるほどではないし…

やはり 行程は厳しくなっても 明日にしよう、朝食をお弁当に代えてもらって

少しでも時間を稼げば何とかなるんじゃね!?

などと 相談しつつ宿泊手続きをしていると

感じの良い山荘のイケメンお兄さんが、

大丈夫ですよ、朝4時に出て

頂上を踏んで、それからここに戻って朝食を取っても

コースタイム5時間ですから、11時40分のバスなら楽勝で間に合いますよと

請け負ってくれました。

そうと決まれば、イヒヒ、ビール、ビール!!

宴会開始です!!

 

 

気づけば、陽が暮れていきます。

槍さま穂高オールスターズのシルエットも 暮れなずんでいきます

 

 

 

この後、再びガスが出てしまい、夕焼けは残念、見えず

 

明日 天気になるといいなぁ