山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

奥多摩雪見散歩!? 御岳ロックガーデン編

2013年02月16日 14時02分35秒 | 奥多摩
成人の日の大雪は、いわゆる関東に雪をもたらす典型的な天候・気圧配置によるものでした。
日本列島の東海上を、発達した低気圧が南から北へ駆け抜ける時、北からの寒気団と ぶつかり
となるっていう、あれです。

そんな降雪直後を狙えば、比較的標高の低い奥多摩や丹沢でも
「雪山」を楽しめるってわけです。

成人の日の‘大雪’に痛い目にあった都心では、その後何度か、似た状況を迎え
気象庁をはじめマスコミ全部で大警戒を呼びかけますが、大はずれが続いています。

それでも、東京の山沿いは、都心は雨でも 多少は降雪に恵まれているんじゃないかと
先日の休暇前に『御岳ビジターセンター』のホームページを覗いてみました。

野鳥や木の芽の画像がほとんどで、ちっとも積雪風景らしきものが写っていない。
しかし、よーく見ると、「最新登山道情報」のコーナーに
御岳の集落地帯で、前日まで15cmの積雪
との記述がありました、へへっ。
しめしめ、睨んだ通り、やっぱり狙いどころが我ながら違うねぇと、自画自賛。
そんな訳で warazaemon 一行は、土曜の朝、『ホリデー快速 奥多摩号』の車中の人となったのでした…

まぁ、アイゼンは6本爪の軽アイゼンがあればいいだろうし、
もし予想外に深い雪だったら、ワカン があれば尚オッケー、だろうと
前夜ザックにしっかりと、ワカンをくくりつけてきた隊長でした。

御岳駅 到着。この時期にしては けっこう人が降ります。30人以上は、いたかな…
ん? 皆さん、案外軽装だなぁ… 
山をなめてもらっちゃ困るんだけどなぁ…
だいたい、おサル隊員にしても、隊長の指令を無視して、ワカン 持って来てないし…
ぶつぶつ、まったく、隊長のアドバイスを何だと思ってるんだ、ぶつぶつ…

ケーブル下到着。ん? 雪、無いなぁ…
まぁ、このところ少し暖かかったから、下ではもう融けちゃったんだな、うん。

ケーブル発進!! きっと途中から、どんどん雪が深くなるぞぉ


あった、雪!!  
ケーブル山頂駅を降りると、展望広場に 何と!!
50センチ以上にも小高く「 山 」となっています。
ええ、そこだけ…

春を思わせる、暖かな日差しの中で、除雪でかき集められた雪が、そこ( だけ )にありました、ええ。



気を取り直し、行きます。そう、御岳神社の集落を越してからが、大変なんです!! ( きっと )

もちろん、今日は、軽く、雪見散歩。あまり ガツガツ とは行きません、えぇ、ゆったりと…、そう
ロックガーデンをまわって、山ご飯食べて、また 戻って来ましょう、えぇ





御岳神社の入り口では、今日が「初午」ということで、宮司さんと住民とで神事を行なっていました。


寒いのは、寒いんです!!    手水舎の水が凍るくらいなんすから…



ん? その先のベンチで、山ガール二人が、アイゼンを付けています。
その すぐ先、大岳山、長尾平方面へ、参道から脇へ回り込んでいく道へ目を見遣ると、
真っ白な積雪の道が!!
キャーッ、 キターーーーッ!!、
ジャン!

ジャジャン!!!


はやる気持ちを抑え、ワクワクしながら、軽アイゼンを装着します、へへっ。

準備万全、場合によっちゃ、ワカンだってありまっせ、へへっ

「ザクッ、ザクッ、」アイゼンの爪が、凍結した雪を咬む音が心地良く響きます。
ここから愈々、雪道散歩のスタートです。 大きく日陰側からカーブを回りこみ、神社下の道へ…

はれっ!?
目の前は、雪のほとんど消えかかった、冬ざれた道…


( こりゃ、アイゼン、いらんとちゃうか? ましてや、ワカン!?  絶対いらんやろ… )
そんな 隊長の心の中の自問自答に、無理やり蓋をして、一行は進みます

しかし、おサル隊員は、そんな隊長の背中のザックにしっかりとくくられた
「 ワカン 」に鋭い視線を投げかけていたのでした…



気を取り直し( 何度目だいっ!? )、長尾平の入口から ロックガーデン( 岩石園 )へのルートを下ります。
ますます雪は消え、途中、ついに消えちまいました… ハァ…
くやしいので写真なんて、撮りません。軽アイゼンだって、はずすもんか… ( ろくでもない頑固者です!! )

一番 下りきった場所にある『 七代の滝 』。もちろん氷爆になんて、なってません。



「 隊長~っ!! 冷たいッスヨ~、」
ハハッ、そりゃそうでしょうとも…
ここから、鉄製ハシゴ を、連続して 300メートルほど、直登します。
少しだけ、融け残った雪が、ハシゴの段で凍り付いていました。

ハシゴを登り詰めたところから、水流に沿って、緩やかに登り直して行きます。
このあたりから、頭上に広がっていた木の梢も枝もなくなったからでしょうか、残雪が復活。

陽射しが降り注ぐ中、気持ちよく歩きます。

歩きながら、川の中をのぞくと、ときどき 凍りついた川の水が、面白い造形となっていました




ロックガーデンのクライマックス、『 綾広の滝 』です。




御岳から大岳山へ、真っ直ぐと急ぐ時にはショートカットしてしまう このルートですが、
新緑の季節や 夏場の暑い盛り、紅葉の時期や 降雪直後の晴れた日に、
のんびりと楽しむにはおすすめのルートです。

さてさて、お楽しみの山ご飯。今日は『 鍋焼きうどん 』!!
プレーンな きつねタイプと、カレー味の2タイプを、おサル隊員が用意してくれました。
トッピングも用意してくれていて、女子力ちょっとUPです。




『 天狗の腰掛け杉 』を経由して、御岳へ戻ります。


長尾平まで戻り、広々とした場所に融け残った残雪を踏み荒らし、ちょっと欲求不満を解消!!


残雪の下の土が、霜柱で盛り上がっているので、柔らかなウェハースを踏み歩いているようで
見た目以上に満喫できました、へへっ。


最後に、せっかくここまで来たのだから、御岳神社に御参りして帰りましょ♪

立派な狛犬、よく見たら それもそのはず。北村西望 作でした!!

青梅線を、河辺駅まで戻り、駅前温泉で温まって帰りましたとさ…

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北八つ ラッセル苦闘編(後編)

2013年02月10日 17時29分59秒 | 八ヶ岳
そんなこんなで、白駒池まで下ってきましたが、
池周辺は吹き溜りに囲まれて、すごい雪の量です。
ちょっとトレースを外れると、たちまち簡単に膝下まで埋もれてしまいかねません。

そう言えば、昨日のテン泊仕様の若者は、どうしてるかな?
“テン泊”指定地は、この白駒池の畔のはず…
他人事とはいえ、少し気になります。テントを張るのにも、トイレまで行くのにも
これだけの雪の中、一人では大変だったろうなぁ、と

ちょっといやな想像をしてしまいかねないので、無理やり頭からその想像を追い出します…

しかし、山小屋のお兄さんのアドバイスで、ルートを見直して、こりゃ正解だったなぁ…
おサル隊員の足に、しっかりワカンを装着、さぁ、麦草峠へ

樹林帯の中のルートは、木漏れ日に、時折舞う雪煙がきらきらと美しく
冬の『北八つ』の魅力に満ちています。




夏場は、白駒池のそばまで国道が通っているので、そこの駐車場から この樹林帯の道を
気持ちよく歩いてこれる、一般の観光客にも比較的来やすい場所だけれど、
雪で国道が通行止めになる冬場は、こうして歩いてしか来れない場所になる。

麦草峠から、次の目的地『麦草ヒュッテ』まで、国道を平行していく樹林の中の道を行くか、
今は雪に閉ざされた国道 そのものを行くか、一瞬迷ったけど、先が読めない今日は
国道をとることにする、が…




いくら積雪の下が舗装路とはいえ、やはり積もっているものはそれなりにあるわけで…
ラッセル、ラッセル、
ただひたすら ラッセル、ラッセル

始めは面白がって、写真を撮る余裕もあったんだけど、
次第にそれも減っていきます…
あぁ、ワカンを装着していたことだけが、唯一の救いでした、はぃ…




この後、『北八つが岳ロープウェイ』山頂駅にたどり着くまで、実は一切 写真がありません。
時間にして、3時間以上?  高見石小屋を出てからは、実に6時間以上、
表題の“ラッセル苦闘編” ( ほんとは地獄編
としようかとも思ったくらいだったんだけど…)
の一日となったわけです。
一応、記録なんで、言葉だけですが、報告しておきます。

麦草ヒュッテが見えたところから、国道を離れ、再び樹林帯の道へ 入っていきます。
ここで今回最大のピンチ!!
薄く、トレースと見えた入り口のところが、完全な吹き溜りでした。
先に付いたストックが、何の抵抗もなくスーッと雪に吸い込まれていき、
そこに体重をかけていた隊長は、笑いながら
なす術なく 次の瞬間には首のところまで雪に埋もれてしまいました…
苦笑しながら そこから出ようとした途端、事態の深刻さを思い知ります。
脱出しようと もがく足が、動かない!!
吹き溜りの雪なので硬くなく、抵抗もない代わりに、取っ掛かりがない。
しかも、「ワカン」を履いていた為に それが抵抗となり、足が引き上げられない!!
腕力で、体を引き上げようとするも、地面にはまだまだ届いてないらしく、
ストックは抵抗なく下までもぐりこむばかり…

軽いパニックになりました。
一瞬、脳裏を「死」という言葉が横切ります…
おサル隊員に励まされ、我に返ります。
ゆっくりと、まわりの雪を掻き分けて、まず足を掘り出し、
次には とにかく足掛かりとなる“固さ”を探します。
いけるかなぁ、と体重をかけると またずぶずぶっと…
そんな悪戦苦闘を、時間にして10分以上はしていたでしょうか、
おサル隊員まで吹き溜りに引き込んでしまったら「万事休す」です、
とは言え、首までの深さの吹き溜り、とても一人では這い上がれません
なんとか半分くらい這い上がってきたところを、横に引っ張ってもらい体勢を変え
“生還”することができました。
助かったぁ~ と実感!!
今考えると、山小屋が見えているところだったから、最悪 助けを呼びに行ってもらえば
何とかなったはず。
それでも「死」と直面しかかった、貴重な体験でした。

その後、大石峠⇒オトギリ平⇒出会いの辻⇒五辻⇒北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅 と
進むのですが、「オトギリ平」で再び苦戦。
トレースが無いのは相変わらずなんだけど、その代わりに道迷いしないように赤旗ポールを
近くの山小屋の人が立ててくれているらしい…
裏を返せば、それくらい迷いやすいところのようです。
で、我が隊は 赤旗頼りに進むんだけど、ときどきわずかにトレースらしきところを外れると
途端に腿辺りまで ずぼっ!!
つい先程の苦い経験があるだけに、ついついそんなところでは歩調も遅くなるし、
おっかなびっくりの足捌きになってしまいます。
冬山の怖さは、天候だけでなくて、天気のいい日でも、トレースの有る無しで
ことほど左様に状況が変わってしまうことなんだね!!

やっと五辻あたりで、ピラタス(ロープウェイ)側からやってくる人と出逢うようになり
以後 トレースに困ることはほぼなくなったものの、
最後まで気の抜けない、山行となりました。

最後に、帰りに寄った『小斉の湯』

体の芯まで あたたまって帰路につきました。やれやれ…



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北八つ ラッセル苦闘編 ( 中編 )

2013年02月02日 15時06分04秒 | 八ヶ岳
思わぬ“苦闘”の末、『スーパーおじさんマン』の出現に救われた我が隊でしたが
「賽の河原」は やはり鬼門みたいです

思い起こせば昨年、同じコースを訪れた際も、行きはササッと事も無く通過したものの
帰りには吹雪かれた挙句、隊長だけ何度か、
やはり吹き溜まりに撃沈!!
おサル隊員と同じように、ストックのバスケット紛失という、憂き目に会った場所…

やはり面倒でも、しっかり登り始めから「ワカン」を装着してくれば良かった、
今更ながら反省しきりです。

「スーパーおじさんマン」の「わかん」での先導なくして、
「賽の河原」無事通過は無かったやもしれず、つくづく感謝です

その後、樹林帯のルートに逃げ込むや、、「わかん」が脱げた「スーパーおじさんマン」
に再度 先頭を譲られ、小一時間ほどの小ラッセルの後、
今日の宿 高見石小屋に無事到着!! ( というか、転がり込んだ、みたいだね… テヘヘ)

ところで、件の“若者”は、小屋が間近になった頃合で、我が隊を追い抜いていきました、ええ。
その時、改めて後ろから“若者”を観察しましたが、何と、テント装備です。

冬山をテント泊しようとするガッツを持つ割に、先ほどからの一連のアクションとの
アンバランスが、何だか隊長には解せないのでした…
案外、経験はそれほど多くない、初心者だったのかもしれないなぁ…
だとしたら、そのアンバランスさに、危険な兆候を感じてしまう…
山では、自分の力量と自然に対して謙虚でいないと、いつか痛い目に遭うから…
( おいおい、おまえがそれ言うか!? )

小屋到着後、だいぶ経った頃、おじさんも到着。
改めて御礼をいうと、「いやぁ、4人いれば ( 助け合って )どうにかなるだろうと思ったし…」と
謙虚な方です、脱帽!! ベテラン山や、ここにあり、ですね

高見石小屋は、“星空とランプの山小屋”として有名です。
が、隊長の昨年来た時の印象は、“部屋にいても とても寒い小屋”でした…
あの時は体調が悪かったからなぁ… と、で、今年は…?
やっぱり、「部屋にいても とても寒い山小屋」です(笑)

着ていたアウターを干すと、ひたすらコタツに足を突っ込んで暖をとることに専念。
やはり今年も、小屋のすぐ裏の高見石からの夕映え鑑賞は断念(笑)。

山泊まりでの楽しみの一つは、夕食です。

写真のお鍋の中身は湯豆腐でした。もちろん、すべて完食。
今日もおサル隊員がポーチから繰り出す「ごま塩」のお世話になりました、ゲプッ





で、10時間 爆睡

朝食は6時。高見石からのご来光を見ようと、皆さん、ちゃっちゃと朝食を平らげ、準備しています、
が、我が隊は、あまりにも寒いので、トイレのとこの窓越しで、済ませましょ♪、ね

ちなみに、この朝の気温、おそらく -17~18度!!

ところで高見石小屋の朝食は、山小屋では珍しいパンです。

隊長の推察に間違いなければ、ここのオーナーは、
“名古屋地区 喫茶店モーニング文化圏”内で暮らした経験のある方です、はい。

食後のコーヒーを何杯もお替りした甲斐あって、今朝もすっきりと“貫通”。
さぁ、そろそろ出掛けましょうか

先ずは 裏の高見石へ。ピーカンに絶景が広がっています。

白く見えるのは、白駒池。

遠く浅間山も見えます。

今日 進む方向の、茶臼山、縞枯山、北横岳、そして少しだけ顔をのぞかせる蓼科山。

登ってきた茅野方面。

東方面。

風が強いので、展望を楽しむにも5分で精一杯。退散します。


これが 今年の高見石小屋。昨年来た時 と比べて、やはり雪が多いのがわかります。


ところで、今日のコース。
当初は、高見石小屋→丸山→麦草峠→茶臼山→縞枯山→北八ヶ岳ロープウェイ駅 
という、展望ルートを考えていたんだけど、小屋のお兄さんのアドバイスを受け入れ、
高見石小屋→白駒池→麦草峠→五辻→北八ヶ岳ロープウェイ駅 という裾野迂回ルートに変更です。

お兄さんによると、今週降った新雪で、ほとんどトレース( 踏み跡 )がついていない可能性が高く
当初のルートでは かなりきついのでは、と…
はい、あっさりと変更です、ええ、無理はしません、ええ、もちろん。
命あっての物種ですから、はい
( さては、昨日の ラッセルの苦労が、だいぶ こたえているようです )

そんな訳で、今朝はしっかりと、「ワカン」を装着します。
最初は嫌がったおサル隊員も、白駒池まで降りた頃には、やはりしといたほうが良さそうだな、ウッキッキー、
と、今度は素直に「ワカン」を付けてくれました。

で、ここが先程 高見石から見下ろした「白駒池」。

不思議な静寂に包まれています。
全面結氷しているのはわかっていますが、やはり 何となく足を踏み入れるのには、抵抗があります。
もし割れてしまったら…  なんて、つい考えてしまいます。



池の畔の山小屋も、この時期、人の気配は感じられません。それだけに吹き溜まりは
すごい量の雪に埋もれています


さあ、ここから麦草峠に向かいます。

( 後編に続く )


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北八つ ラッセル苦闘編 (前編 )

2013年02月02日 03時00分52秒 | 八ヶ岳
おまっとさんです、行って来ました、新年 最初の山行に!! 
( と言っても もう先月の18日19日の事… )
すいません、忙しくてサボってました、てへへ

年明け後の本格的な寒波襲来で、東京でも思わぬ大雪となった直後の事ゆえ、
あまり標高の高い、険しい雪山は避けて
今シーズン初の雪山を のんびりと楽しもう、との魂胆でしたが…
自然はそんなに甘くありませんでした、はい…


明日 私は 旅に出ま~す あなたの知らない人と二人で
いつか あなたと行くはずだった 春まだ浅い 信濃路へ~

いつもの新宿発『あずさ』。  
今日は乗り継ぎのバスの便に合わせた 1時間遅いスタート。
残念ながら「8時ちょうど」は『あずさ2号』ではありません


成人の日の“大雪”で、車窓の外は 高尾あたりから既に真っ白。
甲府を過ぎたあたりから、魔利支天を随えた『甲斐駒ケ岳』が顔をのぞかせ、心わくわく
いつ見ても、男性的なその山容に しびれます。
車窓の左に『南アルプス』、右に『茅ヶ岳』『八ヶ岳』、
きょろきょろと、山ミーハー的に、落ち着き無く視線を配るうちに 茅野駅に到着。

ホームに降り立った瞬間から、きりっと冷えた空気に身が引き締まります。





慣れ親しんだ『渋の湯』到着。やはり例年以上の多い雪
バスでは5人ほどの同行者。車内で それとなく観察させていただくと、皆さんベテランの風。
バスを降りると、手慣れた様子で装備を済ませ、ちゃっちゃと行ってしまいました。

我が隊は、といえば、久しぶりのアイゼンに手間取り、新調してきた「ワカン」装着に もたもた…
手袋をはずした手もだんだん冷たくなってくるし、え~い、面倒だ、アイゼンだけで行ってまえ~
( 事前の装着練習、怠った罰!!  あとで 痛い目に… トホホ )


ともかく、も 出発です。見上げる頂きも、真っ白!!


登山道に入ってすぐ、黒百合との道を分け、高見石へ向かいます。
先行したベテラン勢の何人かは、こちらにも進んだみたいです。
もしかしたら 皆 黒百合方面かと思っていたので、ちょっと安心


それにしても雪が多い。 しかも降って間もない感じで、雪も まだ落ち着いてない感じ…

時折 木の枝に積もった雪が、自らの重みに耐えかね、どさっ と落ちてきます。
雪を撒き散らかすと同時に、水分の少ないパウダースノーが 雪煙とともに空気中に舞い上がり、
真っ青な空をバックに、陽射しの中で キラキラと、ダイヤモンドダストのように輝きます…
はぁ…キレイです…
こんな風景に出会ってしまうから、 ますます雪山は止められません…





このモコモコ、木橋です。踏み外さないように、慎重に真ん中を歩きます



時折、雪を巻き上げながら 風が吹きぬける以外は、穏やかな登山日和です。
新雪を踏みしめる、自分の足音しか聞こえません…



おサル隊員もついて来ています。
雪が深いと、樹林帯を歩いていても、石や木の根を覆い尽してくれるので
足元にそれほど気を遣わずに済み、かえって歩き易かったりもします。
ただし、吹き溜まりや 踏み抜きには くれぐれも注意しないといけないから、プラスマイナス0って感じ?





よく見ないと、どこが道だかわからないでしょ?
だいぶ標高をあげてきました。







そろそろ、このルート唯一の難所、『賽の河原』です
樹林帯を抜け、天狗、黒百合からの稜線と、高見石からの稜線の交差する場所で、
西から吹き上がってきた風が 東へと吹きぬける場所のため、たいがい いつも強い風が吹いています。

ここの手前で、やっと先行していたベテラン風のおじさんに追いつきました。
休憩しているおじさんの横を挨拶しながら通り過ぎると、更に50mほど先に、
こちらに向かって歩いてくる 若い人がいます。
下ってきた人かな、と思っていると、近づきつつ「 もうここまでで 引き返します」と…
え!? 先行している人だったんだ…
しかも、引き返す!? あ、そういえばそのザック、バスの中で見覚えがある…
何で引き返すの?  「 ラッセルで疲れてしまって… 」
え!? 今までの道のりで、まだラッセルしなくちゃいけないような所、なかったでしょ!?
不審に思いつつも、すれ違い、進みます。
いきなり、風が後ろから、ビュービューと、吹きつけてきます。
いよいよ『賽の河原』突入です。

確かに、それまで明瞭だったトレース( 踏み跡 )が、ところどころ強い風で吹き飛ばされています。
でも、吹雪いた時のために、ここだけ赤旗が、ところどころにマーキングされていて
その延長線上に目を凝らせば、トレース跡らしきものも、なんとなく見えなくもないし、
何しろ 風こそ強いものの、こんな天気の良い日に撤退はないでしょ、若者よ!!

隊長、俄然 男気をだして、先頭を進みます。
強い風が雪を吹き飛ばしているものの、優に膝辺りまでの積雪の中を、ラッセルします。
確かに体力を使います、一歩進むごとに息が切れるし…
100mほど進んだ標識のところで、雪に埋もれかけたお地蔵様発見。
ここまで埋もれる程、雪 多いんだね。
確か、記憶では、あと100mほどで、左に、再び樹林帯に向け抜けていくはず…
件の若者は、すれ違った後、登り直したり戻りかけたりの逡巡の後、我が隊の後ろについて来ている様子。
何しろ後ろから吹き付ける冷たい烈風に、後ろを振り返るのも躊躇する状況。
おサル隊員の姿だけは、視線の端で捉えつつ、さぁ、尚も前進です。

ところが ここからトレースを外れているのか、踏み抜くこと踏み抜くこと…
おへその辺りまで雪に埋もれては、もがきつつ脱出し、進む方向を修正し、と…
見かねたおサル隊員が、先頭に立つも、2~30mほど行くと同じく撃沈。
しかも その脱出の さ中に、ストックのバスケット(雪用の埋没止め)を失くした様で、
見かねた 隊長が、再び先頭交代。
しかし20mも進んだか、どうか…、
内心 ハァ~、参ったな、と凹みかけた、まさにその時…  
「先頭、代わりましょうか?」との声!!
( ありがたい!! ) 「 すいません、お願いしますっ!! 」
現れたスーパーマンは、件の若者かと思いきや、何と 先に追い越したおじさんじゃないですかっ!!

「スーパーおじさんマン」は、颯爽と先頭に立つと、ぐいぐいと進みます。
その足元を見ると、何と 正真正銘、縄と竹で組んだ 純和風かんじき が!!
恐るべし、和風かんじき!! 恐るべし、スーパーおじさんマン!!

そこから おじさんの踏み跡をなぞり、10分ほどで分岐到達!!
ありがとうございます、ほんと、助かりました!!



( 後半に続く )


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