動物たちにぬくもりを!

動物愛護活動の活動経過や日々の出来事、世の中の動き等幅広く紹介します。

亡き母が残した18匹の猫を育てるプロボクサーが決意の引っ越し!

2021-06-10 05:51:27 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

亡き母が残した18匹の猫を育てるプロボクサーが決意の引っ越し!
借金300万円背負い新たな“猫家”工事中

2021年5月29日(土) まいどなニュース

18匹の猫を育てる島川大器さん。
大阪府に住むプロボクサー・島川大器さん(36)は、2020年5月に心筋梗塞で急逝した母が残した猫18匹の世話をし続けている。
支援の輪が広がり、月15万円かかる家賃やえさ代などにメドがついた矢先、18匹の猫だけが住んでいる“猫家”に立ち退き問題が浮上。
府内に新天地を求め、引っ越しすることになった。


18匹の猫を育てる島川大器さん

18匹の猫たちはすくすくと、まるまると育っていた。
ごはんの時間になると、しっぽをピン!と立てながら島川さんのもとに近づいていく。
悪戦苦闘しながらも、母の形見となった猫と向き合った1年。
「助けていただいたという言葉に尽きる。皆さんに支えていただいて、乗り切ることができた」と振り返った。
SNSやYouTubeなどで島川さんを知った全国の人から、キャットフードや猫砂などの支援が届いた。
「ごはんだけで月3~4万円かかるところを、病院代に回すことができている」。


ごはんのにおいを嗅ぎつけ集まる猫たち
18匹の猫が一度にごはんを食べる姿は圧巻

月15万円かかる費用。
島川さんがプログラマーの仕事をすることで充てていたが、今では支援品やYouTubeの広告料などで、月5万円分ほどがまかなえるまでになったという。
里親の申し出もあったが、譲渡には至らなかった。
「自分の支出が減ったとしても、それでも猫の世話代だけで10万円は稼がないといけない。この子たちの世話の時間も増えるから、ボクシングの時間を削らざるを得ない」と、本業のプロボクサーは休業したまま。
朝、晩の3~5時間を世話にあて、猫中心の毎日を送っている。
キャットタワーが立ち、思い思いの場所で18匹の猫たちがなじむ“猫家”だが、夏までに立ち退かざるを得なくなった。
YouTubeで事情を説明したところ、視聴者から移転先として古民家のオファーが舞い込んだ。
法律にのっとった動物の収容施設にしなければならないため、工事をしているという。


工事中の新しい猫家

工事費用は約300万円。
島川さんが借金することでまかなうこととなり、古民家をオファーした視聴者の意向もあってクラウドファンディングも始めた。
新しい猫家で、猫たちが自分でお金をつくることができるようにしつつ、愛護活動の拠点にしたいと話す。
亡き母への思いが、原動力になっている。
「守らないとあかんというか。他の親族はこの子たちを見捨てたので僕しかいない」。
現在猫たちが住んでいる家は、島川さんの母が住んでいた家だった。
母の死後、多頭飼育崩壊が発覚。家の2階で悲惨な環境にいた18匹の猫を、島川さんが発見した。
トラブルに見舞われ、猫の面倒を見切れなくなっても、母は島川さんを頼ることはなかった。
「より母のことを強く思えるようになったのは、僕を頼ってくれたらいいのに頼らなかったところ。母にかけた言葉が重かったのか…」と振り返る。
島川さんは自身の挙式の際「老後は面倒を見るから、それまでは自分の好きにさせてくれ」と、経済的に自立することを促す手紙を渡したという。
家庭を持つ決意として、母に送ったなにげない言葉。
結果的に助けを求めづらくさせ、何もかも一人で抱えさせてしまったことを島川さんは後悔する。
亡き母が、肌身離さずその手紙を持っていたことを遺品整理の際に知った。
猫に気づかされた肉親への思い。
自身に向けられていたであろう母の愛情を、形見となった18匹の猫に注いでいる。
亡き母の家を離れる寂しさはあるが「この子たちがいることで、前向きに進めるような移転にしようということを考えて決意した。
移転することでいい風に動けばいいなと思っている」とステップアップを目指す。
8月にも18匹の猫とともに、新天地へ向かう島川さん。
「お金で倒れることは防ぎたい。この子たちがお金をつくることができて、自分達で生活できるようになれば」と夢を語った。


圧巻!しっぽをピンと立て、島川さんにすり寄る猫たち

(まいどなニュース/デイリースポーツ・杉田 康人)


コロナ禍に振り回されるペット

2021-06-09 05:45:51 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

コロナ禍に振り回されるペット
 巣ごもり生活で暇を持て余した人に飼われ、捨てられて…

2021年5月27日(木) 福井新聞ONLINE

コロナ禍で苦しんでいるのは人間だけではありません。
ペットも大きな影響を受けています。
テレワークや自粛で自宅での巣篭もり需要が増えたことから、ペットショップでは子犬・子猫の販売数が昨年の2倍に増えたとのニュースがありました。


コロナ禍で、ペットショップでの子犬・子猫の販売数が倍増しているとされる(イラスト:黒川ツナ子 )

ショップに並んでいる子犬や子猫に群がる人たち。
そんな人々のインタビューをテレビで最初に見た時は、大きく肩を落としてしまいました。
なぜかというと、、、私たちEvaは、「飼う前に考えよう。『動物を飼う』ということは、その動物の命を預かるということ。
あなたは15年から20年、動物がその命を終えるまでお世話できますか?」と飼育放棄を増やさないために以前より啓発に努めてきたからです。
けれど、ペットを購入する人たちへのインタビューで聞こえてきた声は、、、 「家に長くいることでヒマを持て余しているから」 「学校が休校になったので、子どもの遊び相手として」 「子どもの思い出づくりになればいいなぁと思って」 そんな無責任に感じるものばかりでした。
また、ストレスが溜まっているからと、癒しを求めてペットを購入する単身者も少なくないようです。
コロナ需要を前にしては、地道な啓発では力及ばずです。
もちろん、たとえどんな動機でも、家族の一員として最期のその日まで、大切にしてくれるならいいと思います。
でも、やはり危惧していたとおりでした。
遺棄される犬・猫が急増したと、その後の報道で知りました。
購入後1週間で飼育放棄するケースもあるのだとか。
行政の動物管理センターに持ち込まれたり、「心優しい方よろしくお願いします」と首にメッセージの書かれた札をぶら下げた犬が道端に遺棄されていたという事例も取り上げられていました。
どんなメッセージを添えようと、動物の遺棄はれっきとした犯罪です。
他にも、無料広告掲示板などで、犬を譲渡したいという広告をいくつか見つけたことがあります。
ある人の理由には、コロナでテレワークになり家にいる時間が増えたので癒されたくて50万円で犬を衝動買いしてしまいました、と書かれていました。
テレワークが解消され出勤しなければならなくなったので犬の面倒がみられなくなった、というものでした。
あまりに身勝手な理由です。
その愚かさに呆れ果てました。
テレワークがずっと続くと思っていたのでしょうか!?
ということは、コロナ収束後のこともまったく考えていないということです。
おそらく、命を命とも思わず、まるで縫いぐるみかロボットを購入するような感覚で衝動買いしたのでしょう。
命ある動物のお世話には手間がかかること、それが10年以上も続くことは想像できたはず。
それでも衝動買いするのは、命への責任より目の前の自分の快楽を優先したとしか思えません。
人間には往々にしてそういうところがあるように思います。
ペットショップは、どんなお客にも動機など気にかけることなく販売します。
そもそも衝動買いさせるためのビジネスモデルなので、コロナ禍は利益を上げる絶好の機会となりました。
一方、商品である犬や猫は、身勝手な人間の犠牲になり遺棄され、次の飼い主に譲渡されなければ殺処分という最悪の結末が待っています。
動物の命への軽視が安易なペットの購入につながり、飼育放棄や遺棄を生み出しています。
こうした悲劇の元凶であるペットビジネスの構造にはほとほと嫌気が差します。
このビジネス構造の問題については、またいつか別の機会に詳しく書きたいと思います。
そして、コロナ禍でのペットビジネスの問題は、子犬・子猫の展示販売だけではありません。
同じくヒマを持て余した人たちを相手に、レンタルペットも大流行りしていたそうです。
信頼している人といることで安心感を得るペットが、知らないお家にレンタルされる不安な気持ちを考えてほしいものです。
性格の個体差はあるものの、動物にとってはかなりのストレスです。
レンタルなんて、DVDじゃあるまいし、感受性ある繊細な動物を使ってやるべき商売じゃないと思います。
それに、レンタルする人がどんな人なのか、パッと見でわかるはずもありません。
動物を扱う最低限の知識はあるのか、虐待目的ではないのか、そんな心配を真剣にしていたら、とても出来る商売ではないですよね。
動物保護団体が里親さんに犬・猫を譲渡する時、とても神経を使うところです。
特にペットと暮らしたことのない初心者の方には時間をかけてさまざまな説明をします。
事業者が、そんな時間と労力をかけて数時間のレンタルに丁寧に対応しているとはとても思えません。
こうやって、ペットがあらゆる形で商品として市場に出回っている以上、消費者が気軽な気持ちで、それを購入したり利用したりすることは避けられません。
だから、どうしても無責任な飼い主を増やしてしまいます。
ペットを迎える前に、どうか冷静に考えてください。
15年から20年、最後までお世話できるか、ご自分の年齢はどうですか?
犬は体のサイズや犬種や年齢によって必要な運動量が違います。
充分に運動させてあげられる環境や生活スタイルですか?
猫は高いところが大好きです。高いところに上がっていたずらしても、寛容な心で笑って許せますか?
猫の爪研ぎはけっこうな破壊力。傷つけられたくなかったら壁やソファを自分でシートなど貼って対策を。
猫の本能なので、猫にはなんの罪もありません。
当たり前ですが、生きているからオシッコもウンチもします。
犬も猫も、ときには粗相することだってあります。
こんなはずじゃなかった、、、 思っていたのと違ってた、、、 そんなふうに思わないよう、どんなこともすべてに対応していけますか?
そして、人と同じように病気にもなります。
人より遥かに早いスピードで歳をとります。
将来、看病や介護が必要になっても、大切な家族として、その労力や時間を惜しみなく費やすことができますか?
医療費もたくさんかかります。
こういうことをすべて理解して、愛情をもってその責任をまっとうできる人。
そういう人だけが、ペットと幸せに暮らすことができるのです。
言葉が話せないだけで、人と同じようにいろんな感情をもっています。
そんな感受性豊かな動物を不幸にしてしまうのは、とても罪深いことです。
飼い主が幸せになることより、ペットを幸せにできるかを考えてほしいのです。
なぜなら、ペットが幸せじゃないと、その暮らしの中で飼い主の幸せなんてあり得ないからです。
自分が「癒やされたい」「楽しみたい」なんていう、一方的な思いでは、お互い幸せになれません。
言葉が話せない分、より注意深くその気持ちや状態に配慮が必要です。
最期のその時まで、慈しみ愛情いっぱいにお世話すること。
その覚悟なしにペットと暮らすことは、絶対にやめていただきたい!
お互いにとって不幸なだけですから。
無責任な飼育放棄をする人は、まるで仕方なかったかのような言い訳をします。
時には、多少感じている罪悪感から、その責任を問われた時、逆ギレするような人もいます。
また、次の飼い主に自力で繋ぐことができなかった時には、保健所に持ち込み殺処分を押しつけてきました。
本来なら自らの責任で動物病院に依頼して薬物による安楽死に立ち合うという選択もあったはず。
多くの人がそんな覚悟も苦渋の決断もないまま、いとも簡単に行政に殺処分を押し付けその罪から目を背けてきました。
現在は法律の改正により終生飼養が義務づけられたので、そう簡単には保健所も引き取ってくれませんが、だからと言って、不幸な行き場のないペットたちが減ったわけではありません。
命への責任という人の倫理が問われるペットとの暮らし、、、。
私はこう思います。
自ら選択した行動は、良いおこないも悪いおこないも、回り回って自分に返ってくる。
「無責任な飼育放棄」という、自分の罪から目を背けても、どんなに正当化して自分や他人を誤魔化せても、お天道様は見ていると、、、。

(Eva代表理事 杉本彩)

  ×  ×  ×

杉本彩さんと動物環境・福祉協会Evaのスタッフによるコラム。
犬や猫などペットを巡る環境に加え、展示動物や産業動物などの問題に迫ります。
動物福祉の視点から人と動物が幸せに共生できる社会の実現について考えます。

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杉本彩さんが動物保護活動を始めた理由


悪質ペット業者排除期待も…6月に改正動物愛護法施行

2021-06-08 05:54:45 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

質ペット業者排除期待も…6月に改正動物愛護法施行

2021年5月29日(土) 産経新聞

生後56日以下の子犬や子猫の販売を原則禁止する「8週齢規制」を定めた改正動物愛護法が6月1日に施行される。
幼いほうが売れ行きやコスト面で優位である一方、早い段階で親元から離すと、餌を食べなかったり、ほえ癖やかみ癖がついたりするなどの問題行動も多くなるとされる。
改正法は悪質業者排除が狙いで、ペットをめぐる環境の改善に期待がかかるが、関係者からはコスト増に加え、結果的に犬猫が行き場を失うことなどへの不安の声も上がっている。
(本江希望)


改正動物愛護法関連:「NPO法人みなしご救援隊 犬猫譲渡センター」東京支部で引き取り手を待つ犬=28日、東京・玉川田園調布(酒巻俊介撮影)

「販売まで日にちが延びるほど飼育コストはかかるが、精神面などを考えると安心」。
犬のブリーダーで、大阪府東大阪市でペットショップを経営する辻澤久美子さん(51)は、改正法にこう理解を示す。
改正法は動物の虐待事例が後を絶たない中、令和元年6月に成立。
「8週齢規制」は、問題行動が出やすくなると飼い主の飼育放棄につながるとして加えられた。
本則で生後8週に当たる56日を超えるまで販売を禁じたが、激変緩和措置として7週に当たる49日を超えれば販売が可能とする付則を設置。
6月1日からはこの付則が廃止される。
ほかにもマイクロチップ装着の義務化や、業者の飼育数制限、ケージの広さなど管理方法を具体的な数値で示した環境省令が6月以降、段階的に施行される。
動物の環境改善につながるとして期待されるが、業者にとってこうした規制は大きな負担となる。
「基準に合ったケージの買い替えやマイクロチップの装着も進めているが、とてもお金がかかる一方、これに対する助成金もない」と辻澤さん。
従業員1人当たりの飼育数制限の完全施行を3年後に控え、「従業員を増やす必要があり、そのためには販売価格を上げていくしかない」とも語る。
実効性を懸念する声もある。
犬や猫の保護活動を行うNPO法人「みなしご救援隊犬猫譲渡センター」(広島市)の佐々木博文理事長(52)は、「法律があっても取り締まる機関が機能していなければ変わらない」と強調。
体制強化を行わず、法規制だけしても悪質業者の排除は難しいと話す。
佐々木理事長によると、これまで、多頭飼育崩壊や違法ブリーダーなどの問題が発覚するたびに自治体に対応を求めてきたが、機能しないことが多かったという。
動物問題の管轄は保健所などだが、「新型コロナウイルス禍で人員が足りない中、立ち入り調査などを行う余裕があるのか」と首をかしげた。
また、飼育数制限は、悪質なブローカーが犬や猫を殺処分したり、多くの頭数を抱える保護団体の動物が行き場を失ったりするなど「動物愛護に反する事態につながりかねない」という。
飼育放棄や多頭飼育崩壊など飼い主側の問題も多い。
「癒やしとしてペットを飼う人は増えているが、動物愛護法には、動物がその命を終えるまで適切に飼う『終生飼養』の義務が明示してある。飼い主として責任を持ち、真剣に命と向き合ってほしい」。
佐々木理事長はこう訴えている。


いのちのリレーで生き延び、生き直した10年

2021-06-07 05:59:21 | 東日本大震災

立ち入り禁止区域に取り残された猫
 いのちのリレーで生き延び、生き直した10年

2021年5月5日(水) sippo(朝日新聞社)

東日本大震災が起きた10年前。
ペット同行避難の受け入れ態勢はなく、取り残された小さないのちがたくさん消えた。
だが、各地から駆けつけた人々の懸命なリレーで救われたいのちもある。
JJくんも、その1匹だ。


被災地で保護され、都心のマンション猫になったJJ

生き直して、10年
「JJ」くんは、推定年齢11~13歳のキジトラのオス猫である。
都心のマンションで、何不自由なく愛されて暮らしている。
ジェフお父さんも、明子お母さんも、えまちゃんも、みんな優しくて大事にしてくれる。
他の2匹とも仲良くやっている。
3匹とも、ひもじさと心細さを抱えてさまよっていた者同士なのだ。
14歳のメス猫ルルは、多摩川河川敷のホームレスの男性に保護された子猫だった。
8ヶ月のオス猫ピノは、保健所から引き出された子猫で、JJがいたシェルターからやってきて半年がたつ。
JJは、東日本大震災後、福島第一原発半径3km圏内のため立ち入り禁止区域となった大熊町で、その年の12月に救い出された。
ボランティアが入らなかったら、その冬は越せなかっただろう。生き延びて、生き直したいのちである。

助けに行かなければ!

塩沢さんに甘えるシェルターの猫たち

10年前の3月。
埼玉県所沢市で、個人で地域の保護猫活動を続けていた塩沢美幸さんは、東日本大震災の被災状況を知り、「行かねば」という思いが胸を突き上げた。
「人がいなくなった町で、それまで人に寄りそって生きていた犬や猫たちは、いったいどうやって生き抜いていけばいいのか。いてもたってもいられませんでした」
4月、車にフードや捕獲器などを詰め込んで現地に駆けつけると、同じ思いの人が集まっていた。
以来、毎週のように被災地に行った。
手分けしてフードを置いて回り、捕獲器に入っていた猫は連れ帰った。
ある時、放射線量の高い地区での、飼い猫のレスキュー依頼があった。
窓を少しだけ開けて置き去りにしてきた飼い主のつらさはどれほどだったろう。
猫の姿はなく、フードと捕獲器を置いてきた。
3時間後に行くと、捕獲器には、痩せたキジトラと黒猫が入っていて、9ヶ月ぶりに見る人間を恐れて威嚇した。
「悲しいことに、その家の飼い猫はキッチンで亡くなっていました。捕獲器の猫たちに、車中でガイガーカウンター(放射線測定器)を近づけると、ピーピー音が鳴り続けました」
高線量の放射線を浴びながら生き延び、捕獲器に入った、そのときの猫の1匹が、JJである。
どこかの飼い猫だったかどうかはわからない。

新しい家族になる約束

保護中の猫の名札がいっぱい

こうして、連れ帰った犬や猫がどんどん増えたため、塩沢さんは「またたび家」というシェルターを川越市に作り、仲間たちとシフトを組んで世話を始めた。
通っていた地区に犬猫の姿が見当たらなくなった8年目で、被災地通いをいったん終了。
いまは、事故傷害を負った猫や行き倒れ猫、捨て猫などの保護・譲渡に日々奔走する。
まだえまちゃんが生まれる前、塩沢さん宅にルルちゃんの相棒を見つけに来たジェフさん・明子さんと交わした会話を、塩沢さんはよく覚えている。
ジェフさんは、こう言っていた。
「私の故郷のカナダでは、シェルターから猫を迎えるのが普通です。日本に来て、ガラスケースの中に幼い命を商品として並べてあることにびっくりした」。
そして、夫妻は、被災地からやってきたJJくんを迎えてくれたのだった。
「もし、以前の飼い主さんが現れて、その方が猫を飼える状況にあるときは、原則としてお返しすることになります」という、被災地の猫ならではの約束に、こころよく了解をして。
大熊町から連れ帰った猫は数知れないが、今、シェルターに在籍している猫は4匹のみとなった。
だが、被災地で、可愛がっていた犬や猫を置き去りにするしかなかった人たちが流した涙の量も、訳もわからず置き去りにされた動物たちが味わったつらさも、塩沢さんの胸に降り積もったままだ。
大災害のたびにこんな思いを繰り返すわけにはいかない。
またたび家では、新しい飼い主に必ず、ペットを守る防災リーフレットを手渡し、よく読んで実践してもらうことも、約束してもらっている。

「どんなことがあっても一緒だよ」

幼い頃のえまちゃんと(写真提供・明子さん)

ジェフさん・明子さん夫妻の住まいは、すぐ近くに大きな公園もあるが、耐震性に優れ、浸水の心配もないこのマンションが、なにより一番安心だ。
その上で、猫たちのために気をつけていることがいくつもある。
3匹にはマイクロチップが入れてある。
水やフードの多めの備蓄は絶やさない。
トイレの砂、おしっこシート、3匹分のキャリーバッグ、縦長ケージを用意。猫のふだんの飲み水は給水式で、ふろ場の桶には毎日きれいな水をたたえている。
明子さんはえまちゃんに「大きな地震があっても驚いて窓を開けて猫を逃がしたりしないでね。家が一番安全なのだから」と言い聞かせている。
また、万が一帰宅できない場合、近くの友人やキャットシッターなどに、猫たちの様子を見に行くよう頼んである。
明子さんは言う。
「JJはとくに被災体験のトラウマがあるようには感じませんが、河川敷で保護されたルルはとても臆病なので、捨てられた時のトラウマがあるのかもしれません。やはり災害時に不幸な猫を生み出さないためにも、外で暮らす猫をなくしていくことが大事ではないでしょうか」
JJたちに、家族から愛のメッセージを注いでもらった。
「JJたちのおかげで毎日楽しいよ。万が一何があっても守るからね」と、ジェフさん。
「我が家に来てくれてありがとう。どんなことがあっても大丈夫! 安心して」と、明子さん。
えまちゃんは、瞳をキラキラさせて、傍らのJJにこうささやいた。
「いつもいっぱい遊んでくれてありがとう。みんな大好き。どんなことがあっても一緒だよ」

【写真】九死に一生を得て、毛並みも体型も健康的になった猫「JJ」くん

取材協力:またたび家 http://matatabike.web.fc2.com (「猫びより」から)


お隣さんの危機に気づき、飼い主に知らせたお手柄犬

2021-06-06 05:52:49 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

大好きなお隣さんの危機に気付いた犬
 飼い主に知らせお手柄(スコットランド)

2021年5月27日(木) Techinsight

いつもは静かな愛犬が、その日は落ち着きなく吠え続け走り回っていた。
その様子を見た飼い主が不思議に思って庭へ出てみると、そこには隣に住む91歳の女性が倒れていた。
女性が転倒した拍子に骨折して動けなくなっていることに気付いた犬が、必死に飼い主に知らせていたのだ。
『Daily Record』などが伝えている。


隣に住む91歳女性のピンチを救った犬(画像は『The Courier 2021年5月21日付「Fantastic Fergus: The clever Angus canine who is woman’s best friend after raising alarm over injured 91-year-old neighbour」』のスクリーンショット)

スコットランドのアンガスにあるエドゼル村に住むトリッシュ・マクレガーさん(Trish McGregor、80)は、ビアデッド・コリーの“ファーガス(Fergus、12)”を飼っている。
ある晩のこと、トリッシュさんは部屋で一緒に過ごしていたファーガスが落ち着かず部屋と庭を行ったり来たりと走り回り、しきりに吠え出した。
「ファーガスのこの行動は、仲良くしているお隣さんが庭に出てきた時に取る行動なんです。でも夜の9時を回っていて、この時間にお隣さんが庭に出て来ることはないはずでした。」
そのように当時の様子を明かしたトリッシュさんは、ファーガスに静かにするように軽く叱ったが、それでも吠え続けていたという。
不思議に思ったトリッシュさんが庭に何かあるのかと確認しに出てみると、隣に住む91歳の女性が倒れており、動けなくなっている姿を発見したのだ。
「彼女の顔には切り傷があり、腕を骨折していました。倒れてから助けを求めて大きな声をあげていたようですが、私を含めて近隣の人の耳には届かなかったんです。その夜はとても冷え込んでいましたし、もしファーガスが教えてくれなければ、もっとひどいことになっていたかもしれません。」
トリッシュさんはすぐに救急車を呼び、女性は病院に搬送されて治療を受けた。
現在は自宅で療養しており、回復しているという。
「ファーガスは近所の人みんなを知っていて、特にお隣の女性とは大の仲良しなんです。いつもお隣さんが私に話がある時はフェンス越しにファーガスへ『ママを呼んで来て』と伝えると、ファーガスが吠えて私に知らせてくれるんです。」
トリッシュさんは続けて「ファーガスは普段から私の言うことをよく理解しているんですよ。私が指示したことを実行しない時もありますけどね。時々やんちゃな面もありますが、ファーガスがいなければ私は生きていけません。今回のファーガスの行動は称賛に値すると思います」と誇らしげにコメントした。

(TechinsightJapan編集部 iruy)

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劣悪な環境から犬や猫を助けたい

2021-06-05 05:50:50 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

劣悪な環境から犬や猫を助けたい
 立ちはだかる「所有権のカベ」、どう打ち破る?

2021年5月24日(月) sippo(朝日新聞社)

運用だけでは解決困難な残された課題とは

ペット関連の法律に詳しい細川敦史弁護士が、飼い主のくらしにとって身近な話題を、法律の視点から解説します。今回は、動物の緊急一時保護についてです。

◆多頭飼育崩壊が全国で多発
前回、多頭飼育問題の解決に向けた自治体や関係者の取り組みについて、紹介しました。
今回は、それに続いて、こうした運用だけでは解決困難な残された課題について、考えてみたいと思います。
自宅などで犬猫がネグレクト状態にある多頭飼育崩壊事例が全国で多発し、社会問題化しています。
ここ2年程度以内で、100匹以上の「超」多頭飼育事案に絞っても、少なくともこれだけあります。

2019年3月  群馬県太田市     猫113匹
2019年7月  徳島県        猫100超匹
2020年3月  札幌市        猫238匹
2020年5月  滋賀県        うさぎ約130羽
2020年6月  山口県宇部市     猫149匹
2020年9月  神奈川県海老名市   猫144匹
2020年10月  島根県出雲市     犬164匹
2021年4月  静岡県富士市     犬109匹

また、犬猫が長時間車中に置き去りにされる事案、孤独死や被疑者の身柄拘束などにより犬猫が室内に取り残される事案もあります。

◆立ちはだかる「所有権のカベ」


多頭飼育崩壊が全国で多発している

こうしたケースにおいて、動物保護団体などが保護、引き取りを申し出た場合、飼い主や相続人などの権利者から任意に譲渡されれば問題ありませんが、飼い主らがかたくなに拒否した場合は、飼育環境が劣悪であるとしても、強制的には保護できません。
犯罪捜査の手段として、裁判所の令状に基づき虐待されている動物を差し押さえすれば一時的に保護することは可能であり、今でも一部の事件ではそのような対応をしていますが、警察が動かない事案も多く、また、必要な捜査が終了すれば飼い主に返還する必要があります。
この「所有権のカベ」が、保護関係者や動物行政の前に高く立ちはだかっています。
現場の最前線で動物の保護活動をしている人たちであれば、必ず直面するといっても過言ではありません。
現場でリアルタイムに弱っていく動物を見ながらどうしても救えない、動物行政関係者も警察も助けてくれない状況で、何とか保護したいと思うあまり犯罪(住居侵入、器物損壊、窃盗など)もいとわないという人もいます。
仮に保護が強行された場合、現行法においても、緊急避難が成立するものとして、損害賠償責任や犯罪の違法性阻却事由になると解釈する余地はあるかもしれません。
しかしながら、それぞれのケースにおいて、動物の生命・身体に対する具体的な危険がどの程度迫っているのか、どのような権利がどの程度侵害がされたのかなどによって、判断が微妙なこともあります。
また、その場で第三者が法的判断をしてくれるわけでもないので、通常は、保護しようとする人と権利者との間で、トラブルになるおそれが大きいです。
そもそも、心ある保護関係者に、民事責任・刑事責任のリスクを負わせてはならないと思います。

◆動物の緊急保護という制度

虐待されている動物を助けるために

そこで、公的機関が強制的に、動物の緊急(一時)保護を行える法律上の制度が必要となります。
これは、現場の関係者が長年実現を要望してきた重要なテーマです。
この点について、飼い主らの所有権、財産権は憲法で保障されていることを理由に、否定的・消極的な意見があります。
しかしながら、これだけでは否定する理由にはなりません。
所有権は重要な権利ですが、かといってあらゆる制限が許されないというのではなく、公共の福祉による制限=法令で制約される場面は実際には多々あります。
例えば、銃や刃物・覚醒剤などのみだりな所持が禁止されていることや、土地の強制収用、法律や条例による各種の建築規制、自己が所有する動物であっても殺傷や虐待すれば犯罪が成立することも、所有権が制限されている具体的な場面といえます。
規制によって得られる権利・利益と、規制によって制限される権利を比較し、目的が正当であり、合理的な内容であれば、法律で規制しても憲法上の問題はなく、可能とされています。
そして、虐待動物の緊急一時保護によって得られる利益は、前回紹介した環境省の「多頭飼育対策ガイドライン」に示された目的とも符合します。
すなわち
1) 動物の生命・身体を保護する
2) 近隣住民の生活環境を保全する
3) 動物の飼い主を心身の悪化、生活状況の悪化から保護する
の3点と考えれば、動物だけでなく、人の権利・利益を守ることになります。
一方で、飼い主らの所有権が制限されるものの、例えば、所有権自体を失わせるのではなく、劣悪な飼育環境から動物を一時的に保護して獣医師の診察を受けさせ、その後健康状態を回復などの内容であれば、所有権に対する制限はそこまで強くはないといえます。

◆動物の緊急保護、導入検討を
このように、動物に対する緊急一時保護は、制度設計次第で十分合理的なものといえ、次回の動物愛護管理法改正では、前向きに導入を検討すべきと考えます。
具体的な内容を考えるにあたり参考になる制度として、児童福祉法33条に定める一時保護制度があります。
これは、児童の安全を迅速に確保し、適切な保護を図るため、児童相談所が原則として2カ月間保護するものです。
これを虐待動物にも準じて考えると、2019年改正によりその存在や役割が明記された動物愛護管理センターに一時保護権限を与え、また、必要に応じて外部委託も可能にする方法が考えられます。

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多頭飼育崩壊に陥るのはどんな人たちか 飼い主を救うことは犬や猫を救うこと

2021年4月27日(火) sippo(朝日新聞社)

ペット関連の法律に詳しい細川敦史弁護士が、飼い主のくらしにとって身近な話題を、法律の視点から解説します。今回は、多頭飼育崩壊についてです。

◆多頭飼育崩壊になった原因を分析すると
(以前、動物虐待事案に対応できる、弁護士と獣医師が連携する仕組みができれば――という話をしました。今回は、動物の問題解決に向けた、主に自治体内部における連携についてご紹介します。)

かなり以前から、犬や猫などの多頭飼育崩壊、虐待(ネグレクト)事案が全国各地で発生し、近年では積極的に報道などで取り上げられ、社会問題となっています。
こうした事件が報道されると、不衛生で劣悪な飼育環境下で動物を放置し続けるなんてとんでもない、そんな無責任な飼い主は厳重に処罰するべき、ということだけが強調されてきたように思います。
もちろん、被害にあった動物の立場を代弁するならば、当然のことです。
一方、実際問題として、どんな人たちが犬猫の多頭飼育に陥りがちなのか、多頭飼育に至った原因を分析すると、高齢・認知症などの病気、障がい・貧困などの理由により地域社会から孤立している人が少なからずいます。

◆犬や猫の多頭飼育崩壊が全国で起きている

こうした人たちに対し、多頭飼育崩壊となる手前の段階で一定の介入を行い、適切な支援を行うことで、飼い主の生活環境・動物の飼育環境がともに改善し、多頭飼育崩壊に至らずに解決することが可能となります。
飼い主を救うことは、結果として動物を救うことになるのです。

◆部署が連携して多頭飼育問題にどう取り組むか
自治体において、動物部局は人に対する支援を行うものではなく、一方で人の福祉部局は動物のことを考える部署ではありません。
各部署はそれぞれの観点で業務を行い、お互いの部署がどのような情報を持っているかも把握していないことが通常です。
双方の部署で普段から情報を共有し、いざというときには協働して事案にあたればよりよく解決できる可能性があるのに、必ずしもそれができていませんでした。

◆飼い主を救うことは、結果的に犬や猫を救うことになる
こうした問題意識は、少し前からいろんな場面で言われており、先進的な自治体においては、「動物の部署と人の福祉を担当する部署が連携して、多頭飼育問題にどう取り組むか」について、協議や実践がされていました。
また、2018年度には環境省内に検討会が設置され、精神科医、獣医師を含めた専門家による検討が重ねられ、今年3月に「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン~社会福祉と動物愛護管理の多機関連携に向けて~」が完成し、公表されました。
全部で128ページとかなりボリュームのある冊子ですが、基本的には自治体関係者や関係機関に向けて作成されているものです。
現在進行中または今後多頭飼育問題が発生したときには、複数部署や関係機関と連携して取り組んだ経験の乏しい自治体の対応指針として、参考にされることが期待されます。
このガイドラインでは、多頭飼育問題対策の観点として、
①飼い主の生活支援
②動物の飼育状況の改善
③周辺の生活環境の改善
の3点を挙げています。
動物保護団体や関係者にとっては、②の視点が最も大事ではありますが、動物も人間社会の中で共生している以上、③の視点や、無責任ともいいうる飼い主をフォローする①の視点も、忘れてはならない大事なポイントといえます。

◆社会的弱者の支援に取り組んできた弁護士会
ところで、このガイドラインの中に、医療機関や警察署などと一緒に、法律事務所・弁護士もひとつの関係主体として紹介されています。
典型的な支援としては、経済的貧困の飼い主の相談を受けて、生活保護申請のフォローや自己破産を申し立てることや、認知症の飼い主について成年後見申立て等の手続を行うことがあげられます。
弁護士や弁護士会として、動物問題に取り組んでいるところはごく少数ですが、高齢者・障がい者や、貧困者の支援については、社会的弱者を支援し救済する観点から、比較的古くから取り組んできた経緯があり、関係機関と連携したり、一定のノウハウも有しています。
その点で、動物の多頭飼育問題へのアプローチは、弁護士会としても、比較的なじみやすいのではないかと考えています。

◆複数の機関が連携した支援へ
もちろん、現状の問題を理解せず悪びれない飼い主や、動物が生まれては次々と亡くなっているような悪質なネグレクト事案については、刑事告発も辞さない対応が求められることは、いうまでもありません。
飼い主に対し、厳しい処罰か各種の支援か、二者択一というものでもなく、過去の行為については刑事責任を含めた処罰の対象として責任を取らせた上で、将来的な生活の立て直しに向けて各種の適切な支援を行う、という対応があってもよいと思います。

◆動物の緊急一時保護制度の検討を
なお、自治体の部署間や、それ以外の関係機関と連携を進めても、解決困難な問題があります。
例えば、所有権を頑なに主張して動物を手放さず、不妊去勢手術にも同意しない、という飼い主がいた場合、動物虐待罪が成立するようなひどい事案で警察が証拠物として動物を押収する場合以外は、自治体は強制的に動物を保護できないのが現状です。
この点、児童虐待については、児童相談所の裁量判断で子どもを親から保護する制度が導入されており、こうした既存の仕組みなどを参考に、虐待され、またはそのおそれがある動物についての緊急一時保護制度を真剣に検討する時機にきているといえるでしょう。
これについては、機会をあらためて詳しく述べたいと思います。

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細川敦史 (ほそかわ・あつし)

2001年弁護士登録(兵庫県弁護士会)。民事・家事事件全般を取り扱いながら、ペットに関する事件や動物虐待事件を手がける。動物愛護管理法に関する講演やセミナー講師も多数。動物の法と政策研究会会長、ペット法学会会員。

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「朝5時から朝食を待つ犬」がまるで人間のよう

2021-06-04 05:48:46 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

飼い主びっくり「朝5時から朝食を待つ犬」がまるで人間のよう

2021年5月25日(火) おくたま経済新聞

朝の早い時間に起きて、読書やランニングといった趣味やスキルアップの時間を確保する、いわゆる「朝活」が近年流行していますが、ツイッターにて投稿されたあるワンちゃんのモーニングルーティーンが話題です。
朝5時に食卓の椅子に座り、じっと飼い主の起床(朝食)を待っているのは、1歳になる雑種犬のハクちゃん。
この様子を投稿したのはツイッターユーザーのスシアザラシさん(@aniriesuok)。
ハクちゃんは、小さい時に香川県のボランティア団体より譲り受けた保護犬で、性格は人も犬も大好きな、お調子者なのだそう。
ツイートには「朝5時から朝食を待つ犬」というつぶやきとともに、ハクちゃんが食卓の椅子に座っている写真も投稿されています。
いずれもあくびをしたり、「飼い主さんまだかな」と辺りを見回したりして、待ちくたびれている様子。





画像提供:スシアザラシさん(@aniriesuok)

まだ外の明かりも薄暗い午前5時。
椅子の上でじっと待つ姿にそこはかとない面白味を感じますよね。
眠いなら、もう少しゆっくり寝ててもいいのに……。
飼い主さんによると、ハクちゃんはとても早起きで毎朝4時には起きているとのこと。
時間に限らず、お腹がすくとダイニングの椅子に座り、食べ物まだ?とプレッシャーをかけてくるそうです。
ちなみに食卓で待ってはいるものの、ごはんはちゃんと床で食べるそうですよ。
この日は飼い主さんがソファでウトウトしていると物音がし、振り向くとハクちゃんが座っていたのでとてもびっくりしたとのこと。
この光景を目にした際の感想を「ご飯の時間にはまだ早いのに、まるでこちらの不手際で待たせてるみたいな顔して見られても…って感じでしたw」とコメントしています。

<記事化協力>スシアザラシさん(@aniriesuok)

(山口弘剛)

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【野良猫】ではなく【ノネコ】を取り巻く残酷な環境を知っていますか?

2021-06-03 05:48:09 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

【野良猫】ではなく【ノネコ】を取り巻く残酷な環境を知っていますか?

2021年5月13日(木) 石井万寿美 | まねき猫ホスピタル院長 獣医師

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」は、世界自然遺産に登録される予定という嬉しいニュースが入ってきました。
世界自然遺産は、いままで日本では4件登録されています。
そこは、豊かで個性的な生態系があり、希少な動植物を含む生命の循環を感じることができる場所です。
そんな環境の中【ノネコ】が問題になっています。
まずは、【野良猫】ではない【ノネコ】について見ていきましょう。


(写真:PantherMedia/イメージマート)

【ノネコ】とはなにか?
ノネコと野良猫は同じだと思っているかもしれません。
しかし、ノネコと野良猫は違うのです。
【ノネコ】は飼い主がいなく、集落を離れて餌は自分でネズミやウサギなどの小動物を捕食している猫のことです。
野良猫は、ノネコと同じように飼い主がいないのですが、餌は人からもらっている猫のことです。
ここで問題なのは、野良猫とノネコの外見は、同じなのです。
猫のウンチを見て、寄生虫などや小動物の被毛があるか否かで区別します。
もちろん、野良猫も小動物を食べる子もいるのですが、そのように定義されています。
忘れてはならないのが、野良猫もノネコももともと自然界にいるわけではありません。
飼い猫が放し飼いや飼育放棄などされ野良猫になり、野良猫がさらに集落を離れて自然の中で生活をし、ノネコになったのです(再野生化)。

なぜ、ノネコが奄美大島で問題か?

アマミノクロウサギをくわえるノネコ
環境省 奄美野生生物保護センターより

なぜ、奄美大島でノネコが問題になっているのかを見ていきましょう。
ノネコが希少動物を襲うからです。
ネコは捕食活動もするし、「遊び」としてのハンティングを行うこともあります。
奄美大島では、ノネコが「アマミノクロウサギ」や「ケナガネズミ」といった希少種を捕食する様子が写真や映像に撮影され、問題になっています。
「アマミノクロウサギ」や「ケナガネズミ」は、いままで島にネコ科の動物がいなかったので、ノネコが来てもそんなに用心しないですね。
ノネコにすれば、空腹だし小動物を捕食するのは簡単だったのでしょう。
そのうえ、ノネコは1頭のメスが生涯に50~150頭も出産可能なため、野外でどんどん増えてます。
そして希少種を捕食したり、ハンティングするなど大きな被害を与えています。
そのためノネコは侵略的外来種ワースト100に選ばれています。

ノネコは、ヤマネコに悪影響を与えてしまう

イリオモテヤマネコ(提供:アフロ)

ノネコは、エサの奪い合いやなわばり争いなどで、日本に生息する2種類のヤマネコのツシマヤマネコやイリオモテヤマネコに猫エイズウイルスなどを感染させたり、ケガを負わせたりすることがあります。

ノネコは、ウミネコやオオミズナギドリの繁殖に悪影響を与えてしまう

天売島のウミネコ(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

ノネコは、ウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥の巣に侵入し、卵やヒナを食べてしまいます。
海鳥たちは安心して卵を産み、ヒナを育てることができないので、希少な海鳥たちの危機になるのです。

狩猟の対象としてのノネコ
ノネコは、鳥獣保護法ではイノシシと同じ狩猟鳥獣で、銃や罠による狩猟が可能な動物です。
一方、野良猫や飼い猫は狩猟の名目で殺したり傷つけたりすることは、動物愛護法により違法行為です。
しかし、ノネコだと狩猟の対象になるのです。
ノネコは、もともと飼い猫で人里離れ野生化して小動物を捕食しているだけなのに、このような残酷な環境に人は追いやってしまったのです。

ノネコを生み出してしまった私たちができること

(写真:アフロ)

飼い主の無責任な行動が、猫も野生動物も不幸にします。
・猫を飼ったら飼育放棄せず終身飼育する
・外に逃げ出さないように完全室内飼いにする
・不妊去勢手術する
・マイクロチップなどによりノネコと飼い猫がきちんと区別できるようにする
都会に住んでいるとノネコの存在に気がつかないですね。
しかし日本でも、自然が豊かな地域では、元飼い猫がノネコになり希少な野生動物を捕食したり、ハンティングしたりして環境問題になっています。
猫が外に出たがるからと安易に出すと、生態系も崩してしまうことがあることを知ってほしいです。
そして、人は過酷な環境にいる野良猫やノネコを生み出してしまったのです。
ノネコは、人によって狩猟の対象になるというさらに残酷な現実があるのです。

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は栄養療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医師さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らす。
manma14956711
masumi0514
official site https://manekinekohospital.com/

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パン店に念願のロバ 松本市島内の粉雪Farm

2021-06-02 05:49:06 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

パン店に念願のロバ 松本市島内の粉雪Farm

2021年5月1日(土) 市民タイムスweb

松本市島内のパン店「粉雪farm(ファーム)」が、店舗の前でロバを飼い始めた。
生まれて5カ月の女の子で、名前はフランス語で小麦を意味する「ブレ」だ。
スタッフは看板娘としてお客さんに親しまれる存在に育つことを願っている。


店舗の前で飼われている「ブレ」と牧羽さん

家族と店舗を営む牧羽千恵子さん(53)は、童話の世界によく登場し、うさぎうまが別名でぴんと長く立った耳がかわいらしいロバが大好きで、4年前に店舗を開店した時から店で飼うことを夢にしてきた。
佐久市の牧場からようやく譲ってもらうことができ、念願がかなった。
牧羽さんは「大きくなったら一緒にパンを売りにでかけられたら」と笑顔を見せている。
午前10時から午後4時まで。木曜定休。
問い合わせは同店(電話0263・40・5090)へ。


ペット高騰、さらに続く? コロナ禍、需要が増加

2021-06-01 06:00:03 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

ペット高騰、さらに続く? コロナ禍、需要が増加

2021年5月19日(水) 中日新聞

ペットの値段が高騰している。
以前は20万円ほどだった犬や猫が今や40万円超。
コロナ禍の巣ごもり需要でペット業界はほくほくなのかと思いきや、多くの業者が戦々恐々としている。
規制強化の動きがあり、猛反発しているのだ。
一方で、大枚はたいて迎えたペットを捨てる人が相次いでいる。ペット商戦異状あり。
割を食うのが物言わぬ犬、猫でいいのか。
(大平樹、榊原崇仁)


ペットショップの店員に抱かれる犬と猫

◆コロナ禍 需要が増加
コロナ禍で思うように外出できない日々も、新たな家族がいれば豊かなものになるかもしれない−。
そう思い、神奈川県内のペットショップを回った。
ケージの中ですやすやと昼寝をしたり、じゃれ合ったりする子犬たち。
かわいらしさににやけながら、値札に視線を移し、思わず固まった。
生後3カ月のチワワに約40万円の値が付いていた。
人気のトイプードルは80万円を超えた。
では、猫はというと、こちらも高い。
垂れた耳が愛らしいスコティッシュフォールドが約50万円、人懐こいとされるアメリカンショートヘアは約40万円だった。
さらに、ワクチン接種、保険、ケージなどなどといろいろ金がかかる。
とても手が出ない。
20年ほど前は、高くて20万円に届くかどうかだったような記憶がある。
首をかしげていると、男性店員が「20万円で犬や猫を買える時代はかなり前に終わりました。ペット人気が長年続く間、値段も上がり続けています」と苦笑交じりに教えてくれた。
ペットオークション業者でつくる一般社団法人ペットパーク流通協会の上原勝三会長によると、子犬と子猫の取引価格はこの20年間、おおむね上がり続けている。
3万円ほどだったのが今は約10倍の30万円になっている。
最大の要因は取引数の減少だ。
国の基準変更で一定数以上の繁殖に届け出が必要になり、素人が繁殖させられなくなった。
そこに来て、このコロナ禍だ。
家で過ごす時間が増え、ペットを飼おうという人が増えた。
上原さんは「新たに飼う人だけでなく、すでに飼っている人がつがいにしたり、犬と猫の両方を飼ったり、という人も増えている」と話す。
一般社団法人ペットフード協会の推計によると、昨年10月時点で新たに飼われた犬は5万8千匹、猫は6万7千匹増え、過去5年間で最も多かった。
仕入れ段階で値段が上がっているのだから、ペットショップでの販売価格が上がるのも当然だ。
ある店では、成約したペットの写真と価格が張られていた。
幼いほど人気があり、価格も高い。
中には100万円を超える例もあった。
そんな値段でも、店頭に出したその日に買い手が付くことは珍しくないという。
ペットを飼うには、死ぬまで面倒を見る覚悟が必要なことは分かっていた。
だが、この値段となると、家計の方でも覚悟を決めなければならない。
悩んでいると、店員が気になることを言ってきた。
「この値段で買えるのも、最後かもしれません」
動物愛護法によって、さらなる値上がりが予想されているのだという。
どういうことなのか。

◆愛護法、飼育数に上限規制、業者 客離れに戦々恐々
動物愛護法は2019年に改正された。
その柱の一つが飼育数上限の新設だ。
環境省が昨年7月に示した案では、繁殖業者の場合、従業員一人当たりの犬の飼育数は15匹、猫は25匹まで。販売業者は一人当たり犬20匹、猫30匹を上限とした。
背景には悪徳業者の存在がある。
狭いケージで大量飼育して売りさばくケースがあるためだ。


福井県の販売業者が過密飼育していた犬 =2017年12月ごろ(日本動物福祉協会提供)

そこで環境省は、従業員一人が1匹を世話するのに必要な作業時間を試算した上、8時間労働の中で丁寧に飼育できる上限数を導いた。
同省動物愛護管理室の担当者は「基準に従わない業者には改善の勧告や命令などを出した上、飼育業登録を取り消すことも考えている」と語る。
だが業者から悲鳴が上がった。
規制が始まると多くの業者で扱える頭数が減る。
減らさないためには、従業員や飼育施設を増やすしかなく、利益が出にくくなるのだ。
流通する犬、猫の数が減り、コストがかさむから、売値はさらに上がる可能性が高い。
すると、飼いたくても、あきらめる人が増えるかもしれない。
業者にしてみれば、客も減りかねないということになる。
昨秋のパブリックコメント(意見公募)では「飼育スタッフの新規採用や設備投資には時間と財源が必要」「ブリーダーやペットショップのみならず、トリマーや動物病院、ペット用品の製造販売に関わる従業員や家族の生活にも影響する」と声が寄せられた。
反発を受け、環境省は昨年12月に方針を変更した。
飼育数上限の導入は当初予定の今年6月から1年先送りし、「繁殖業者は一人当たり犬25匹、猫35匹、販売業者は犬30匹、猫40匹が上限」でスタート。
1年ごとに一律5匹ずつ減らし、24年6月に当初の基準案通りに施行することにした。

◆多頭飼育崩壊、悪質業者対応は待ったなし
ただ、悪質な業者への対応は待ったなしだ。
飼育数を増やし、手が回らなくなる多頭飼育崩壊で警察沙汰になるケースが相次いでいるのだ。
今月11日には、劣悪な環境で小型犬85匹を衰弱させたなどとして、静岡県富士市の元飼育・販売業者が逮捕された。
一方で、飼い主の飼育放棄も相変わらず多い。
環境省によれば、自治体の動物愛護センターや保健所などが引き取った飼い犬や飼い猫は2019年度の1年間で計1万4千匹に上った。
コロナ禍で事態はいっそう深刻になっている。
犬の引き取りや譲渡を担う民間団体「ケンの家」(横浜市)の浅川晶枝さんは「従来は高齢の方が『面倒を見切れない』と相談を持ちかけてきた。コロナ禍では30〜40代の方でも『自身の生活が苦しく、犬を飼い続ける余裕がない』と引き取りを求めてくるようになった」と明かす。
犬猫の殺処分ゼロを目指す公益財団法人「どうぶつ基金」(兵庫県芦屋市)の佐上邦久理事長は「昨年来、家計に余裕のある人が『旅行や飲食などでお金を使う機会が減った』『浮いたお金でペットでも』と飼い始めているように思う。安易な考えが根本にあると、安易に飼育放棄へ走りかねない」と語る。
より心配なのはコロナ禍の後のこと。
「『仕事が忙しくなった』『家でペットと過ごす時間がほとんどない』と飼育を投げ出す人が続出しないだろうか」と気をもむ。
浅川さんは「ペットの命も人間の命と同じように大切。飼い始めようと思っている人は、自分で世話できるのかをよく考えるべきだし、売る側も買う人に問いかける必要がある」と呼び掛ける。

【解説】なぜ?新型コロナ禍で高騰する「子犬の販売価格」 その課題と懸念 岡山 - YouTube