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『負債1億 、未払い1千万』経営悪化の“猫保護NPO法人”

2023-02-24 06:06:42 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

『負債1億 、未払い1千万』経営悪化の“猫保護NPO法人”
 その背景と500匹の保護猫の行方は―

2023年2月5日(日)

猫の保護活動に取り組むNPO法人の運営が悪化し、およそ500匹の保護猫の今後が危ぶまれています。
元スタッフは今の代表では立て直しは難しいとして代表の解任を求めましたが実現せず、今後も同じ代表の下で再建が進められることとなりました。
こうした事態に陥ったのか原因と保護猫の今後を取材しました。

屋に並べられた狭いゲージの中に押し込められた猫たち。
今、この猫たちの今後が危ぶまれています。
20年以上前から捨て猫などの保護活動を続けてきたNPO法人『動物たちを守る会ケルビム』。
県内で動物病院や猫カフェを運営してきましたが経営が悪化し、スタッフの給料の未払いが続くなど、今月までに18人の従業員が退職、病院は閉鎖され猫カフェも休業を余儀なくされています。
NPO法人ケルビム 中村史佐代表「(従業員の)みなさんにご迷惑をおかけして本当に申し訳ないと思います。私が身銭を切るという、本当にそういう事で償っていかないと申し訳ないと思っている」
こうした状況の中、元従業員らは会見を開き危機的な状況を訴えました。
元従業員「やっと何度かお願いして支払われたのが5000円とか、ガソリン代がないからってガソリン代とかって」
元従業員「明日から食べるものがないのでお願いしますとラインで催促して、何回もお恥ずかしい言葉を言ったにもかかわらず、給料の未払いがありました」
元従業員らによると給料の未払いはおよそ10年前から慢性的に発生していて、合わせて1000万円に上るほか、負債も1億円以上抱えているということです。
NPO法人にゃいるどはーと 東江ルミ子代表 「人手がない状況だったので、本当は200匹ぐらいだったらよかった。猫を里子に出したら保護していかないと、受け入れるだけだと増えていく一方だから」
元スタッフらと共に会見を開いた関東のNPO法人『にゃいるどはーと』の東江ルミ子代表は、運営悪化の一番の要因について限界を超えた数の猫を受け入れてきたことだと指摘します。
NPO法人ケルビム 照屋直二監事「(代表が)彼女のままでは人は減っていく。これでは経営改善、借り入れ金の返済どころではない。このままでは人も猫もつぶれる」

■代表・役員の解任求める臨時総会 その結果はー
このままでは運営が改善される見込みはないとして、元スタッフらは適切な労働環境で保護活動続けていくため、臨時総会を開き、中村代表らの解任を求めましたが… 中村代表を含む理事3人の解任を求める議案は賛成12、反対23の反対多数で否決されました。
一方で、昨年末時点で21人だった役員と会員の数が、総会直前に37人まで増えており、今回の採決の有効性を疑問視する声も出ています。
中村代表「やっぱり今、助けを求めている犬猫がいるので、そういった子達を助けるために続けていきたいと思う」
およそ500匹の猫は現在、元従業員らがボランティアとして世話を続けていて、中村代表は未払いの給与を返済しながら事業の継続を模索していく考えです。

■なぜここまで経営が悪化したのか…その原因は
そもそも中村代表はなぜ、限界を超えた数の猫を受け入れざるを得なかったのか、そこにあるのは沖縄県内における猫の殺処分の現状です。
1999年をピークに県内で殺処分される猫の数は減少傾向にありますが、それでもまだ、おととしは223匹の猫が殺処分されています。
中村代表はこの殺処分される猫を少しでも減らそうと猫を受け入れてきたものの、保護した猫の譲渡を積極的に進めてこなかったために、受け入れの限界を超えて、運営の悪化に陥りました。
また野良猫の保護だけではなく、野生化した『ノネコ』の保護も関係しているという事が分かりました。
『ノネコ』とは人間から餌を与えてもらわずに、自ら狩猟などを行う野生化した猫を指し、北部ヤンバルや奄美大島の世界自然遺産などの希少動物を襲う事が問題視されています。
『ノネコ』とは野良猫とは異なり、野良猫は動物愛護法が適用され、駆除した場合、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられます。
一方で『ノネコ』の場合は鳥獣保護法の有害鳥獣駆除という名目で、自治体が捕獲するが可能となり、環境省は『ノネコ』の繁殖が広がる奄美大島において10年間で3000匹の駆除計画を計画しています。
「動物たちを守る会ケルビム」によりますと、2001年ごろから県が希少動物を守るためノネコの捕獲と殺処分を行っていることに反対し、ノネコの受け入れを開始しました。
加えて2018年ごろからは奄美大島からもノネコの受け入れを開始し、元スタッフによるとこの頃から、猫の受け入れは限界に達していたということです。
こうした「殺処分から救いたい」という思いから生じる受け入れ能力を超えた過剰な保護と、譲渡とのバランスが崩れたことがケルビムの運営悪化の大きな要因と考えられます。
一方で、ノネコや保護猫がうまれてしまう背景には飼育できずに捨ててしまう飼い主の無責任な行いがあります。
動物を飼う際は最後まで責任をもって飼うことが求められます。

【写真を見る】『負債1億 、未払い1千万』経営悪化の“猫保護NPO法人” その背景と500匹の保護猫の行方はー

琉球放送


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