和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

生きた教材だった、アメリカ大統領選。

2017-01-22 | 道しるべ
いったい、あらまほしき先達は、
徒然草の、どの箇所を取り上げているのか?
「徒然草を取り上げる先達たち」
というような視点で、
徒然草を読む、先達を列挙してみるのも楽しみ。



ところで、産経新聞1月22日の3面に
曽野綾子氏の「小さな親切、大きなお世話」が
掲載されていた。

興味深いのではじまりを引用。

「この原稿を書いているのは、
アメリカ大統領就任式まで40時間を切った
段階である。一日本人としての私には、
アメリカと民主主義の現実を学ぶおもしろい機会だし、
作家としては、ハリウッドも真っ青だろうと思われる
個性と社会との闘いの展開に目を奪われている。

民主主義の歴史の長いアメリカにしてもこの程度なのだから、
主義というものは、『ほとんど決して』人間の血肉とは
ならないのだろう、という気がする。・・・」


ちょっと長いけれど、最後も引用しましょ。

「トランプ氏は、記者会見の席で、特定のテレビの記者に
質問を許さなかった。正しい報道をしなかった社の記者だという。
それは報道の自由に反するとして、マスコミは怒っている。
トランプ氏側は、相手のメディアが、どの点で真実を伝えなかったか
客観的に証明する必要はあるが、記者を選ぶ自由はあると
私も考えている。
私もかつて書いた証拠もないことで弾劾され、
なったこともない肩書を報道されたことがあったが、
発端は朝日新聞であり、確認もせずに記事を流したのは
ロイターであり、広めたのはツイッター族だった。・・・
正しいことを書かないとわかったマスコミは今後
それとなく避ける。
それが言論の自由を守る表現者の義務と思える。
大統領の立場はそれを許されない、という人もいるが、
私は選択の余裕と義務は残されていると考えている。

自分は人道主義であることを簡単に示せるということで、
恐らく今年は、ポリティカル・コレクトネス(PC)を基本にした、
『表現で差別をしない態度』をますます広範に安直に利用するだろう。
PCを相手を脅かす力にし、その結果は自由な思考や表現を縛る
風潮につながるだろう。

しかしPCの染まり方の濃淡次第で、相手の性格を推測する
こともできる便利な点も発生した。
もちろん、人を理解するということは、
そんな表面的なことだけではない。
作家という仕事も、生涯をかけてその眼力を磨く力を求めてきたのだが、
アメリカ大統領選はすべて生きた教材だった。」

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中学の国語の伊東静雄先生。 | トップ | 通読しなくてもよいから。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

道しるべ」カテゴリの最新記事