goo blog サービス終了のお知らせ 

和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

『感謝』のスタートライン。

2025-04-19 | 道しるべ
曽野綾子著「心に迫るパウロの言葉」(海竜社)に、
ところどころ『感謝』がでてくるのですが、曽野綾子さんの
青年と老年との、『感謝』の境界線の引き方が興味深かった。

まずは、こんな箇所はどうでしょう。

「・・感謝は現実問題として、若い世代では
   あまり身につかないものなのである。

   若い時には、自分に与えられた好意や幸運を、
   なかなか正当に評価することができない。・・・ 」(p209)

ここに、若い時とある。
つぎに、老人という箇所がある。

「・・残っている仕事は重要なことが一つだけだ。
   それは、内的な自己の完成だけである。
   この大きな任務が残っているということについて、
   全く自覚していない老人が世間には多すぎる。・・・

   老年は、若い時には忙しさに取り紛れてできなかった
   自分の完成のために、まさに神から贈られた時間を
   手にしているのである。・・            」(p214)


若い時に、ちっとも見えなかった『感謝』のスタートライン。
この年になってもまだ自覚できず、若いつもりでいる私にも、
何だか、境界線のスタートラインが前に見えはじめたような。

ということで、最後にこの箇所を引用。

「  パウロは三番目の幸福の鍵として感謝を挙げる。
   これはまさに最後の決定的な幸福の鍵である。

 ・・感謝はことに老年のもっとも大きな事業である。
   もし人間が何か一つ老年に選ぶとしたら、それは
   『 感謝する能力 』であろう。

   もっとも、この点についても、
   私たちは他人に厳しくあたってはいけない。
   たとえば、私はいま比類なく健康だから、
   私はいつも感謝する喜びを感じていられる。
   言葉を換えて言えば、健康を計るバロメーターの一つは、
   感謝ができることであり、人の行為を善意に解釈できることである。
   しかし少しでも不健康になると、
   とたんに私は自分中心になって、
   もう人に感謝する余裕などなくなってしまう。
    ・・・・・                」 (p244)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする