和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

「新潮45」の休刊。

2018-10-10 | 産経新聞
産経新聞の水曜日は曽野綾子さんの連載がある。
この頃読んでいなかったのですが、
今日(10月10日)の連載は
『「新潮45」の休刊』と上に題してある。
大きな見出しは「失われた出版人の『勇気』」。

うん。読めてよかった。
ここには、今日の文のはじまりとおわりを引用。

「『新潮45』という新潮社から出ている月刊雑誌が休刊に
なったことについて、世間はいろいろと理由をご存じのようだが、
私はその雑誌に連載中の筆者の一人であったにもかかわらず、
よくわからない。

そもそも雑誌とは雑なる意見が載せられる場である、
と私は思っている。とすれば一人の読者が
『読むに値しない』と思う記事や、難しくて読んでいたら
眠くなる論文もあるかもしれない。それにもかかわらず、
一本でも自分の心にしみる記事があれば、
少なくとも私は得をしたような気分になり、
その記事を切り取って保存したりしている。」


今日の連載の終わりのコトバはというと、

「戦争が終わって、70年余り。
昔は毎日のように口にされ、今は全く年に一度も
人々の口の端にのぼらなくなった言葉に『勇気』がある。
私個人は実際勇気とは無縁に暮らしている。・・・
しかし惰弱な文学でさえ、人間としての筋道と、
ささやかな自己の信念に似たものを守る勇気は要るのだ。
雑誌の中の一本の論文だけを理由に
雑誌をつぶすという人々は暴徒だから、
出版人はそれに耐えるくらいの勇気は要るのだ。」


はい。読めてよかった。
よかったので引用しました。


そうそう。文の真ん中に、こうありました。

「PC(ポリティカル・コレクトネス)に合致しない
からといえば、現代では、その要素のある作品を載せた
雑誌さえつぶせるようになった。」

PCについては丁寧にカッコして

(政治的、社会的に公正、中立的でなおかつ
 差別・偏見が含まれていない言葉や用語)

と本文中に記載されておりました。

コメント
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