和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

小学五年の国語教科書。

2018-09-22 | 産経新聞
今日の産経新聞(9月22日)。
その産経抄を読んでいたら、
思い出した文があります(笑)。

ということで、急がば回れ。
その思い出した文から引用。

木下是雄著「日本語の思考法」(中公文庫)に
「言語技術教育との出会い」(p20~)という箇所。
何でも、アメリカに二年間いた同僚が帰国して、
お子さんたちがヒューストンの小学校で使っていた
国語の教科書を見せてくれた。という場面からはじまります。

「五年生用のを手にした私は、たまたま開いたページに

 ジョージ・ワシントンは米国の最も偉大な大統領であった。
 ジョージ・ワシントンは米国の初代の大統領であった。

という二つの文がならび、その下に
 
 どちらの文が事実の記述か。
 もう一つの文に述べてあるのはどんな意見か。
 事実と意見とはどう違うか。

と尋ねてあるのを見て衝撃を受けた。
そこは『事実と意見』という単元のページで、
そのページのわきには、

 事実は証拠をあげて裏づけすることのできるものである。
 意見というのは何事かについてある人が下す判断である。
 ほかの人はその判断に同意するかもしれないし、
 同意しないかもしれない。

という二つの注が、それぞれ枠囲みに入れて印刷してあった。
『私が衝撃を受けた』のは、一つには、
日本人の論文では事実と意見の混同が跡を絶たないのに、
他の国ではまずその例を見ないという差は、おそらく
こどもの時からの教育がちがうせい―――と悟ったためである。

もう一つの衝撃は、上記の注が
『ほかの人はその判断に同意するかもしれないし、
 同意しないかもしれない』と言い切っていることによる。
これは、こどもに向かって
『ワシントンがえらい大統領だったかどうかは
 お前が判断することだよ』
と宣言しているにほかならないではないか!・・・」



さてっと、ここで、今日の産経抄の登場です。
小学五年生の国語の教科書の日本の応用問題、
として見ると理解がはかどります(笑)。
以下にプツプツと拾って引用。

「安倍晋三首相が石破茂元幹事長に勝利した
自民党総裁選」をとりあげたコラムです。

「553票対254票と、安倍首相に
約300票差をつけられた石破氏について」

「マスコミ報道では『善戦』という表現が強調されていた」


「確かによく戦ったとはいえようが、
『国会議員票、党員票とも善戦』(21日付毎日新聞朝刊)
とまで書くのはどうか。国会議員票の8割強が安倍首相に
回ったのに無理があろう。
かと思うと、読売新聞は『安倍首相の圧勝で終わった』と
記し、石破氏に関しては『健闘』の表記で統一していた。」

コラムの最後はというと、

「21日付朝日新聞朝刊は
1面で『「圧勝」できず政権運営に影』、
2面で『首相 崩れた「圧勝」』と見出しを付けていた。
だが、安倍首相は全体で7割弱の票を確保したのだから、
読売のように圧勝だと認める方が率直な見方だろう。」


う~ん。
どうしても、小学五年生の国語の授業が
頭の中に浮かんできます。
それでは、小学五年生に聞きます。この産経抄で、
示された各新聞の「事実と意見とはどう違うか?」

示された毎日・読売・朝日の3新聞のうち、あなたが
「同意しないかもしれない」新聞はどれとどれか?

ちなみに、
木下是雄氏の引用した文「言語技術教育に取り組む」は、
1995年12月に発表されたと、最後にありました。





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