和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

裸像彫刻vs民間習俗。

2016-06-20 | 短文紹介
宮本常一著「絵巻物に見る日本庶民生活誌」に
こんな箇所。

「子供を裸のままで育てる風習は
昭和二十年以前に僻地いたるところで見かけたもので、
それは古くからの習俗であった。
『石山寺縁起』第二にも民家の入口で
裸の子供が遊んでいるさまが描かれ、
『信貴山縁起(しぎさんえんぎ)』山崎長者巻には
裸の子が背負われている。
裸の幼児を素肌に背負って着物を着る風習も
古くからのものであった。
日本の民衆は古くは裸を好んだ。
そして、それは明治三十年ごろまで続いた。
そのころまでの外国人の日本に関する見聞記を読むと、
多くそのことに触れている。
・・・・
日本では、裸体画や裸像の彫刻は
ほとんど発達しなかったけれど、
民間における裸体習俗は普及していたとみられる。」
(p38~39)

うん。
宮本常一著「イザベラ・バードの旅」(講談社学術文庫)
にも、興味深い指摘があるのでした。


そういえば、
夏目漱石の「坊っちゃん」の第二章は「やばんなところだ。」
とあったのでした。

「ぷうといって汽船がとまると、
はしけが岸をはなれて、こぎ寄せてきた。
船頭はまっぱだかに赤ふんどしをしめている。
やばんなところだ。
もっともこのあつさでは着物は着られまい。・・」

青木繁の「海の幸」の裸体画は、
そういえば、真っ裸。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする