物欲も金銭欲もないが、思い出は大切にしたいと思う。その形としてあるのが
海外で買い求めた小さなお土産だ、行き初めた頃は大きなものばかり買っていて
それは置き場所に困ると気づいた。着るものは別として、それ以来小さなガラスの
ケースに収まるものだけにした。それらはほとんどがカウンセリングルームの窓辺
に飾ってある。時々取り出しては、その楽しかった思い出に浸る、私のささやかな
幸せの一つだ。不思議なことにそれらを手にすると、どこで買ったとか、その国で
の思い出が浮かび上がって蘇ってくる。
仕事がらみや観光も含め、インドは別格として、アジアも何か国も行ったが
ヨーロッパの方がずっと多い。10数年前だと思うが、チェコで「まるで宝石
のよう!」と感じたガラスの花の置物を見た。大きいし、高価だしと逡巡したが
どうしても欲しくなり買ってしまった。ところが2年ほど前から、その花びらが
落ち始めたので、修理をして貰ったが、一度落ちたガラスは接着しにくいらしい。
余程捨てようと思ったが家にあったキレイなガラスの灰皿に入れて、また窓辺
に置いた。何でも捨てるのが好きな私だが、楽しい思い出は捨てきれないの
だと気づいた。