●色彩俳句405・極彩色・瀬戸内寂聴1・2018-11-14(水)
○「釈迦の腑の極彩色に時雨けり」(『ひとり』2017)(瀬戸内寂聴1)
○季語(時雨・初冬)(「俳句四季201709」より引用)【→色彩俳句-索引1・索引2・索引3・索引4 →俳人一覧(あ・い・うえ・お・かき・くけこ・さ・しすせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や~)】
【鑑賞】:京都嵐山にある→清凉寺の釈迦如来像。体内には五色のシルク製五臓六腑が内臓されているというのです。初冬の雨の煙る日に拝観しています。
●瀬戸内寂聴(セトウチジャクチョウ)(1922~2021)
○好きな一句「火葬炉の鉄扉の奥に虎落笛」(『ひとり』2017)2
○季語(虎落笛・三冬)(引用同上)
【Profile】:徳島県徳島市出身。京都府在住。日本の小説家、天台宗の尼僧。旧名は、瀬戸内晴美 。僧位は大僧正。1997年文化功労者、2006年文化勲章。『ひとり』により第6回→星野立子賞受賞。
↓
■「時雨(初冬)」28句
01「うつくしきあぎととあへり能登時雨」(飴山實)『少長集(1971)』(五体俳句16あぎと)
02「時雨そめ黒木になるは何々ぞ」(椎本才麿)(色彩俳句23黒2)
03「農学校ノ下ノ畑モ時雨ルルカ」(透次 )(「朝日俳壇」飴山實19950115)『眼光(2011)』(三色絵俳句24)
04「酒買ひに韋駄天走り時雨沙弥」(川端茅舎)「ホトトギス」(技法俳句27仏教用語1)
05「天地の間にほろと時雨かな」(高浜虚子)『六百句(1947)』(技法俳句29オノマトペ4)
06「食堂に雀鳴くなり夕時雨」(各務支考)『続猿箕(1698)』(五感俳句66聴覚17)
07「くろぐろと空濡れてゐる時雨かな」(透次)『潟風(2012)』(三色絵俳句69)
08「封切つて兵のにほひを知る時雨」(福島小蕾)『狭田長田(1942)』(五感俳句70嗅覚12)
09「立臼のぐるりはくらし夕時雨」(三浦樗良)『樗良発句集(1784)』(次元俳句114周囲3)
10「時雨るるや黒木つむ屋の窓あかり」(野沢凡兆)(色彩俳句114黒 7)
11「北山時雨きて鳥獣の国濡らす」(鈴木榮子)『鳥獣戯画(1978)』(好きな一句)
12「耳たぶのあかき尼なり時雨傘」(小野蕪子)(好きな一句)
13「物の名の皆古びたる時雨かな」(五百木瓢亭)(特集俳句147気象俳句1「雨」6)
14「一時雨またくづをるゝ日影哉」(内藤露沾)『続猿蓑(1698)』(次元俳句149影3)
15「時雨きや並びかねたる魦ぶね」(三上千那)『猿蓑(1691)』(好きな一句)
16「なつかしや奈良の隣の一時雨」(河合曾良)『猿蓑(1691)』(特集俳句150気象俳句1雨9)
17「何処やらに花の香すなり小夜時雨」(松岡青蘿 )(好きな一句)
18「もらぬほど今日は時雨よ草の庵」(高岡斜嶺)『炭俵(1694)』(好きな一句)
19「京といふ色の時雨に合ひにけり」(稲畑廣太郎)(色彩俳句159●色7)
20「ふる中へ降こむおとや小夜時雨」(吉川五明)(方法俳句159同質回帰15)
21「山二つかたみに時雨れ光悦寺」(田中王城)(特集俳句200寺社俳句1ー9)
22「時雨傘さしてたたずむ象の前」(柿沼茂)(好きな一句)
23「門を出てとりに戻りし時雨傘」(安原葉)(好きな一句)
24「初時雨影美しき観世音」(古賀しぐれ)(好きな一句)
25「一叢の雲のこぼせる峡時雨」(伊東肇)(好きな一句)
26「時雨るるや腹話術師のひとりごと」(山根真矢)(特集俳句309一人俳句1ー8)
27「塗椀の照りほのかなる時雨かな」(鹿野佳子)『初冬(2008)』(色彩俳句359照り1)
28「釈迦の腑の極彩色に時雨けり」(瀬戸内寂聴)↑
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます