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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

■方法俳句682「熊楠の翻字も仕事始かな」(中瀬喜陽)

2025-01-06 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句682・人名題材1・中瀬喜陽01・2025-01-06(月)
○「熊楠の翻字も仕事始かな」(中瀬喜陽01)
○季語(仕事始・新年)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)※「熊楠」:南方熊楠(みなかたくまぐす)(1867~1941)。粘菌の研究で知られる生物学者。※「翻字(ほんじ)」:特定の言語を記した文字表記を別の文字による表記に移すこと。【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえせそにぬねのはひめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:作者は南方熊楠研究家。難解な原書や書簡などを現代語に訳しているのだろうか。これもまた仕事始の一つである。


中瀬喜陽(なかせきよう)(1933-2018)
○好きな一句「卯の花を髮にかざして那智詣」02
○季語(卯の花・初夏)(「→俳句歳時記植物(夏)(保育社)」より引用)

【Profile】:和歌山県西牟婁郡上富田町出身。和歌山県田辺市にて「貝寄風」主宰を継承(2018年8月号で終刊)。郷土史家、南方熊楠研究家。2013年和歌山県文化功労賞、南方熊楠文化賞特別賞受賞。

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■方法俳句681「筆立に筆の直立年新た」(密田真里子)

2025-01-02 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句681・同質回帰35同質59・密田真里子01・2025-01-02(木)
○「筆立に筆の直立年新た」(密田真里子01)
○季語(年新た・新年)(「『俳句年鑑』2017年版(角川書店)」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえせそにぬねのはひめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:今や筆立てには鉛筆・ボールペン・シャープペンシル等雑多なものがひしめいている。しかし本来筆立てにあるべきものは直立した筆ある。新年からすっきりとした→同質回帰であろう。


密田真里子(みつだまりこ)
○好きな一句「霧籠の町に昭和の丸ポスト」02※霧籠(きりごめ):霧がたちこめていること。
○季語(霧籠・三秋)(「→空海が行く」より引用)

【Profile】:1937年香川県出身岡山県岡山市在住。「」同人。

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■方法俳句679「拾ひたる捻子を机に冬籠」(栗山政子)

2024-12-18 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句679・遺留品9・栗山政子01・2024-12-18(水)
○「拾ひたる捻子を机に冬籠」(栗山政子01)
○季語(冬籠・三冬)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえせそにぬねのはひめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:拾ったのは路上ということも考えられるが、これは部屋の箪笥の下あたりであろう。はて、拾ったのはいいが何の捻子(ねじ)であるか思い出せない。いずれ何かに必要な捻子なのだろう。とりあえずは机に入れておく。「冬籠」とはそんな季語であることを掲句は納得させる。


栗山政子(くりやままさこ)
○好きな一句「列島の片側は雪セロリ嚙む」02
○季語(セロリ・三冬)(「→俳句同人誌・ふう」より引用)

【Profile】:1942年東京都出身府中市在住。1982年「青山」入会、→山崎ひさをに師事。第17回(2002年度)俳壇賞受賞。2003年「」(→水田光雄主宰)創刊参加。2016年「田」退会、俳句同人誌「ふう」創刊代表。

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■方法俳句678「冬晴れの掟のごとく港あり」(『帰路』1972)(廣瀬直人)

2024-12-11 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句678・直喩150ごとく16・廣瀬直人05・2024-12-11(水)
○「冬晴れの掟のごとく港あり」(『帰路』1972)(→廣瀬直人05)
○季語(冬晴れ・仲冬)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけせそにぬねのめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:今までの直喩の「如しGroup」の数を調べてみた。「ごと」(10句)・「如き」(1句)・「ごとき」(5句)・「ごとく」(16句)・「如くに」(2句)・「ごとくに」(2句)・「ごとし」(7句)・「如く」(5句)・「如し」(1句)の合計49句。掲句は「ごとく」(16句)中の1句。この冬晴の港はどのような掟(おきて)を秘めているのか。

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■方法俳句677「現れし我を点じて山眠る」(『石魂』1953)(松本たかし)

2024-12-05 04:56:00 | 方法俳句

○方法俳句677・幽体離脱15・松本たかし05・2024-12-05(木)
○「現れし我を点じて山眠る」(『石魂』1953)(→松本たかし05)
○季語(山眠る・三冬)【→方法俳句-索引1索引2索引3索引4索引5【→俳人一覧(いいいたうえくけせそにぬねのめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:眠る山を散策している自らを冬空から見ている。幽体離脱は天井ほどの距離が多い気がするが。スケールの大きい掲句は視点の打ち上げとも言えそうだ。

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