○方法俳句687・音の物質化19・秋光泉児01・2025-02-13(木)
○「沖へ出て霞むほかなき島の鐘」(秋光泉児01)
○季語(霞・三春)(「→ちわきの俳句の部屋」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:海上の霞へ拡がる島の鐘の音。霞の成分に染まる音。霞へ突っ込む音はもはや物質といってもいいのではないか。
○秋光泉児(あきみつせんじ)(1909-1992)
○好きな一句「廃船の深座りして十二月」02
○季語(十二月・仲冬)(「俳句小歳時記(水原秋櫻子編)」より引用)
【Profile】:広島県豊田郡出身。故郷・大崎上島豊町にて医院を開業。→水原秋櫻子に師事。1951年「早苗」創刊主宰。たびたび秋櫻子を島に迎えた。
○方法俳句686・直喩149てふ1・桐野晃01・2025-02-05(水)
○「柩てふ水平の窓春北斗」(桐野晃01)
○季語(春北斗・三春)(「角川俳句(201906)」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:家屋の窓は全て垂直である。柩の窓は水平である。そして同じく水平の天窓から春の北斗が見えている。
○桐野晃(きりのあきら)
○好きな一句「黒板に五日後のこと青嵐」02
○季語(青嵐・三夏)(引用同上)
【Profile】:1980年生まれ。2010年作句開始。同年「門」入会。2015年同人。
○方法俳句685・オノマトペ96わいわい1・宮崎すみ01・2025-01-29(水)
○「おもちや屋のネオンわいわい雪降り来」(『宮崎すみ集』2016)(宮崎すみ01)
○季語(雪・晩冬)(「→俳人協会・俳句文学館>今日の一句」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:ネオンにはジリジリと音がある。作者にはおもちゃ屋のネオンが「わいわい」という音に聴こえた。雪の降りしきる中で。
○宮崎すみ(みやざきすみ)
○好きな一句「神々の交信獅子座流星群」(『宮崎すみ集』2016)02
○季語(獅子座流星群・初冬)(「→俳人協会・俳句文学館>今日の一句」より引用)
【Profile】:1927年宮崎県出身福岡市在住。「対岸」(→今瀬剛一主宰)同人。
○方法俳句684・思考感情の物質化12・柴田奈美01・2025-01-23(木)
○「思ひ出を仕立て直さむ毛糸玉」(柴田奈美01)
○季語(毛糸玉・三冬)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:毛糸のセーターをほぐして編み直す。あの時の思い出を仕立て直す。今回から「→思考の物質化」から「思考・感情の物質化」に名称変更。
○柴田奈美(しばたなみ)
○好きな一句「蜩や静かにその人を赦す」(『黒き帆』2007)02
○季語(蜩・初秋)(「→ふらんす堂」より引用)
【Profile】:1958年岡山県出身岡山市在住。「銀化」同人。
○方法俳句683・憑依6・金杉ふみ子01・2025-01-16(木)
○「水鳥の大き身震ひもらひけり」(金杉ふみ子01)
○季語(水鳥・三冬)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)【→方法俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:大きな身震いの水鳥が作者に憑依した。過去の「憑依」5句のなかで動物への憑依は「→まくなぎ」1句である。
○金杉ふみ子(かなすぎふみこ)
○好きな一句「夜の新樹大き月置き雨上る」2
○季語(新樹・初夏)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)
【Profile】:1931年千葉県出身千葉市在住。1980年杉本北柿主宰「原人」入会。1990年「原人」同人。1991年「木語」千葉さわらび会入会。1992年→山田みづえ主宰「木語」入会。1993年「木語」同人。2004年「木語」終刊。