○五体俳句701・口10・研生英午01・2025-05-19(月)
○「口笛の湿度でともる繁華街」(『水の痕』1990)(研生英午01)
○季語(無季)(「→俳句空間-豈weekly」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:これこそ五感の湿感の句であろう。そして五感の聴覚でもあろう。しかし五体の口である。あの繁華街の眩いネオンライトは口笛の湿度が燃やしているのだ。
○研生英午(みがきえいご)
○好きな一句「水盤深し影さかしまに水の痕」(『水の痕』1990)02
○季語(水盤・三夏)(引用同上)
【Profile】:1950年生まれ。俳人・評論家。詩・歌・句・美の共同誌「鹿首」編集人。18歳の頃から句作開始。朝生火路獅主宰の同人誌「オブジェ」に高校卒業後一年間所属したのが句作のきっかけ。朝日れすか俳句欄選者。
○五体俳句700・耳25片耳・トオイダイスケ01・2025-05-12(月)
○「片耳づつ分けてイヤフォン木下闇」(トオイダイスケ01)
○季語(木下闇・三夏)(「→トオイダイスケofficial web site」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:木下闇(こしたやみ)のベンチのカップル。ステレオイヤホンであるならば、音楽はそれぞれ右と左しか聴こえないのであろうがそれはそれ。仲睦ましい若い男女の情景である。
○トオイダイスケ
○好きな一句「特急にゆつくり抜かれゆく涼夜」02
○季語(涼夜・三夏)(引用同上)
【Profile】:1982年生まれ。「澤」会員、「傍点」同人。2015年澤新人賞。2016年北斗賞次点。
○五体俳句699・脛3・中西其十01・2025-05-10(土)
○「白脛をべとりと舐めし牡丹かな」(『其十句集』)(中西其十01)
○季語(牡丹・初夏)(「→wikiwand」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:オノマトペが生きている句。「白脛(しらはぎ)」とは女性の向こう脛(むこうずね)のことであろうか。牡丹の色との鮮やかな対比である。
○中西其十(なかにしきじゅう)(1899-1922)
○好きな一句「女装して骨こまやかや青嵐」(『其十句集』)02
○季語(青嵐・三夏)(引用同上)
【Profile】:京都府(現・船井郡京丹波町)生れ。八田京大三高俳句会設立会員、1920年「ホトトギス」「雑詠」に「女装」の句初入選。同年「京鹿子」創刊同人。1922年結核にて永眠。
○五体俳句697・爪10・田中哲也01・2025-04-24(木)
○「鬼房想へば爪の先から花吹雪」(『水馬』2012)(田中哲也01)
○季語(花吹雪・晩春)(「『俳人年鑑』2004年版(北溟社)」より引用)【→五体俳句-索引1・索引2・索引3・索引4・索引5】【→俳人一覧(あ・いい・いた・うえ・お・か・き・くけこ・さ・し・すせそ・た・ちつてと・な・にぬねの・はひ・ふへほ・ま・みむめも・や・ゆ~)】【→俳句結社索引】
【鑑賞】:「小熊座」を創刊した岩手釜石出身の俳人・→佐藤鬼房を想う。爪の先から桜吹雪が噴き出す。鬼房の桜の一句「安けくて塩竈桜汗ばむよ」(佐藤鬼房08)。
○田中哲也(たなかてつや)(1947-2009)
○好きな一句「卵生の悲しみの列鳥帰る」(『水馬』2012)02
○季語(鳥帰る・仲春)(「→ウラハイ=裏「週刊俳句」→相子智恵」より引用)
【Profile】:新潟県十日町市出身。千葉県柏市に居住した。1987年小熊座会員。1992年「小熊座」(→高野ムツオ主宰)同人。