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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
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俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

●方法俳句008・幽体離脱01・能村登四郎

2010-09-15 17:46:09 | 方法俳句

○方法俳句008・幽体離脱01・能村登四郎

○「も一人の我を踊りの中に見つ」(『芒種』1999)(能村登四郎01)

○季語(踊り・初秋)


【鑑賞】:「幽体離脱」はなにも死の直前に限ったことではありません。例えば気持ちが付いていっていないのに身体だけが先に動いてしまったり、その気になっていても身体が動かなかったりするのも軽い幽体離脱といえます。いわば身体と心のずれです。掲句はもう一人の自分が踊りの輪のなかにいた、というのですからかなりヘビーな幽体離脱です。本来の自分とまるで踊りの雰囲気が違っていたら面白いですね。



能村登四郎(のむらとしろう)(『枯野の沖』1970)(1911~2001)

○好きな一句「春ひとり槍投げて槍に歩み寄る」02

○季語(春・三春)

【Profile】:1939年「馬酔木」に参加、水原秋桜子に師事。1948年、「馬酔木」新人賞受賞。1954年処女句集『咀嚼音』を出版。1956年現代俳句協会賞受賞。1961年現代俳句協会を脱会、俳人協会に参加。1970年『沖』創刊主宰。1985年第8句集『天上華』で第9回蛇笏賞、1993年第11句集『長嘯』で第8回詩歌文学館賞受賞。俳壇の主だった賞を総なめにした。2001年1月まで読売俳壇選者。

能村登四郎掲載句

03削るほど紅さす板や十二月(『天上華』1984)(十二月・仲冬)〈色彩・紅〉 2010/12/15           

04火を焚くや枯野の沖を誰か過ぐ(『枯野の沖』1970)(枯野・三冬)〈方法・不明〉2011/12/15

05男鹿に冬ふかむ廃船壊ちつつ(『合掌部落』1977)(冬・三冬)〈特集・地名2(男鹿)〉2013/12/27

06地の冷えをあつめ一樹の桜濃し(桜・晩春)〈特集・数詞の一〉2014/3/28

07春疾風掌中の珠奪ひ去る(春疾風・三春)〈例句〉2015/8/19

08暁紅に露の藁屋根合掌す(『定本合掌部落』1977)(露・三秋)〈次元660・暁(時間)〉2024/8/8

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