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お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

俳句の箱庭

「箱庭へ風の粒子の粗く吹く」(透次) ◯浮かんだときが作るとき。作ることに無理はしないように。 ◯各俳人の情報は書籍・ネット他で一般に公開されたものから得ています。各俳人の情報は最新でない場合があります。各俳人の敬称略させていただきます。Tweet句については作者の承諾を得ていませんが、営利目的の要素はありませんのでご了承ください。 ◯「俳句の箱庭」ヽ(^ι_^)ゞノ♪透次

●次元俳句010・誕生以前(時間)01・佐藤鬼房

2010-09-25 07:51:03 | 次元俳句

○次元俳句010・誕生以前(時間)01・佐藤鬼房

○「白菊や未生以前の渚見ゆ」(佐藤鬼房01)

○季語(白菊・三秋)

【鑑賞】:作者は白菊を見ています。その白さから想起するものは、生まれる前の白い渚です。その渚には若い頃の母や父の姿が見えるのでしょうか。この句は構造的には「配合」の句といえます。「白菊」と「生まれる前の渚」とは言葉としての関係は希薄ですが、作者の心の中では濃密に結びついています。


佐藤鬼房(さとうおにふさ)(1919~2002)

○好きな一句:「切株があり愚直の斧があり」02

○季語(無季)

【Profile】:岩手県釜石出身。1935年『句と評論』に投句。17歳で長谷川天更主宰「東南風」の同人となる。18歳で宮城県塩釜から上京、日本電気臨時工として就職したが、失意帰郷。21歳で出征、南京で→鈴木六林男に出会う。27歳、捕虜生活を経て復員。戦後、→西東三鬼に学ぶ。1955年『天狼』同人。1985年『小熊座』創刊。第3回現代俳句協会賞、第5回詩歌文学館賞、第39回河北文化賞、句集「瀬頭」で第27回蛇笏賞。朝日新聞「やまがた版」の選者を務める。

佐藤鬼房掲載句

03誕生日靴の重たさだけがある(無季)〈五感27・質感6=重4〉2011/1/24

04蝙蝠傘の骨が五月の砂山に(五月・初夏)〈五体77・骨3〉2012/5/15

05眉青く芒種の空を降りきたる(芒種・仲夏)〈五体334・眉4〉2017/6/5

06ゴム長のかの風狂よ羽後とんぼ(とんぼ・三秋)〈特集446・旧国名俳句〈羽後(秋田県)〉〉2019/8/30

07ぼんやりと夏至を過せり脹脛(夏至・仲夏)〈五体484・脹脛1〉2020/6/21

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