随分と、更新を滞らせてしまった。
察しのいい方が、コメントをくださったけれど
色々あったんだ。
本当に色々…。
よくまぁ、こんなドラマみたいな…って。
ある程度、状況が落ち着いたので、また更新していこうと思う。
ぼちぼちね、吐き出していかないと…。
そんなこんなで、またよろしくお願いします。
と言いつつも…、のっけから刺激のある話なので心の不調を抱える方は
できれば、ここでスルーしてください。
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前回の記事の内容も、今思えばすでに序章だったんだろうが
先月の連休にひと騒ぎあった。
3連休の真ん中の日に、彼が家の屋根から飛んだ。
その前の週と、連休最初の2日間私と娘は用があって実家に帰っていた。
その間、彼は友人の家に遊びに行くといって、そのままお泊りしたらしい。
その彼のいう友人は、男性で一緒にゲームをして過ごしたり、飲んだり
車乗ったりして遊んでいるってことだった。
でも、なんか怪しいって思っていた。
たぶん、ずーっと怪しいって思っていた。
私が家に帰ったあと、彼が帰ってきて、写真を見せるように言った。
私は本当にその友人の家に泊まるなら、その友人家族の写真を撮って
くるように言ったから。
が、彼はごまかし、しつこく言うと、1枚の写真を見せた。
女性と、女性の娘さんと思われる写真で、顔を隠したものだった。
彼は、友人の奥さんと娘さんだというが、以前に聞いてた家族構成には
合わなかった。
そしてその写真の娘さんには見覚えがあった。
台所にしゃがみ込み、しばし考える。
このままうやむやにしたほうが、いいのか?
私は今ここで事を荒立てる気力はあるのか?
その結果に後悔はしないのか?
ぐるぐるといろんな思いが頭の中を駆け巡る。
実際、目もぐるぐる回ってめまいがした。
が、覚悟した。
こんな不条理を抱えたまま、生きていくことは私にはできないって。
台所に、彼を呼びつける。
「さっきの写真、○○の人でしょ。
お嬢さんのほうに見覚えがある。
つまり、その女の人と泊まってきたってことだよね?」
彼は、素直に認めず、俺を疑うのかとか、信じられないのかとか
完全に狼狽しているとしか思えない態度だった。
「あのさ、そうやっている態度こそが、答えなんでしょ。」
と言うと、とうとう黙ってしまった。
この間、私は低い声で、落ち着きはらい、淡々と話していた。
きっと、もっと感情的に泣き叫ぶくらいのほうが彼にはよかったのかも。
「もう、俺の言うことは何も信じないんだね」と言うと、
彼はそのまま2階へ上がって行った。
追いかける気もなく、しばらく台所でぼんやりしていると2階からミシって
音がした。
また、屋根に上ったのか…って走りもせず、ゆっくりと2階に上がった。
案の定、部屋に彼の姿はなかった。
窓が開いているので、私もそこから屋根に上がった。
彼は所在無くそこに立っていた。
いつもなら、手を引いてでも戻らせていたのが、その時はそこに
座らせて話をし始めた。
私は彼に、
「私にどうしてほしい?」と聞いた。
すると、彼は
「許してほしい。」と言った。
私はそれに答えなかった。
きっと黙った私の瞳は、怒りとか、憎悪とか、憐みとか
そんな思いを映していたんだろうと思った。
彼は目を見開くようにして、それを見ると、そのまま
私の視界から走って飛んだ。
飛んだ…と言っても、家の1階部分からだからそう高さはない。
しかも、洗濯物を干したり、収納したりするスペース(テラスっぽい)
ところに着地し、そのまま背面飛びのようにまた消えた。
ドサって音がした。
声には出さなかったが、「あ~あ」って思った。
それ以上の感情が湧かなかった。
屋根から部屋に戻り、下に行く。
娘が、
「なんか変な音したけど?」と聞いてきた。
そう、この間、娘は家にいて私たちの様子をうかがっていたに
違いない。
「パパが屋根から飛んだ。」と答え、庭に急いだ。
落ちたところに行くと、彼が庭木の根元に頭をのせ、不自然な角度に
首を曲げ横たわっていた。
意識はない。
ぺしぺしと頬を叩く。
名前を呼びながら、叩く。
反応がない。
苦しそうな角度の頭を持ち上げ、なおも叩く。
娘はその横に立ち尽くしていた。
大きく揺さぶると、彼は目を覚ました。
気が付くと、私の腕は彼の血で濡れていた。
血に濡れた私の腕や手を見ると、娘が彼を呼び始めた。
すると、彼の意識もはっきりしたのか娘を呼んだ。
私は、そっと彼を地べたにおろし、家に戻って救急車を呼んだ。
冷静に話していたと思う。
住所・氏名・状況を話す。
事故ではなく、故意で落ちたとも。
救急車が来るまで、何かしたほうがいいことがあるか聞くと
出血箇所を乾いたタオルで押さえるようにと言われ、タオルを
もって二人のもとに戻る。
彼は、娘に手を握ってもらいながら
「○○(娘)のお蔭で、幸せだったよ。
ありがとうね。」
って今生のお別れモード。
タオルで傷を押さえて、様子を見る。
娘は救急車が遅いと怒り出す。
彼の意識がはっきりしていたせいか、私には確信があった。
「そんなこと言ってても、たぶんこの傷じゃ死ねないから。」
随分、冷たい物言いだ。
だって、私怒っていたもの。
もちろん、飛ぶ前に話していた内容も怒るに値するものだと思うけど。
こうも簡単に、また自殺未遂をしたことに。
やっと生き始めたA就労のアセスメントもあと3日も残っているのに。
次の週には、義両親も合わせて旅行にいくはずなのに。
すべてをだいなしにしてしまうことに。
家に救急車を呼んで大騒ぎになっていることに。
私と娘は何も悪いことをしていないのに、こんな目にあわされることに。
そういうしているうちに、やっと救急車が到着。
事情を説明し、彼のいるところまで誘導。
あとは、ただ見ているしかないのだけれど。
実にこの時間が長いこと長いこと。
近所の人にも声をかけられちゃうくらい。
そのうち警察の方もやってくるし。
タンカに載せて、車に乗ってもまだ出発できない。
行き先が決まらないから。
よくある、救急搬送のたらいまわしってやつだ。
文句など言えないのだが、そのたびに隊員の方に申し訳なさそうに
説明され、こっちが申し訳なくなる。
やっと車が走り始めるころ、彼が娘に手を伸ばした。
「にぎって…。」って。
娘がその手を取ろうとしたその時、
「危ないから。」と言って止めた。
車内で中腰のまま、手を取ることが万一事故でもあった場合に
危ないからという名目だけれども、本当は心情的に許せなかった。
好き勝手なことして、私と娘にこれだけ迷惑かけているくせに
今更、父親ぶって娘に手を取ってほしいってその甘えが許せなかった。
もし、このまま別れることになっても、どうしても許せなかった。
長いので、また続けます。