乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

『古今集遠鏡 巻一』 12  古今集遠鏡  はしがき 六オ  本居宣長

2020-05-13 | 本居宣長 『古今集遠鏡』『玉あられ』

 『古今集遠鏡 巻一』 12  古今集遠鏡  はしがき 六オ  本居宣長  

 

『古今集遠鏡』6冊。寛政5年(1793)頃成立。同9年刊行。

 

 

はしがき六オ

雅事(ミヤビゴト)と俗事(サトゴト)と、いふやうのたがひ也、又「てにをは」も、ところをかへて訳

すべきあり、「ものうかるねに鶯ぞなく」など、「ものうかる春にぞ」と、「ぞ」も

じハ、上にあるべきことなれども、さいハひがたき所に、鶯の下におけるなれば、

其こゝろをえて、訳(ウツ)すべき也、此例多し、皆なすらふべし、ふべし、

◯「てにをは」の事、「ぞ」もじハ、訳すべき詞なし、たとへバ「花ぞ昔の香ににほひける

のごとき、殊に力(ラ)を入(レ)たるぞなるを、俗言にハ、花ガといひて、其所にちからを入れ

て、いきほひにて、雅語のぞの意に聞(カ)することなるを、しか口にいふいきほひハ、物

にハ出るべくもあらざれバ、今ハサといふ辞を添(ヘ)て、ぞにあてゝ、花ガサ昔

ノ云々と訳す、ぞもじの例、みな然り、こそハ、つかひざま大かた二つある中に、

「花こそちらめ、根さへかれねや」などやうに、むかへていふことあるハ、さとびごと

 

 

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ものうかる(春たてど  花も匂はぬ  山里は  ものうかるねに  うぐひすぞ鳴く 在原棟梁(むねやな)は、生年は不詳で898年没。在原業平の長男。885年従五位下、897年従五位上。古今和歌集にはこの歌を含めて四首採られている。

  
立春になったが、花も咲きそろわない山里では、ものうげな音色でウグイスが鳴いている、という歌。 「春-花-鶯」という春の言葉のセットを含んでいて、そこに 「山里」という場を提示することにより、三者のバランスの 「崩れ」を詠っている。

ものうがる(物憂鬱がる)

行四段活用 活用{ら/り/る/る/れ/れ}なんとなくおっくうがる。気が進まないと思う。出典源氏物語 少女「浅葱(あさぎ)の心やましければ、内裏(うち)へ参ることもせず、ものうがり給(たま)ふを」[訳] (夕霧は)六位の浅葱色が不満なので、宮中へ参上することもせず、なんとなくおっくうがりなさるが。◆「がる」は接尾語。

香(か)

殊に( 副 )

① 他と比べてっているさま。特別。 
② (打ち消しの語を伴ってを)取り立てて。たいして。あまり。
③その上。加えて。

 

 

古今集遠鏡 

 

はしがき一オ 2

   雲のゐるとほきこずゑもときかゞ

     せばこゝにみねのもみちば

此書ハ、古今集の歌どもを、こと/″\くいまの無の俗語(サトビゴト)に訳(ウツ)せ
る也、そも/\此集ハ、よゝに物よくしれりし人々の、ちうさくども
のあまた有て、のこれるふしもあらざなるに、今更さるわざハ、い
かなれバといふに、かの注釈といふすぢハ、たとへばいとはるかなる高き
山の梢どもの、ありとバかりハ、ほのかにみやれど、その木とだに、あや
めもわかむを、その山ちかき里人の、明暮のつま木のたよりにも、よ
く見しれるに、さしてかれハと ゝひたらむに、何の木くれの木、も

はしがき一ウ 3

とだちハしか/″\、梢の有るやうハ、かくなむとやうに、語り聞せたらむ
がそとし、さるハいかによくしりて、いかにちぶさに物したらむにも、人づて
の耳(ミヽ)ハ、かぎりしあれバ、ちかくて見るめのまさしきにハ、猶にるべくも
あらざめるを、世に遠めがねといふなる物のあるして、うつし見るに
はいかにとほきも、あさましきまで、たゞこゝもとにうつりきて、枝さ
しの長きみじかき、下葉の色のこきうすきまで、のこるくまなく、見
え分れて、軒近き庭のうゑ木に、こよなきけぢめもあらざるばかり
に見るにあらずや、今此遠き代の言の葉のくれなゐ深き心ばへ
を安くちかき、手染の色うつして見するも、もはらこのめがね
のたとひにかなへらむ物を、やがて此事ハ志と、尾張の横井、千秋

はしがき二オ 4

ぬしの、はやくよりこひもとめられれたるすぢにて、はじめよりうけひき
てハ有ける物から、なにくれといとまなく、事しげきにうちまぎれて、
えしのはださず、あまたの年へぬるを、いかに/ \と、しば/″\おどろかさる
るに、あながちに思ひおくして、こたみかく物しつるを、さきに神代のまさ
ことも、此同じぬしのねぎことこそ有しか、御のミ聞けむとやうに、
しりうごつともがらも有べかめれど、例の心も深くまめなるこゝ
ろざしハ、みゝなし心の神とハなしに、さてへすべくもあらびてなむ、
◯うひまなびなどのためのは、ちうさくハ、いかにくはしくときた
るも、物のあぢハひを、甘しからしと、人のかたるを聞たらむやう
にて、詞のいきほひ、「てにをは」のはたらきなど、たまりなる趣にいたり

はしがき二ウ 5

てハ、猶たしかにはえあらねどば、其事を今おのが心に思ふがごとハ、里
りえがたき物なるを、さとびごとに訳(ウツ)したるハ、たゞにみづからさ思ふ
にひとしくて、物の味を、ミづからなめて、しれるがごとく、いにしへの雅事(ミヤビゴト)
ミな、おのがはらの内のおとしなれゝバ、一うたのこまかなる心ばへの、
こよなくたしかにえラルことおほきぞかし、
◯俗言(サトビゴト)ハかの国この里と、ことなきとおほきが中には、みやびごとに
ちかきもあれども、かたよれるゐなかのことばゝ、あまねくよもには
わたしがたれバ、かゝるとにとり用ひがたし、大かたハ京わたりの
詞して、うつすべきわざなり、ただし京のにも、えりすつべきハ有
て、なべてハとりがたし、

はしがき三オ 6

◯俗言(サトビゴト)にも、しな/″\のある中に、あまりいやしき、又たハれすぎたる、又
時ゞのいまめきことばなどハ、はぶくべし、又うれしくもてつけていふと、
うちときたるもの、たがひあるを、歌ハことに思ふ情(こゝろ)のあるやうのまゝに、廠
眺め出たる物なれば、そのうちときたる詞して、訳(ウツ)すべき也、うちとけ
たるハ、心のまゝにいひ出したる物にて、みやびごとのいきほひに、今すこ
しよくあればぞかし、又男のより、をうなの詞は、ことにうちとき
たることの多くて、心に思ふすぢの、ふとあらハなるものなれバ、歌のい
きほひに、よくかなへることおほ彼ば、をうなめ きたるをも、つかふべ
きなり、又いはゆるかたしも用ふべし、たちへばおのがことを、うる
はしくハ「わたくし」といふを、はぶきてつねに、ワタシともワシともい日、ワ

はしがき三ウ 7

シハといふべきを、「ワシヤ<」、それを「ソレヤ」、すればを「スレヤ」といふたぐひ、又その
やうなこのやうなを、「ソンナコンナ」といひ、ならばたらバを、ばをはぶきて、ナ
ラタラざうしてを「ソシテ」、よかろうを「ヨカロ」、とやふにいふたぐひ、ことにうち
ときたることなるを、これはた いきほひ にしたがひてハ、中/\にうるハしく
いふよりハ、ちかくあたりて聞ゆるふしおほければなり、
◯すべて人の語ハ、同じくいふとも、いひざるいきほひにしたがひて、深くも浅
くも、をかしくも、うれたくも聞こゆるわざにて、歌ハことに、心のあるようをたゞ
にうち出したる趣なる物なるに、その詞の、いまさま いきほひハ しも
よみ人の心をおしえかりえて、そのいきほひを訳(ウツ)すべき也、たとへバ「春

はしがき四オ 8

されバ野べにまづさく云々、といつるせどうかの、訳(ウツシ)のはててに、へゝ/\
へゝ/\と、笑ふ声をへそたるなど、さらにおのづがいまの、たハぶれにはあら
図、此ノ下ノ句の、たハぶれていへる詞なることを、さとさせりとてぞかし、かゝる
ことをダウぞへざれバ、たハふ(ム)れの善(へ)なるよしの、わらハれがたけれぞかし、
かゝるたぐ日、いろ/\おほし、なすらへてさとるべし、
◯みやびごとハ、二つにも三つにも分れたることを、さとび言には、合をて一ツ
にいふあり、又雅言(ミヤビゴト)ハ一つながら、さとびごとにてハ、二つ三つにわかれたる
もあるゆゑに、ひとつ俗言(サトビゴト)を、これにもかれにもあつるとある也、
◯まさしくあつべき俗言のなき詞には、一つに二ツ三ツをつらねてう

はしがき四ウ 9

つすこちあり、又は上下の語の訳(うつし)の中小、其言をこむることもあり、あるハ
二句三句を合わせて、そのすべての言をもて訳(ウツ)すもあり、そハたとへバ「ことな
らバさかずやむあらぬ桜花などの、ことならばといふ詞など、一つはなち
てハ、いかにもうつすべき俗言なれバ、二句を合わせて、トテモ此ヤワニ早ウ散(ル)クラい
ナラバ一向ニ初(メ)カラサカヌガヨイニナゼサカヌニハヰヌゾ、と訳(ウツ)せるがごとし、
◯歌によりて、もとの語のつゞきざま、「てにをは」などにもかゝハらで、すべて
の言をえて訳(ウツ)すべきあり、もとの詞つゞき、「てにをハ」などを、かたくまも
りてハ、かへりて一かたの言にうとくなることもあれバ也、たとへば「こぞと
やいはむ、ことしとやいはむなど、詞をまもらバ、去年ト云(ハ)ウカ今年トイハ
ウカ、と、訳すべけれども、さてハ俗言の例にうとし、去年ト云タモノデアラウカ

はしがき五オ 10

今年ト云タモノデアラウカとうつすぞよくあたれる、又春くることを「たれ
かしらまし」など、春ノキタトヲ云々、と訳(ウツ)さゞれバ、あたりがたし、「来(ク)る」と
「来(キ)タ」とハ、たがひあれども、此歌などの「来(キ)ぬる」と有べきことなるを、
さはいひがたき所に、「くる」とハいつるなれバ、そのこゝろをえて、「キタ」と訳(ウツ)
すべき也、かゝるたぐひ、いとおほし、なすらへて、さとるべし、
◯詞をかへてうつすべきあり、「花と見て」などの「見て」ハ、俗語には、「見て」と
ハいはざれバ、「花ヂヤト思ウテ」と訳すべし、「わぶとこゝろへよ」、などの類の「こ
たふる」ハ、俗言には、「こたふ」とハいはず、たゞ「イフ」といへば、「難-儀ヲシテ居ルト
イヘ」と訳すべし、又「てにをは」をかへて訳すべきも有リ、「春ハ来にけり」な
どのエモジハ、「春ガキタワイ」と、ガにかふ、此類多し、又「てにをは」を添(フ)べ

はしがき五ウ 11

きもあり・「花咲にけり」などハ、「花が咲いタワイ」と、「ガ」うをそふ、此類ハ殊におほし、す べて俗言にハ、「ガ」と

いふことの多き也、雅言のぞをも、多くハ「ガ」といへり、「花なき」

などハ、「花ノナイ里」と、「ノ」をそふ、又はぶきて訳すべきも、「人しなけれバ」「ぬきて

をゆかむ」などの、「しもじ」を「もじ」、訳言(ウツシコトバ)をあゝハ、中々にわろし、

◯詞のところををおきかへてうつすべきことおほし、「あかずとやなくや山郭公」

などハ、「郭公」を上へうつして、「郭公ハ残リオホウ思フテアノヤウニ鳴クカ」と訳し、「よるさ

へ見よ」とてらす月影は、ヨルマデ見ヨ」トテ「月の影をテラス」とうつし、「ちくさに物

を思ふゝろかな」のたぐひは、「こゝろ」を上にうつして、「コノゴロハイロ/\」ト物思ヒノ

シゲイ「カナ」とやくし、「うらさびしくも見てわたるかな」ハ、「すてる」を上へう

つして、「見ワタシタトコロガキツウマアものサビシウ見エル」「カナ」と訳すたぐひにて、これ

はしがき六オ 12

雅事(ミヤビゴト)と俗事(サトゴト)と、いふやうのたがひ也、又「てにをは」も、ところをかへて訳

すべきあり、「ものうかるねに鶯ぞなく」など、「ものうかる春にぞ」と、「ぞ」も

じハ、上にあるべきことなれども、さいハひがたき所に、鶯の下におけるなれば、

其こゝろをえて、訳(ウツ)すべき也、此例多し、皆なすらふべし、ふべし、

◯「てにをは」の事、「ぞ」もじハ、訳すべき詞なし、たとへバ「花ぞ昔の香ににほひける

のごとき、殊に力(ラ)を入(レ)たるぞなるを、俗言にハ、花ガといひて、其所にちからを入れ

て、いきほひにて、雅語のぞの意に聞(カ)することなるを、しか口にいふいきほひハ、物

にハ出るべくもあらざれバ、今ハサといふ辞を添(ヘ)て、ぞにあてゝ、花ガサ昔

ノ云々と訳す、ぞもじの例、みな然り、こそハ、つかひざま大かた二つある中に、

「花こそちらめ、根さへかれねや」などやうに、むかへていふことあるハ、さとびごと

 

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5/12からgooブログの使い勝手がおかしいのですが…。不都合なところは二つ。

2020-05-13 | 乱鳥徒然 Rancho's room.

 (写真は東大寺にて)

 

 

 昨日からgooブログの調子が悪い。不都合なところは二つ。

 

1) 新規で書き込んで他のページに移ると、昔のgooブログのように、書き込んだ内容が消えてしまい、復活できない。

1) 改行すると、下のように一段飛ばしになり、使い物にならない。

  アイウエオ

  カキクケコ

  サシスセソ

  上のように間延びして、これはいただけない。

 

 

私だけなのでしょうか?

元に戻るのでしょうか?

困ったものと、思案しています。

 

 

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映画『シン・ゴジラ』総監督・脚本:庵野秀明 監督:樋口真嗣 長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ 國村隼 他

2020-05-13 | 映画

  映画『シン・ゴジラ』総監督・脚本:庵野秀明 監督:樋口真嗣 長谷川博己 竹野内豊 石原さとみ 國村隼 他

 

 映画『シン・ゴジラ』を見たが、現在の我々が直面している『シン・コロナ』(新型コロナウイルス)と変わらず、リアルで怖かった。大問題が生じての政府の取り組みや言葉のやり取りが深くそして興味深く感じた。ただ、映画の方が、政府の決断が善良で早い。一日間違うと大問題が生じかねない決断を、政府はやり遂げる。そして、最後の言葉で、〆、幕を下ろす。

 この映画は好きだな^^

 

 

 

 

以下はwowow公式HP▼

総監督・脚本:庵野秀明

監督:樋口真嗣
音楽:鷺巣詩郎
出演:
長谷川博己
竹野内豊
石原さとみ
高良健吾
松尾諭
市川実日子
余貴美子
國村隼
平泉成
柄本明
大杉漣
ほか

 

 

2016年夏に公開され、日本映画として年間第2位の大ヒットを記録。庵野秀明総監督と樋口真嗣監督が首都圏を舞台に怪獣ゴジラVS日本政府&自衛隊の激闘を描いた大作!

日本が誇る世界的人気怪獣ゴジラを日本映画として約12年ぶりに復活させ、「新世紀エヴァンゲリオン(ヱヴァンゲリヲン)」シリーズで知られる庵野秀明総監督と、樋口真嗣監督という、いずれも特撮に造詣が深いコンビが組み、今までに見たことがないゴジラ映画が誕生。ゴジラの大暴れをリアルかつ迫力たっぷりに描くだけでなく、もしもゴジラが出現したら政府はどう対応するかをもリアルに描き、人気俳優多数の豪華共演も魅力的。大人が楽しめる娯楽大作に仕立てた。第40回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞。

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