朝護孫子寺で かぐや姫に出会う
娘と二人で、信貴山にある朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)にお参りに行く。
正月の二日とあって、参拝客は多い。
朝護孫子寺を選んだ理由は、山伏(山野に住んで修行する僧)の方々の様子を見たかったがため。
勧進帳の弁慶や、或いは宮田登氏などの書物に度々出てくる山伏は、私にとっては非常に興味深い。
興味津々の私に、娘がつきあってくれた形である。
ここでは山伏の様子は少し横に置いておこう。
私たちは 信貴山でかぐや姫に出会った。
小学三、四年生の男の子達四人が、にこにこ笑って盛んにつぎのような事を言い始めた。
「かぐや姫や。」
「ほんまや。かぐや姫や。」
子供達は真面目に、そして好意的な面持ちではやし始めた。
「かぐや姫や~~。」
「かぐや姫や。」
「かぐや姫~。」
私たちは子供達の指先と視線の方向をたどった。
すると、本当に かぐや姫はいらっしゃった。
優しそうなお嬢さんは恥ずかしそう。
そしてにこにこ顔で小学生の男の子達に輝くような笑顔を返されていた。
お正月に、素敵な光景を見せていただいた。
信貴山朝護孫子寺のかぐや姫は心美しいお嬢さんだった。
今年はいい年になる。
このお嬢さんの笑顔が、未来を暗示して下さっているように感じた 朝護孫子寺参拝であった事に、喜びを覚えた。