糾弾！ うり坊にあるまじき豪胆な振る舞い～X-Caliber購入への道～

ああ、わたくし、ご説明が不足しておりました。

今頃になって、古い話をするものですから、みなさまに誤解を与えてしまいました。

申し訳ございません～。

昨夜、わたくしが告白いたしましたスプロケット購入のうんぬん……は、昨年12月から今年の2月ごろの過去話なのでございます。

わたくし……2009年2月末におきまして……欲しておりましたアイテムすべてを、“いちおう”手に入れたのでございます。

あくまでも、“いちおう”なのでございますが……（汗）

そのいきさつにつきましては、あまりの罪悪感から、ずっとナイショにしていたのでございました。。。

ああ、わたくしのような者が、なんという傲慢なお買い物をしてしまったのでしょう。。。

白状いたします。

わたくしは、うり坊のくせに、以下の品物をすべて手に入れてしまいました。

[分不相応なぜいたく品一覧]

（1）カセットスプロケット（シマノULTEGRA　12-27）

（2）29erのMTB（Gary　Fisher 　X-Caliber　 2008年モデル）

（3）カーボンハンドル（イーストン　EC70　WING Ergo　ワケアリ商品）

（4）ホイール前後セット（キシリウム　エリート2006年モデル、ワケアリ商品）

（5）ハンディGPS（GARMIN　Edge705）

ああ……そういうワケなのでございます。。。

ああ……実は、こういうワケだったのでございます。。。

こうして列記いたしますと、我が事とは思えない大胆不敵なお買い物。。。

うっうっうっ……申し訳ございません～！！！

（とくに、娘に申し訳ない！）

とにかく……でございます。

わたくし、ロード用のアップグレードアイテムを購入するか、MTBを新調するかで、メチャクチャ苦しんでいたのでございます。

そこまでは、比較的、記憶がはっきりしているのでございます。

ところが、その苦しみの過程のなかで、だんだん頭がおかしくなってきたのでございました。

とにかく、アルテのスプロケなんて、ぜんぜん購入の予定がなかった品なのでございますが、なぜか、真っ先にコレを買ってしまったのでございますよ～。

もう、あれこれ悩まずに、ロードへの資金投入を決心したかったのかもしれません。

スプロケットに手を出してしまえば、もう、MTBの新調などいう夢は、たちまち消えてなくなるはずでした。

ところが！

運命というのは、実に恐ろしい……

みなさま、多摩ニュータウンの一角に、トレックグループの直営店があるのをご存知でいらっしゃいますか？

あるのでございますよ。まるでセレクト・ショップかと思ってしまうような、洒落た店舗が……

そのお店に、気軽な気持ちで足を運んでしまったのが、事件の始まりでございました。

そこには、2008年モデルの売れ残り完成車が、ギョッとするような格安なお値段で並べられていたのでございます。

その中の１台が、X-Caliber　だったのでした～。

わたくし、ものすごく動揺いたしました。

もちろん、わたくしの財力に余裕があれば、四の五の言わないで、即決で購入したことでございましょう。

そのくらい、大胆なお値引き商品だったのです。

しかも、そのフレームの色は、わたくしの大好きな、ちょっとグレイがかったオフホワイトでした。

わたくしのために今日まで誰にも買われることなく待っていてくれたのか！と勘違いしそうになるほど、わたくし好みでございました。

そして、格安なお値段のほうにも、ちょっとした理由があったのです。

フィッシャーのMTBにはいくつかの種類がありますが、基本的にフレームのデザインは同じでございます。

ジェネシス2.0というフレームなのでございますが、このフレーム、2009年からフルモデルチェンジになりまして、フレームの形状やデザインが、大きく変わったのでした。

つまり、この2008年モデルのX-Caliber　は、古いデザインの最終モデルに相当する……つまり、在庫処分価格になっている……というワケでございました。

わたくしは、2009年モデルの新しいジェネシス・フレームの形状も存じておりましたが、なんとなく見慣れているせいか、古いタイプのフレームのほうが自分には馴染むような気がしておりました。

ですから、ただデザインが1年古いというだけで、こんなにも安く買えるのであれば、これはとてもいいお買い物ではないか……と、かように思った次第なのでございます。

しかし、安いとはいっても、29ｅｒのＭＴＢでございますよ。。。

そう気楽にポンッと決断できる金額ではありません。

わたくしは、ショップの中でウンウン呻りつづけ、わけもわからず店内をうろうろし、店員さんと無意味な会話をしたりなどし、さんざ時間を費やしたのでございますが、結局、心を決めることができず、その日は、結局何も買わずに店を出たのでございます。

しかし、やはり、心はフィッシャーに奪われた状態。。。

家に戻って少佐どのにその日の出来事を報告してみましたが、少佐どのは基本、わたくしのことを蔑んでいるので、ロクに相談にのってくれないのでした。。。

翌日わたくしは、懲りもせずにまたセレクト・ショップのようなセンスフルなトレック直営店を訪れておりました。

そして、相変わらず、購入するか、否か……の決断ができずに、ただただ、背中を冷や汗でぐっしょり濡らすのでした。。。

このショップには、4人の店員さまがいらっしゃいます。

その4人が4人とも、2日連続して来店し、ただ1台のバイク（X-Caliber）を凝視し続けるわたくしを観察して、「この客は、いくらなんでも今日は買うだろう」という期待に満ちた熱い視線を送ってくるのでした。。。

そしてその期待値ビームが、わたくしの背中をいっそう冷や汗で濡らすことになるのです。。。

小心者のわたくしは、その熱い視線に耐えられないのでござますぅ～！

「あの……ちょっと外で頭を冷やしてまいります。。。」と小さく言い訳すると、逃げるようにショップを出て、近所のファミレスに逃げ込んだのでした。

ドリンクバーを何杯も何杯もおかわりしながら、わたくしは悩みました。

ああ、明日になったら、もう、あのX-Caliberは、誰かほかの人に買われていってしまうかもしれません。。。

それに、このときわたくしは、娘の悲願であるＨＤＤレコーダー購入という重い任務も背負っていたのでございます。

日ごろから、わたくしのような者を親に持ったがゆえに、辛酸を舐め続けている我が娘……なんとか、新しいＨＤＤレコーダーを買ってあげたら、どんなにか喜ぶことでございましょう。。。

もう、何度、ドリンクバーのおかわりをしたかもわからなくなった頃、ようやくわたくしの心は決まりました。

「あの　X-Caliber　を買う。そして、ＨＤＤレコーダーも買う。」

わたくしは、このとき、弱かった自分のカラを脱ぎ捨てて、勇者の称号を得たのでございます！

わたくしのような経済弱者が、X-CaliberとＨＤＤレコーダーを両方とも購入すると決断したのですから、これはもう、勇者のさらに上の、魔王くらいのレベルに達したといっても過言ではないかもしれません。

わたくしは、ファミレスから携帯電話でショップに連絡をして、例のX-Caliberを予約すると豪語したのでございます～！

わたくしの優柔不断ぶりをご覧になっていた店員さまの、電話の向こうでのほっとしたご様子といったら……店内から拍手喝采の音が聞こえてくるようでさえございました。

こうして、２つ目のアイテム、ゲイリー・フィッシャーのX-Caliberを、わたくしは手中に収めたのでございました。

（つづく……）