乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

クランクセットの選択に迷った日々

2006年08月27日 | 自転車

ショップ選びから始まって、ブランドに迷い、モデルに迷い、

さらにフレームカラーにも迷ったわたくしでしたが、

ショップAの店員様にして、潤んだ瞳の「バンビちゃん」に出会ったことで、

すべての悩みが解消されたはずでした。

ところが、、、

まだ、わたくしの迷いは吹っ切れていなかったのでした。

それは、クランクセットの選択です。

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キャノンデールの今年のカタログをお持ちの方は、

50ページを見てください。

Opitional crankset:

>Shimano 105 Triple 10-speed, 30/39/50

と、書いてあります。

いわゆる、トリプルっていうヤツです。

わたくしが予約したのは、もちろんノーマルのダブル、

歯の数は、39/52 です。

もうちょっとグレードの高いモデルになると、39/53 なんていうのも

あるみたいですが、R800は、39/52 でございました。

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以前、ショップAでサイズを見てもらったときには、

(もちろん、お目々ウルウルのバンビちゃんに見てもらったわけですが)

クランクセットのことなんて、わたくしの頭には、まるきりありませんでした。

そして、なぜかバンビちゃんも、クランクセットのことについては

いっさい触れなかったのでございます。

つまり、クランクセットのことは、まったくノーマークのまま、

わたくしの注文書は完了してしまったのでした。

それでは、なぜにわたくしがクランクセットのことに

気がついたかと申しますと、、、

わたくしは、ショップAでの注文を完了してからも、

暇さえあれば、キャノンデールのカタログを眺めていたのでありまして、

あまりにも隅々までカタログをチェックしていたために、

ある日、偶然に、このオプションに気がついてしまったのでした。

それからというもの、案の定、わたくしの頭の中は、

クランクセットのことでいっぱいになりました。

もう、小仏峠への道を登っていても、

「ああ、、、もし、次に乗るロードのチェーンホイールが3枚だったら、

こんな坂で息をきらすことはないのかも、、、」

などと、軟弱な空想をしてしまいます。

ついには小仏峠道でロードに乗っている人を見かけると、

かならずチェーンホイールを盗み見て、

こっそり枚数を数えるまでになってしまいました。

しかし、会う人会う人、みんなダブルの人ばかり。。。

トリプルの人は、まったく見かけません。

ここで、さらに「下手な考え休むに似たり」のスタートです。

このようにトリプルの人が少ないのは、

自転車乗りの人たちには、独特の美学があって、

「トリプルだのコンパクトだの、軽いギアで坂道をクリアするのは

鉄人の恥である、、、」

みたいな、ナルシスティックな発想があるのではないかと、

わたくしは、そのように邪推したのでした。

しかしながら、インターネットであちこちのサイトを訪ね歩いて、

先人の教えを乞うてみたのですが、

かならずしも、トリプルを否定する意見ばかりではありません。

「トリプルにすることで、よりグレードの高い山坂をクリア

できるのならば、それもひとつの考え方である」

というような、肯定派もいらっしゃるのでございます。

わたくしの迷いはいっそう深くなるばかりです。

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明けても暮れても、クランクセットのことが頭から離れません。

しまいには、仕事にまで集中できなくなってきました。

このままではノイローゼになってしまいそうです。

わたくしは、勇気を振り絞って、バンビちゃんのお店に電話をかけました。

電話の向こうでは、「ハイ! ショップA(仮名)です!」

と、明らかにバンビちゃんと思われる声が響きます。

屈託のない、邪念のない、純真無垢な、バンビ声です。

ああ、、、やはり、バンビちゃんが電話に出ちゃった。。。

店員様は二人しかいないもんね。。。50%の確率だもんね。。。

などとちょっと冷めた自分を演出しつつも、

実のところ、正直なところ、血わき肉おどる気分です。

迷えるわたくしに明るい道しるべを見せてくださるのは、

バンビちゃんをおいて他にはいないのでございます。

とはいえわたくしは、バンビ光線で一瞬にして消毒されかねない

薄汚れた人間ですから、やはりカチコチに緊張いたします。

「今、お時間よろしいでしょうか?」

などと、まるで仕事の電話のような、硬い問いかけをしてしまう

わたくしなのでした。

そして、恐る恐る、クランクセットのことを持ち出します。

すると、、、バンビちゃんは、

「あー、、、」

と、いかにもがっかりしたような、深いため息。

えっ? その落胆ぶりは、どゆことですの?

わたくし、なにかいけないことを、申しましたかしら?(汗)

わたくしの背中を、180ccくらいの冷や汗が滴ります。

バンビちゃんは、そんなわたくしの動揺にはまったく頓着せず、

言うべきことを言ってくださいました。

つまりまあ、、、結論から申しますと、

バンビちゃんは、わたくしのお師匠様は、

トリプルを否定したのです。

「先日、お店で乗ってもらった感じでは、よく乗れてましたから、

トリプルは必要ないでしょう。」

これがバンビちゃんの回答でした。

でもですね。。。でもですね。。。

よく乗れていた、、、とおっしゃいますけどもですね。。。

それって、R800を室内用トレーニングマシンに固定して、

それをガシガシこいだだけじゃないですか。。。

それだけで、わたくしの何がわかるというのでしょう。。。

わたくしが小仏峠でバテバテになっているところを

ご覧になったわけでもないのに。。。

反論がノドまで出掛かりました。

しかし、かのバンビちゃんがダブルでOKとおっしゃってくださっているのに、

わたくしごときが反論するなど、畏れ多いことでございます。

わたくしは、どうにも言葉につまり、「ムググ、、、」と

動物的な唸り声をあげるばかりでした。

わたくしのこの異常な反応に、さすがのバンビちゃんも何かを感じたようです。

最後には「それでは、どうしても心配なようでしたら、一度お店に来て、

話をしましょう」と、おっしゃってくださいました。

そのころには、もう、わたくしは激しく動揺して、息も絶え絶えです。

「ハイ、、、ソレデハ、マタ、、、」と言って電話を切ったときには

アドレナリンの出すぎで卒倒しそうだったのでした。(つづく)


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