冬の能登半島雪景色。私は、生まれ育ったところが、石川県輪島市です。この場所は、小学校の遠足に来た時に、岩から流れる清流を見て、感動をしました。流れる、滝の水を両手ですくい、飲みました。清らかで、柔らかくて、冷たくて、甘くて、やさしい水だったことを、ずっと憶えていました。50歳を過ぎて、再び、この場所へ、幾度となく通うようになりました。
春には、福寿草の花が・・・夏には、冷たい清流が・・・秋には木々の・・・冬は・・・四季の中でも、この垂水の滝に、吹き上げの滝が見られます。いつもいつも見られることはありません。ここは、日本海。能登半島の冬。今まで、数々の輪島波の花などの映像を撮影しましたが、戦場のような、猛威を振るう、荒れ狂う波に、波が生クリームのようになめらかに、辺り一面が、波の花のじゅうたんになっていました。車のドアの開け閉めは、大変危険な状態です。慎重に覚悟して、撮影のスタンバイをします。撮影不可能な状態でしたが、スロープを降り、早歩きで、進みます。すると、波の花のじゅうたんの中に、溝があったのでしょう・・・そこへ、スッポリと転んでしまいました。一眼レフカメラと手には、撮影用のビデオ機材(この映像のビデオカメラ)ポッケには携帯電話。およそ、2メートルの泡の中におぼれてしまいました。全身泡だらけ。とても臭い撮影になりました。この撮影で、ビデオカメラの液晶にヒビ・・・かろうじて、まだ使えるかな・・っ ドジまっしぐらですっ
後から、気づいたのですが、
すぐ側には、川が流れていて、「川に入ると、生きては帰れんぞ」と思いました。川は、波の花の泡で、逆流していました。
この撮影で、両膝・両手の甲の擦り傷で、血まみれになり、それでも、カメラを向けました。途中、吹き飛ばされそうになりましたが、必死にカメラを持ち、両足で構えました。風が容赦なく、向って来ました。手は感覚がなくなるほどの、冷たさと痛さを感じました。
いつか、この垂水の滝の、吹き上げの滝を撮りたいと思っていました。
この撮影に成功できました。
能登半島 輪島に育ったわたしは、能登の自然が大好きです。
穏やかな海 優しい海 いろんな海がありますが この荒れ狂う海の強さ
能登はやさしや土までも・・・能登に生きる強さ その自然環境と共に生きる
太古の人から、今へ、ずっと、この美しい自然を誇りに・・・伝えたいと思い、一生懸命に、撮影しました。
決して、マネは禁物です。危険を覚悟の上、この映像を撮影しました。
撮影場所:輪島 曽々木海岸 垂水の滝
タイトル:垂水の滝 吹き上げの滝
撮影時間:14:00
気温:マイナス5度
撮影日:2013年1月26日
撮影者:自然カメラマン 坂下さとみ
撮影者URL:http:www.umi-to-orgel.com