能登島3日目 憩いが手招き・かあちゃん 心配りの喫茶店として新聞に掲載されました。
北陸中日新聞記事の一部分より。
「右手に海を見て進んだ。このまま、のとじま水族館へ向かおうか。左に折れて能登島ガラス美術館へ行こうか、分かれ道に手招きするように喫茶店がある。『海とオルゴール』。北海道の小樽か函館で聞いたような名前だ。午前三時半を過ぎていたが昼食もまだだった。誘われるように戸を開けた。年配の夫婦連れが一組いた。さとみさん(44)が三月二十五日にオープンさせた
。‘夢の城‘だ。店内にはハープの音楽が流れていた。海とオルゴール。さとみさんが好きなものを店の名にしたとゆう。焼きめしを注文した。メニューには「かあちゃんのやきめし」とある。ネギたっぷり。家で栽培している野菜を入れる。少し前まで菜の花、ブロッコリーも入っていたという。和倉温泉の加賀屋で十五年、その後、養護老人ホームに勤めた。皆にかあちゃんと呼ばれる人柄。メニューに「嵐、台風、特別な事情がない限り営業しています」と書いてある。「だって、橋を渡って来てもらうのに、休みだったら申し訳なくて」ところでさとみさんが言う。「二、三日前、島を歩いていませんでしたか。見ましたよ」。場所を聞くと、ちょうどトイレを我慢しながら歩いていた頃だ。前かがみになって北京原人のような格好だったに違いない。「そうそう、そんな感じで歩いていました」とさとみさん、口を押さえて笑った。「トイレ、使っていってくださいね」。トイレは広々としたバリアフリー。「どんな方にも来てほしい」というさとみさんの心配りを隅々まで感じる。居心地のいい喫茶店だった。