海とオルゴールBLOG

イルカにあえる海辺のカフェ『 海とオルゴール』さとみママからのお便りです

西塚栄治さん縁(ゆかり)の人が来店しました。

2011-11-08 00:19:37 | 海とオルゴールさとみママのつぶやき

11月1日、チューリップの球根を植えて、それから草木の手入れをして、合羽姿で泥だらけになって、庭にいると、
一台の車が駐車場に入り、ドアが開いた。
慌てて、ごめんなさいね。今、すぐ準備します。。。
すると、照れくさそうに、恥ずかしそうに、わたしに、声をかけてくれた。
あの時は・・・どうもありがとうございました。
輪島から来てくれた、故西塚栄治先生の縁(ゆかり)の浦田正人さんでした。
西塚栄治先生が亡くなられた年に、浦田正人さんから電話をいただきました。加賀屋にわたしが勤務していた時に
毎年、七夕の日に、匠の会(石川県伝統工芸士が年に一回集う加賀屋ゆかりの作家たち)で、わたしは西塚栄治先生との
年に一回お会いする日を、励みに頑張っていました。西塚栄治先生も、わたしとの出会いを心待ちにしていたと伺っていました。
二人とも、何をするわけでもなく、お見合いみたいに・・・当時のことを振り返ると、お互い手も握らず、心と心が通う合う・・・
兄と妹のような・・・親戚のような・・・なんとも、純な二人でした。
特別なとっておきの素敵な方でした。
とっておきの作家さんに、とっておきの接待をする役割がわたしの使命でした。
その中でも、同じ輪島ともあり、ぎこちない、輪島べんまるだしでお話する先生のお人柄に、いつも魅力を感じながら、
ほんのひと時の・・・憧れのひと時だったような・・・
加賀屋を辞めてからも、親交があり、お互いを気遣い、どんな時も、気にかけていた存在だった大切な方でした。
生前、わたしのことを、加賀屋で勤務していた時の源氏名、「春菜」でわたしを呼ぶ先生だったので、
浦田正人さんも、わたしを呼ぶ時には、春菜さんと読んでくださいました。
なんだか・・・なんとも言えない気持ちに心がふわふわしました。
西塚先生がお亡くなりになられてからしばらくして井波先生から、出版社より、西塚栄治先生の写真を提供していただきたいとの話がありました。
その時に、なかなか画像ファイルを探すと、画像を小さく縮小してしまい、元のデーターを消去してしまったことを伝えていました。
ところが一枚だけ、元のデーターがそのままあることを数日後に気づき・・・遅かったかな・・
でも、今は必要がなくても、わたしは、西塚栄治先生の写真を保存しています。
体が悪くなり、それでも、わたしのところには、這ってでも来た方でした。
先生の面影を今も鮮明に思い出してしまいます。

浦田正人さんが言う。「先生の今日は11月1日命日に来ました」
なんども、わたしに会おうとし、店の前を通過してしまったって言う・・・
 
俺んとこ 昼電話しても出んぞ
なんで・・先生なんでなん
昼間はいろんなもんから電話がかかってくる うっせぇ~やろ そやし(だから)・・よさり(夜)仕事するげん
作品には、余計な神経は注がず、集中して芸を成す。こだわりと先生独自のセンスがあった。

浦田正人さんが弱気な声で話す。
先生は、作品には厳しい人でした。怒ってくれる先生も居なくなって・・・
寂しいです。自分の初めての作品の出品は、先生もドキドキして初入選には涙を流して良かったなぁ!とか審査
員の方々に、ありがとうと言い、挨拶をしていただき、心から喜んでくれました。

それから初入選した時にはお祝いもしてくれました。
「子供の様に・・弟子の様に・・」だから、妻や両親は、西塚栄治先生には恩を無にしたらいけないと。
闘病中はほんとに大変な時期でした。身体の自由が効かなくなってからも、先生の手助けができで僕は・・・・・(声を詰らせる)

病院への送り迎えなどプリンが食べたいと言えば、プリンを買って先生に届けたこと。
いつも、ありがとうと。
楽しい所にも一緒に行きました。
食事にも一緒に行きました。
浅蔵五十吉先生にも百貫俊夫先生にも先生のお陰で紹介していただきました。
言葉には出来ないほど、感謝してます。絶対に先生のこと忘れません。

わたしは、彼を誘った。加賀屋雪月花エレベーター前。西塚栄治作。
そこには言葉を越えた 人と人との会話があった
やさしい人が・・・やさしい声をかけて これから先も広がる勇気をもらえる迫力をいただいた日でもあったかもしれない。
ひとつひとつの思い。情熱の芸に、もう一度触れさせていただいた最高の命日でした。

浦田正人さんへ。海とオルゴールの春菜の場所へ来てくれてありがとうございました。
またここで(加賀屋)で先生と出会えた瞬間をいただきました。



「あえの風」、西の風館内にて。


浦田正人さんと作品(浦田さん独自の赤を強調した、くじらと東京スカイツリー)。


素晴らしい出会いに感謝。そして浦田さんの作品が世界に羽ばたきますように、心より願っています。


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