オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

交渉術

2010年10月02日 | Weblog

組織Aと組織Bが交渉をする時、

 通常は最下位の担当者から始まる。下位から階層をそれぞれを仮に3~1とすると、最初はA3階層とB3階層同士で話し合われる。その結果を必要であれば、第2階層に上げられて第2階層同士で話し合われ、その結果必要であれば最上位の第1階層に上げられる。常にレベルを合わせることが重要だし、それぞれの階層で話し合われた結果は事実として記録され、相互に承認されたものでなければならない。当然ながら話し合いの過程で提出されたそれぞれの意見は正式に認められたそれぞれの階層で責任の取れる内容である必要がある。この時点で、それぞれの組織の中でどの階層までの話し合いと承認を得ているのかはお互いの自由であり、お互いの交渉内容の重要性の受け取り方によるし、内部事情を相手に公開する必要はさらさらない。

第3階層同士で交渉している時、

 片方の第1階層が介入する時、たとえば、A3階層にB1階層が干渉したとすると、B組織は第3、第2階層での交渉過程を省略した事になる。一見迅速な問題解決を図ったように見えるが、A組織はまだ、第3、第2階層での交渉カードを保有している事になる。A1階層はまだ、2回の交渉段階を踏む事ができ、それぞれの交渉段階で交渉内容を検討できる機会を保有している。最悪は持ち出した交渉内容をA3階層での検討事案であると撤回する事も可能である。B1階層はこの交渉について、すでに結論もしくは回答を出してしまっているので、少なくともこの内容については修正する事も撤回する事もできなくなる。

情報は正確に収集し分析しなければならない。

 まずは、情報発信源がどこの誰か、正式なものかは明確にすべきである。得体の知れない情報に右往左往して性急な結論もしくは回答を出すことは危険でさえあり、相手の思う壺に陥っている事になる。しかも、最上階層のトップが安易に結果に影響するような発言を正式に公言する事は大いなる間違いといわざるを得ない。かと言って、上位階層が自分の組織の下位階層に干渉することは当然である。ただしこれは内部事情であり、その内容を公開する必要もない(公開すべきでない)。この場合の干渉する内容は、第3階層での結論が相手組織に対して論理的に説明できるか、第3者に公開してもちゃんと説明できるか、そして、今後の第2、第1階層の交渉に対して問題がないかであって、第1階層の結論を無理に押し付けるものではない。第1階層の結論を押し付けると第3階層の結論に矛盾を生じるのは目に見えている。そして自己矛盾に陥り説明も公開も困難になる。

得体の知れない情報で相手組織の最上位階層を動かせれば得体の知れない情報を発信した側は大成功である。

 ルアーで大物の魚(鯨?)を釣り上げたようなものである。ルアーを放ったのが誰かもわからない。しかし、相手組織の最上位階層が動いた事実は厳然として存在し、具体的な公式発言があれば、その発言内容をもとに次の交渉を進めることができ、主導権を握るとともに優位な立場に立つことができる。また、相手組織の最上位階層のこの発言内容についてさらなる問題提起や抗議をし新たなコメントを要求する事ができる。発言した内容には責任を取らなければならないのである。組織の最上位層が正式に発言する時は客観的かつ冷静で慎重な判断のもとに、誰に対しても理路整然と説明できることを確認することが必要である。もっと言うと、過去、現在、未来を通じて一貫した考え方に基づいていなければならない。

上位階層が自分の組織の下位階層に干渉したことを暴露する事に何の利点もない。

 相手組織が有利になるだけである。下位階層が出した結論に問題があることを堂々と追求できる。通常であれば交渉の最中に自分の組織が出した結論が間違っている可能性があると自ら主張する人はいないし、やり方が間違っていたという人もいない。問題はそんなことではなく、説明できない結論が出された時である。これに対して今後どうするか組織を挙げて検討しなければならない。通常上位階層がまだ最終結論を出していない場合は、まだ検討の余地がある。第3階層での失点を第2、第1階層でいかに挽回するかについて英知を結集して水面下でも水面上でも万全を尽くさなければならない。組織内で仲間割れしている場合ではない。

交渉は気長にやらなければならない。

 性急な成果や解決を求めるのは間違いの元である。性急な成果や解決は自らの条件を限りなく譲歩している事に外ならない。通常であればお互いが対峙の状態で根本的な問題解決は先送りされるのが現実であり、現状維持を最低限の条件としなければならない。新たな条件が出された場合は、その部分だけについて相互の利害を調整する事になるが、調整の範囲は過去の履歴の延長であり、将来に禍根を残さないものでなければならない。そして交渉は自己中心的であってはならない。相手があるし、第3者が注視している。部外に対して公開する交渉に関するコメントはこの辺のチェックを経た後のしかも階層による影響力を考慮したものでなければならない。




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