オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

金勘定の愚

2011年10月25日 | Weblog
美味しい玉子焼きを作るのに、

 金勘定だけで言うと、卵30円、油1円、調味料1円、燃料代と玉子焼き器の減価償却費1円、人件費60円、原価93円となるだろうか・・・。それじゃぁ、これで美味しい玉子焼きは作れるか?作れません。金勘定とはこういうことで、肝心の目的とは逸脱したところにものさしがある。そして、この製品に利潤を加える。利潤は高ければ高いほどいい。これを諸経費込みで売れば300円になる。利潤を増やそうとすれば、卵を20円に、人件費を50円にすればいい。じゃぁそうすればどうなるかと言うと、当然商品の質が落ちる。それでも阿漕な商売人であれば材料費や人件費をケチる。粗悪な材料で手抜きの商品を作っても高品質は到底望めない。

粗悪品は詐欺や騙しでないと売れない。

 詐欺や騙しで売れればぼろ儲けであるが長続きはしない。そうであれば、価格相当の商品を売らなければならない。価格相当の商品は巷にあふれている。ここで品質を同じにして顧客を独占するには、他より安い画期的な価格で売らなければならない。商品が同品質であれば、たぶんかかった経費は同じであるので、その分は損失覚悟である。このような形振り構わぬ競争が繰り広げられる。これが市場競争だというが、なんか違う気がする。商品の値段じゃないだろう。商品の出来具合であろう。出来がよければ価格は少々高くても顧客はついてくる。値段だけで評価する顧客なんて放っておけばいい。最初にも言ったように、金勘定だけで目的は達成されない。

反対に最高級品を目指したとする。

 卵300円、油30円、調味料30円、燃料代と玉子焼き器の減価償却40円、人件費600円だとして、原価1000円となる。卵は最高級鵜コッケイ、油も調味料も最高級で、燃料は最高級の備長炭、玉子焼き器は銅製の最高級品、料理人は超一流だとしたら、こんな感じだろう。でも、だからと言って、最終的な商品にどれほどの影響があるのだろう。世の中にこんなような商品が売り出されているが、私は絶対に手出ししようとは思わない。こんな高級品が普通の真心こもった商品とどれほど違うのだろうと思ってしまう。普通の食材で普通の作り方で出来上がった商品は十分に一流品に匹敵する。

本来の最終的な目的は「美味しい」玉子焼きを作ることである。

 基本的には、新鮮な卵と、それ相応の油や調味料や調理器具で調理可能であり、その成果の成否の多くの部分は「作り方」に依存している。作り方そのものには「金勘定」は関係ない。費やされる時間や投入される真心には金勘定では計測できない。「心」がなければ美味しい玉子焼きは作れない。そして、本当の目的は、美味しい玉子焼きであり、そのものさしは金勘定では表現できない。100円の玉子焼きでも1000円の玉子焼きでもそれほど変わらない。そんなことを考えながら、金勘定の無意味さをつくづく認識してしまう。高いとか安いとかあまり意味がないのである。

世界中の紛争を見ていると、

 すべてが金勘定のトラブルに見えてくる。金儲けの源がないところに紛争はない。金が絡むから、金儲けの機会があるから、金儲けを企てるから、金儲けに翻弄されるから、トラブルになる。世界中が金儲けを目的にして無益な投機をしないで、本来の目的を達成するために有益な投資をすることを望むものである。「金」は手段にしか過ぎなくて、本来の目的を見失わないようにすることが重要だと思う。「金」を使うとき、本来の目的を追求する意識があれば世の中はずいぶんと住みやすくなることだろう。へんてこなマネーゲームで国が潰れたり、会社が潰れたり、世界の経済が破綻したりするのは願い下げである。また、少数のへんてこな投資家が法外な利益を得る世界情勢はどう考えても正常とは思えない。

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1 コメント

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お金の空しさ (剛健)
2011-10-31 23:03:31
お金では何もできない。

 お金の魅力で人を動かすことによって何かができる。反対の言い方をするとお金に魅力のある人しか動かせない。お金に魅力のある人はやはりお金で人を動かそうとしている。お金に興味のない人は、お金に関係ないところで何かをしようと画策している。後者のほうが面白そうである。

お金にあまり興味のない剛健でした。
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