科学特捜隊と禍特対

　5月13日から公開されているシン・ウルトラマンは独特の用語が
使われており従来の怪獣は巨大不明生物＝禍威獣、そして禍威獣に
対抗するため防災庁と共に設立された専従組織が禍威獣特設対策室
＝禍特対という事になっている。

　つまりオリジナルのウルトラマンに登場する科特隊は科学特捜隊
なのに対し、シン・ウルトラマンでは禍威獣特設対策室という形で
科学特捜隊が所持しているジェットビートルをはじめとしたメカや
スーパーガンをはじめとした銃機器なども登場せず一緒に見ていた
次男など不満を感じていたようだ。

　円谷作品ではヒーローと防衛チームは‘お約束’で、よほどの事が
ない限り防衛チームは登場し必ず戦闘機などのメカを持つという
法則がある。

　シン・ウルトラマンの禍特対はユニフォームすらないスーツ姿
で辛うじてオレンジの腕章を付けているのみで、いかにも政府の
特設機関という雰囲気で自衛隊に禍威獣対策の的確な指示を送る
組織だった。

　つまりミラーマンに登場する初期SGMのようなもので戦闘メカ
などは当然なくリアルな世界ならこういう組織もあるだろうとい
う感じで、いかにもシン・ゴジラでスーパーXのような超兵器が
登場しないどころか無人新幹線爆弾のような基本通常兵器のみで
立ち向かわせたスタッフだと感心する。

　そして考えて見るとオリジナルの科学特捜隊も特別捜査隊なの
だから、分析や捜査の方がメインで戦うのは防衛隊がいるはずで
はないかと思ったりする。

　というのもジェットビートルや潜水艇、携行兵器でもスーパー
ガンだけでなくスパイダーショットやマルス133など防衛隊より
明らかに凄いメカや武器を持っているのはおかしい。

　これがセブンのウルトラ警備隊のように地球防衛軍の特別チー
ムならば理に適っているが科特隊と防衛隊は別組織なのだから、
最終回で防衛隊の戦闘機部隊がゼットン星人の宇宙船群相手に
苦戦していたのに対し科特隊はジェットビートル2機でほぼ壊
滅させるほどのメカを所持しているのは冷静に考えればおかし
な話。

　まぁ昭和のウルトラはツッコミどころ満載なので今さらとや
かく言う必要はないのだから、シン・ウルトラマンで突っ込ま
れづらいようなリアルな設定になるのは面白いと思うのだ。