今春導入のセンバツ・タイブレークの詳細決定
今年の野球は高校野球で春の選抜からタイブレークシステムが導入
されるのに続き、投げなくても敬遠が成立する申告敬遠も高校野球を
除いて導入されるとの事。
これについては早速マスコミやファンの多くが‘野球の楽しみを奪
うもの’などと評判が悪く否定的な意見が多いのだが、もともと野球
ファンというのはルールだけでなくセオリーが変わる事について凄い
アレルギーを持っており必ず否定から入るケースが殆どである。
例えばノーアウト1塁でバントをせずに得点できないと‘せめて進
塁打を打ってランナーを進めておけば’という批判の方が、ノーアウ
ト1塁から判で押したようにバントをすると批判する意見よりも多い。
だからMLBでは2番に強打者を入れる打線を組むのが主流になって
も谷繁元信のように‘2番打者が足を使えないからクリーンアップが
打てない’的なデメリットばかりを強調するし、さらには‘やはり
2番はいざという時にはバントができないと’的な論調で語るケース
が目立つ。
ボクシングの世界戦が15Rから12Rに短縮された時に‘13Rからが
本当の世界戦だし、12Rでは東洋人同士なら太平洋タイトルマッチ’
という声が多かったのだが、むしろ以前なら下手すると5Rまで腹の
探り合いだったのが1Rから打ち合うようになるなど密度が濃いくな
り15Rに戻せという意見は聞かれなくなった。
柔道でも徐々に試合時間が短くなっているし、殆どの競技は時間
短縮に向けてルールを変更するケースが目立つのだ。
タイブレークの導入は最近の高校野球で13回以降の延長戦が激減
しているというデータもあるし、申告敬遠も81年の柏原純一や99年
の新庄剛志の敬遠球打ちや82年の小林繁の敬遠サヨナラ暴投という
特殊なものを見たいがために否定するのかという事。
‘MLBに追従しているだけ’という声があるのは当然だが日本球界が
自発的に試合をより面白く、より高いレベルにするためのルール改正
をしたのを見た事がない現在MLBに追従という形でルールが変わると
いうのは仕方ないのではないだろうか。