‘型’に拘りすぎるのも考えもの

 日曜日に終わったロンドン五輪の女子サッカーアジア最終予選は なでしこ
ジャパンが4試合目で北朝鮮と引き分けたものの同日オーストラリアが中国に
勝ったため2位以内が決まって出場権を獲得すると、最終戦も中国に1-0で
勝ち過密日程の中での5試合を4勝1分という素晴らしい成績で終えたの
だった。

 ところがマスゴミ報道では‘なでしこ らしいパスサッカーが不発で云々’という
ネガティブな報道が多々あって目に付いた。

 たしかに なでしこジャパンの特徴はパスサッカーで、テクニカルなパスを回し
ながらの攻めは観客をも魅了し‘バルセロナみたい’と あらゆる方面から賛辞を
もらったのだ。

 ところが今回のロンドン五輪アジア最終予選ではパスサッカーが不発で日本は
大苦戦をしていた。

 7月17日にW杯優勝を決めて帰国すると歓迎モード一色になっていて、ろくろく
休養する間もなく国内リーグである‘なでしこリーグ’が始まり、中断後は五輪予選
のために合宿が行われ大勢のファンの中での練習となった。

 しかも中国の芝はデコボコで劣悪な環境なのでパスもコントロールが利かない
中での試合だから まともなパスサッカーができないのは当然だろうが、それに
否定的なマスゴミがいるから驚いてしまう。

 実は日本人の‘型’に拘る姿勢は大相撲でも先日引退した魁皇が人気があった
のは‘左四つ右上手という型があるから’と多くの解説者が説明をしていたように
浸透し過ぎているほどだ。

 これは日本のスポーツがプロセスを大事にする‘修行スポーツ’が伝統的なの
で練習に練習を重ねて‘型’を作る事こそが大事という発想になるのだが、
これが国際試合になると足かせになるのだから皮肉なもの。

 一方ラテン系の国々は練習よりも試合を重ねて実戦で鍛えるため‘型’に拘る
よりも、臨機応変に戦略&戦術を組み立てていく傾向が強い。

 ボクシングで対戦相手がガンガン前に出て荒っぽいファイトをする強打者という
前評判なのに試合では足を使ってポイントアウト戦法に出たため日本人選手が
対処できずにズルズルとラウンドを重ねて判定負けというパターンが多々あった。

 つまり日本人選手が強打者だが足が使えないというタイプなら自分の持ち味で
ある強打を封印してでも勝ちに拘るという姿勢の前になすすべないというのだ。

 また野球でもフォームに拘るあまり討ち取られた打球がヒットになっても喜ばず
‘凡打しても理想のフォームで打てたから満足’などと自己満足に浸る頭の不自由
な選手を見かけるし、それを褒め称えるOB達が多いのには閉口する。

 そういう意味では選手のコンディションや劣悪なピッチに過酷な日程という中で
自らの型であるパスサッカーに拘らず、ドロくさくても勝ち点をもぎ取りに行くと
いう戦い方は これまでの日本では異色だろうし こういう割り切りができるから
こそW杯で優勝できたのだと思うのだ。

 こういう戦いができる選手やチームが どんどん出てきて欲しいものである。

 

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