10.25天理市立櫟本小学校
「学びづくり」の自主公開研究会
今年で3年目の訪問になりました。今年の春に訪問した時より学校の雰囲気が何となく落ちつている様にも感じました。廊下や教室で出会う子どもたちは、すかさず「こんにちは」とあいさつを交わしてくれました。教室もすべて「コの字」に揃えられていました。そして、「インクルーシブ教育」を実践されており、すべての先生が、すべての子どもの支援にあたっているという理念がいきわたっている雰囲気がありました。各クラスには、複数の先生が授業の補助や、子ども同士をつないだり、廊下でクールダウンにつき合ったりとその姿勢や視線ひとつ見ても低く、しっかりと子どもを引き受けておられました。
さて、到着後運動場に目をやると、1年生の学年体育でしょうか、3クラスがリレーの練習をしていました。リレーゾーンで「バトンをつなぐ」というより「スピードのつなぎ」という感覚で、前走者から逃げる(鬼ごっこ風)ことで、うまくスピードを落とさずつないでいくということを、ゲーム感覚で実に楽しそうにやっていました。これ一つとっても、先生方の意気込みが感じとれる授業でした。ただ、現場(外)での活動(クラス合同で、先生の役割を分担するなど)や説明にひと工夫(言葉だけではなく)あれば、もっとたくさん実技ができるのではとも思いました。
2年生は、国語「お手紙」教科書は2人に1冊、ペア読みを中心にすすめられていました。先生の声も低く、無駄なく子どもたちにあたっておられまし
た。5年生は、算数テストでしたが、その後の活動が明示してあり終わった子どもから、静かに取り組めていました。4年生は、書写と算数。1年生は、国語。座席は個別並びでしたが、意見や発表の聴き方が徹底されており、また意見のつなぎ方にも気を配っておられました。
2年生音楽。ピアニカでの演奏。一人演奏、交互演奏、合奏、などちょうど国語の読みを連想させる組立でした。そこでテンポを上げてほしいとの声で、80から110へ。子どもたちは必死にかつ楽しそうに演奏します。仕上げは、元のテンポでの合奏。これがまた、最初一人演奏がおぼつかなかった子どもが、満面の笑みで演奏しきりました。
今日も提案授業が2本、3年生道徳「島ひきおに」と5年生算数です。最近公開授業の希望者が多くてとうれしい報告がありました。
5年生算数「分数の足し算」4年生での既習事項を利用して、異分母の足し算に挑戦。授業者としては、ジャンプ課題から導入することの反応を試してみたとのことでした。準備物は、課題の量に調整した野菜ジュースのペットボトルとワークシート。
座席は、コの字からグループ(風車形)へ。導入は、授業者の家庭事情から、2本のジュースを1本にして冷蔵庫を整理(2/3ℓと2/7ℓを合わせと、1ℓのボトルに入るか。)したい。という設定。やはり、実体物と身近な課題の登場で子どもたちの注目は一気に上昇。
グループに1枚のワークシートが配られてスタート。ここまで3分。すべてのグループが、2本のボトルの絵を物差しやフリーハンドで分割しています。
この状態を見て、3分後グループを解いて、ワークシートを回収して、全体の交流に。ここで、授業者のデザインを見ると、「自発的に話す子どもだけでなく、みとった姿をもとに指名する」とありました。一人が前に出てきて、2本のボトルを描いて、それぞれ分割したところまでしかできなかったと発表しました。続けて3人の発表後、小数に直す方法が出たので、女の子が、前で直しますが詰まってしまいます。すかさず同じグループから助け船がでて、ひっ算ですることに。ここで、足したら「1」に満たないので目の前で実際に移すことになりましたが、「こぼれる」からと待ったがかかり、5人目の男の子が前に出て、「2/3 ℓへ2/7 ℓから1(1/7 ℓ)を移したら3/3になって、1余るから「あふれる」。フロアから「分母が同じでないの(計算)できない」とチェックが入り、本人も納得して自席へ戻り、実際にボトルに移すことに。すると前列の男の子が出てきて、授業者のボトルの下にプリントで受け皿を出しに来ました。・・これはすばらしい・・なんという機転の利くことでしょうか。いく度も移す途中で止めながら「大丈夫か?」と子どもたちの注意を引き付けて移し見事に全部入ったので拍手が・・。ここまで、20分。
そこで、全部はいったけど、これって(ボトル)何ℓ?「1ℓ」という声が。でもジュースの量は少し少なくない?という問いかけから、いよいよ本課題「2/3ℓ と2/7ℓを合わせた量は、何ℓ?」とみごとに展開していきます。2度目のグループに入ります。ワークシートが配られまたまた頭を突き合せ学びが始まりました。5分後、「ちょっといいかな」と言って、一旦止めて体ごと向けさせました。(聴かせる)そして、子どもの発言に注目させます。
計算式 2/3+2/7= を確認します。続けて、どのように計算するのかを考えさせます。通分で計算したグループや分割で考えるグループなど悪戦苦闘。もう一度止めて、解答を確認します。20/21という解答が出たので計算の方法を説明させて、「同じ分母にして足した。」を導き出しましたが、違う解答(異分母のまま、分子を足してしまう)も出たので、説明させてフロアからの意見も参考にしながら、分数の足し算の基本(通分が必要)を確認させました。そして、引き続き通分した時の2/3と14/21が同じかどうかを考えるように促しました。ここまで40分。
詰まっているところに支援に行きます。チャイムが鳴りますが、延々と続ける子どもたち。3分後、グループを解いてまとめに入って次時も続きをすることを告げて終了。終了後、子どもたちが授業者のところに集まって説明をし始めました。実にいい雰囲気で、学びが続いていることの証と言えるでしょう。
研究協議会も2つに分かれて開催されました。授業者の思いや参観者からの報告や発言の他に、一般参観者の方々からの意見も子どもたちの見取りから多く出てたのが印象的でした。私のほうからは、最近の教育事情と前術のように、今春から比べて格段に先生方の意欲や子どもたちが明るくなっていることなどをお話しさせていただきました。ますます充実した取り組みになっていくことを願っています。先生方、お疲れさまでした。そしてありがとうございました。
お知らせ
第17回学びの共同体研究会 1次案内
申し込みは、間もなく発表されます。
奈良の会 12月22日(土)14時から
「学びづくり」の自主公開研究会
今年で3年目の訪問になりました。今年の春に訪問した時より学校の雰囲気が何となく落ちつている様にも感じました。廊下や教室で出会う子どもたちは、すかさず「こんにちは」とあいさつを交わしてくれました。教室もすべて「コの字」に揃えられていました。そして、「インクルーシブ教育」を実践されており、すべての先生が、すべての子どもの支援にあたっているという理念がいきわたっている雰囲気がありました。各クラスには、複数の先生が授業の補助や、子ども同士をつないだり、廊下でクールダウンにつき合ったりとその姿勢や視線ひとつ見ても低く、しっかりと子どもを引き受けておられました。
さて、到着後運動場に目をやると、1年生の学年体育でしょうか、3クラスがリレーの練習をしていました。リレーゾーンで「バトンをつなぐ」というより「スピードのつなぎ」という感覚で、前走者から逃げる(鬼ごっこ風)ことで、うまくスピードを落とさずつないでいくということを、ゲーム感覚で実に楽しそうにやっていました。これ一つとっても、先生方の意気込みが感じとれる授業でした。ただ、現場(外)での活動(クラス合同で、先生の役割を分担するなど)や説明にひと工夫(言葉だけではなく)あれば、もっとたくさん実技ができるのではとも思いました。
2年生は、国語「お手紙」教科書は2人に1冊、ペア読みを中心にすすめられていました。先生の声も低く、無駄なく子どもたちにあたっておられまし
た。5年生は、算数テストでしたが、その後の活動が明示してあり終わった子どもから、静かに取り組めていました。4年生は、書写と算数。1年生は、国語。座席は個別並びでしたが、意見や発表の聴き方が徹底されており、また意見のつなぎ方にも気を配っておられました。
2年生音楽。ピアニカでの演奏。一人演奏、交互演奏、合奏、などちょうど国語の読みを連想させる組立でした。そこでテンポを上げてほしいとの声で、80から110へ。子どもたちは必死にかつ楽しそうに演奏します。仕上げは、元のテンポでの合奏。これがまた、最初一人演奏がおぼつかなかった子どもが、満面の笑みで演奏しきりました。
今日も提案授業が2本、3年生道徳「島ひきおに」と5年生算数です。最近公開授業の希望者が多くてとうれしい報告がありました。
5年生算数「分数の足し算」4年生での既習事項を利用して、異分母の足し算に挑戦。授業者としては、ジャンプ課題から導入することの反応を試してみたとのことでした。準備物は、課題の量に調整した野菜ジュースのペットボトルとワークシート。
座席は、コの字からグループ(風車形)へ。導入は、授業者の家庭事情から、2本のジュースを1本にして冷蔵庫を整理(2/3ℓと2/7ℓを合わせと、1ℓのボトルに入るか。)したい。という設定。やはり、実体物と身近な課題の登場で子どもたちの注目は一気に上昇。
グループに1枚のワークシートが配られてスタート。ここまで3分。すべてのグループが、2本のボトルの絵を物差しやフリーハンドで分割しています。
この状態を見て、3分後グループを解いて、ワークシートを回収して、全体の交流に。ここで、授業者のデザインを見ると、「自発的に話す子どもだけでなく、みとった姿をもとに指名する」とありました。一人が前に出てきて、2本のボトルを描いて、それぞれ分割したところまでしかできなかったと発表しました。続けて3人の発表後、小数に直す方法が出たので、女の子が、前で直しますが詰まってしまいます。すかさず同じグループから助け船がでて、ひっ算ですることに。ここで、足したら「1」に満たないので目の前で実際に移すことになりましたが、「こぼれる」からと待ったがかかり、5人目の男の子が前に出て、「2/3 ℓへ2/7 ℓから1(1/7 ℓ)を移したら3/3になって、1余るから「あふれる」。フロアから「分母が同じでないの(計算)できない」とチェックが入り、本人も納得して自席へ戻り、実際にボトルに移すことに。すると前列の男の子が出てきて、授業者のボトルの下にプリントで受け皿を出しに来ました。・・これはすばらしい・・なんという機転の利くことでしょうか。いく度も移す途中で止めながら「大丈夫か?」と子どもたちの注意を引き付けて移し見事に全部入ったので拍手が・・。ここまで、20分。
そこで、全部はいったけど、これって(ボトル)何ℓ?「1ℓ」という声が。でもジュースの量は少し少なくない?という問いかけから、いよいよ本課題「2/3ℓ と2/7ℓを合わせた量は、何ℓ?」とみごとに展開していきます。2度目のグループに入ります。ワークシートが配られまたまた頭を突き合せ学びが始まりました。5分後、「ちょっといいかな」と言って、一旦止めて体ごと向けさせました。(聴かせる)そして、子どもの発言に注目させます。
計算式 2/3+2/7= を確認します。続けて、どのように計算するのかを考えさせます。通分で計算したグループや分割で考えるグループなど悪戦苦闘。もう一度止めて、解答を確認します。20/21という解答が出たので計算の方法を説明させて、「同じ分母にして足した。」を導き出しましたが、違う解答(異分母のまま、分子を足してしまう)も出たので、説明させてフロアからの意見も参考にしながら、分数の足し算の基本(通分が必要)を確認させました。そして、引き続き通分した時の2/3と14/21が同じかどうかを考えるように促しました。ここまで40分。
詰まっているところに支援に行きます。チャイムが鳴りますが、延々と続ける子どもたち。3分後、グループを解いてまとめに入って次時も続きをすることを告げて終了。終了後、子どもたちが授業者のところに集まって説明をし始めました。実にいい雰囲気で、学びが続いていることの証と言えるでしょう。
研究協議会も2つに分かれて開催されました。授業者の思いや参観者からの報告や発言の他に、一般参観者の方々からの意見も子どもたちの見取りから多く出てたのが印象的でした。私のほうからは、最近の教育事情と前術のように、今春から比べて格段に先生方の意欲や子どもたちが明るくなっていることなどをお話しさせていただきました。ますます充実した取り組みになっていくことを願っています。先生方、お疲れさまでした。そしてありがとうございました。
お知らせ
第17回学びの共同体研究会 1次案内
申し込みは、間もなく発表されます。
奈良の会 12月22日(土)14時から