なら学びの会

学び・なら総合研究所
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2017.11.28 兵庫県川西市内中学校より 「筝曲の旋律を創作する」

2018-03-25 21:24:14 | 日記
こんばんは
かなり暖かさが増してきました。奈良公園の氷室神社の枝垂れ桜(奈良の一番桜として有名)もすでに満開となりました。
ようやく修了式も終えちょっと一休みといったところでしょうか。
私どもは、昨年台風21号によって崩落した田んぼの修復工事がようやく終わり、遅れていた水田の準備に取り掛かりました。今年の銘柄は、「ミルキークイーン」収穫を約600kg(昔の米俵10俵分。江戸時代役人お給料を30俵二人扶とか言っていましたね。)と見込んでいます。獲らぬ・・・皮算用!
   after


さて、今日は前回お話をした伝統楽器お琴の授業です。ビデオで見ていただけないのが残念ですがスライドでご辛抱ください。

テーマ 「さくらさくら」の演奏を通して、平調子を意識した旋律をつくろう。

   
 
始業前から、思い思いに「さくらさくら」を演奏している。同性同士のグループで2人に一張りの琴が準備されています。
復習の演奏 「さくらさくら」ワークシートをもとに、相手方の生徒が、糸の名前を横で唱えて協力し合う。次に旋律①主旋律?と②副旋律?(チャチャチャラン)に分けて合奏。ここまで9分。
 
創作用のワークシートを使って、創作活動に。前方にテロップで学習内容が表示。まず、個々人が考えてきたイメージを記入後、グループで意見交流しながらまとめます。グループのイメージが決定。ここまで、15分。

     

この後、イメージをもとに前時の奏法(トレモロ、流し爪、すり爪、すくい爪、かき爪・割り爪、合わせ爪など)を取り入れて創作します。終了の合図。ここまで、30分
グループごとの発表に移ります。発表の要領の説明。2人が演奏、残りの生徒で解説(グループ名、イメージについて、工夫したところなど)を担当。決まれば演奏や解説の準備。ここまで42分。

 

いよいよ発表会。発表会の要領が説明される。発表グループの感想を書くように。
順次発表が始まる。
グループ名はKグループで、南アルプスから流れ出る豊かな湧水を表現しました。湧き出る水を流し爪で表現しました。どうぞ聞いてください。など。
全グループ発表して終了。各グループの工夫を褒めて終了。55分

   

学んだこと
以前から、伝統文化の学習が導入されていましたが、今回のようにはっきりと形になって参観したのは初めてでした。演奏できるの?という疑問のほうが大きくて大変興味深くみることができました。単元3時間目とありましたが、ちゃんと演奏もでき、創作活動もできていたのには感動しました。ぜひとも、皆さんに見ていただけたらいいのにと思いました。
先生に訊きました。
①お琴って生徒たちには難しいのでは?
A:演奏という意味では、リコーダーより簡単です。平調子なら弦で音が決まっているから。後の時間でいろいろな楽器で演奏比べをする予定です。
②同性同士のグループは?
A:混合にすると、たぶん男子が女子任せになって参加しないのではと考えました。
③学習の流れをテロップで表示されていましたが。
A:創作や演奏を中断したくないのと、演奏の練習中に声を張り上げ指示するのも通りにくいと思いました。

   

さて、現実はというと写真の通り、男子だけでも女子だけでも、唯一の混合グループでも関係なしに一生懸命取り組んでいました。

  

ということは、生徒の質の高さと、関係性の構築ができ上っていることに他ならないということでしょう。それにもまして、琴を通じてここまで力を高めている先生の専門性の高さを痛感した授業でした。

石井順治氏「学びのたより」に学ぶ

2018-03-21 19:42:47 | 日記
卒業式も終わり、一息といったところでしょうか。
近頃の目まぐるしい気候の変化、体調を維持することに精一杯です。
さて、櫟本小学校の事例にも見られたように国語の「音読」をもう一度考えてみましょう。

これからご紹介するのは皆さんご存知のように東海国語教育を学ぶ会 顧問 石井順治先生の連載「学びのたより」から抜粋した「音読をすれば読みは深まるの?」です。
新学期を迎えるにあたり、何かしら参考になれば思います。

お知らせ
「宝塚の会」 3月31日(土)宝塚総合教育センター 12:30~受付開始です。

次回は、今年一押し「筝曲の編曲」をご紹介します。お楽しみに!

3.2自主公開研究会 櫟本小へ行ってきました 最終章

2018-03-19 21:05:44 | 日記
桜のつぼみも膨らみかけましたが、雨になりました。

6時間目 提案授業2 5年生 国語 「一枚の写真から」
準備物 ワークシート中央に選んだ写真を貼ったワークシート、掲示用ビデオセット
    カラー付箋
座席 男女市松ペア3列
テーマ 選んだ写真から想像を広げ、物語の設定を考えよう

  

ペアに1枚のワークシートをもとに前時の振り返りのあと、今日のめあてを全員で確認。
めあて「友達の考えを聞き、創造を広げよう」
活動の説明 まずペアで写真から想像できる「場所、時、登場人物、気持ち」を付箋に書きそれぞれのコーナーに貼らせる。(ここまで15分)

 

作業中に2度指示を出しますが、熱中していてか・・・
次に、同じグループの違うペアの写真について、それぞれの思いを書いた付箋を貼ります。貼り終えたら元に戻して、机ごとグループのかたちにして、書いてもらったことの聞き取りと整理をします。(ここまで30分)

   

グループを解いて、2枚目の白紙のワークシートにまとめとして4つのコーナーを絞って「お話しの簡単な骨組み」を付箋を張り替えながらペアでつくります。(ここで42分)お2人で机間指導をしながら進み具合をチェックして、具体的なストーリー作りに進むよう促します。教科書を参考にするようにとも付け加え次時の連絡でタイムアウト。

【発見!】
課題の目的が達成しやすいワークシート(写真参照)でした。意見の交流と言えば、おおむね話し合いになりがちですが、「色違いの付箋」(色で作成者がわかる工夫)を使用し、文字で伝えることで、「物語をつくる」ことがたやすくなるように工夫されていたように思いました。
お2人のコンビネーション 机間指導の時には、おおむね対角になるよう動いておられたのが印象的でした。
子どもたちの関係性は男女であろうと、男同士であろうと非常に良好でした。

研究協議会
 今回の研究協議会は、「まず外部から参観された先生方に意見をお聞かせいただき参考にしたい。」との趣旨で、外部からの参観者を櫟本小の先生方が取り囲むという格好で始まりました。公開授業担当の先生方から授業の反省や思いについてお話があったあと、参観者から複数担任制についての質問が相次ぎこれについては、前述のごとくインクルーシブ教育の実践事例として大いに参考になったという意見が多くありました。また、子どもの様子については、各自子どもの名前を挙げながら交流できていたことに感心しました。
学校からは、各校の「研究協議会」(授業研究会)について聞かせて欲しいとのことですべての参加校についての情報が得たれました。回数は1~3回までが最も多く、内容はまだまだ実習生の「研究授業」的内容が多く、公開研究会を開催しているところはわずかでした。
今日は、授業公開のみならず研究協議会まで参加された先生方が多く大変有意義な研究会となりました。

今回も国語で”読み”がたくさん出てきました。そこで次回は「文学の読み」について、東海国語教育を考える会 顧問石井順二先生シリーズをご紹介いたします。

3.2自主公開研究会 櫟本小へ行ってきました 3

2018-03-11 22:35:35 | 日記
東北大震災 復興の兆しも見えるもののいまだに物心共に傷跡大きいままです。1年後、何かできることあればと女川地区に出かけましたが現地の様子にあぜんとしたまま記憶は止まったままです。被災されました皆様方のご冥福を心からお祈りします。

さて、数日前とはうってかわって暖かい1日でした。学校も卒業式が近づいてきました。もうひと踏ん張り。
崩落した田んぼも復旧工事が始まり、よねちゃんファームもぼちぼち忙しくなってきました。

5時間目 提案授業1 3年生 国語 「モチモチの木」
準備物 絵本、お話しの場面のイラスト、ワークシート、掲示用拡大シート
座席 男女市松のコの字型(欠席のところは、移動させます。)
テーマ 物語を音読し、登場人物の人柄や気持ちの変化を読み取る。

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復習として、物語のイラストからどの場面かを思い浮かべさせます。かなり反応が早いのには驚きました。かなり読み込んでいるあかしなのでしょう。K先生も4時間目のT先生と同じく「聴く」姿勢を大切にされています。
左側後ろドアの前、発表者の後ろで手をあげて注目させます
 

この後すぐイラストの場面の個人読みをします。さらにもう一枚のイラストを見せます。3名発表のあとまた個人読みをします。発表のあいだ、O先生(4時間目のO先生と同じ先生)もすかさず「聴く」姿勢を促します。もう一度イラストを見せ、場面を思い浮かべさせ、読みが始まります。(ここまで8分)
 ここで、絵本が登場して、O先生による読み聞かせが始まります。続いて、O先生の後について追い読みをします。続いてペア読み。次は、一人読み(座って黙読、立って前向き、座わり読み、立って後ろ向き読み)実に多彩。(読みだけで7分、ワークシートに読んだ回数をチェック)(ここまでで20分)

    


 めあての確認 「豆太の様子や行動から、気持ちを読み取ろう」
豆太が涙しているイラストから豆太の気持ちを考えさせます。文章への書き込みを指示します。しばらくしてワークシートが二人に1枚配ります。この間2人で机間指導に回ります。



左のペアと右のペアとの差。ですが、放っておきません。女の子いいですねぇ!

 ⇒ 

6分ほどで全体交流に移ります。子ども達にやや疲れが見え始めますが、K先生も立ち位置を変えながら、発表に集中させます。聴くだけでなく、発表する姿勢にも気を配りながら、12人の発表をつないだり、戻したりしながら進みます。ここで、発言に対する根拠を教科書に戻して読ませます。(ここまで40分)子どもたちの発言は、O先生が都度板書していきます。最後に、今日の学習の範囲をみんなで読んで終了しました。

【発見!】
O先生が4時間目に引き続き担当されていました。

 

とにかく、目標にあるように「音読」の回数が半端なく多かったことです。読み込ませる工夫が生きていた授業だと思いました。疲れが見えてきた後半、指名が断然多くなり集中を切らさない工夫が見られました。デザインにもあるように、「聴く」「つなぐ」「かえす」「うながす」を文字通り実践できていました。
誰も見捨てない!

 ⇒ 

次回は、5年生 一枚の写真から と研究協議会です。

3.2自主公開研究会 櫟本小へ行ってきました 2

2018-03-09 10:42:27 | 日記
ついに「ROUND70」う~ん!ここ数日の気候の変化にもついていきにくくなりました。特に花粉症がきつくて「鼻セレブ」は手放せません。皆さん、健康第一ですよ。

4時間目 3年生 道徳 「さっちゃんのまほうのて」



準備物 絵本、お話しの場面のイラスト、ワークシート、掲示用拡大シート
座席 男女市松のU字型
テーマ さっちゃんの気持ちの変化とあきらくんのこうどうの思いを考える
教室の後ろに掲示してあるあらすじをつかって前時までの復習。(3分)

   

読み聞かせ U字型で空いている中央に子どもたちを寄せてO先生が読み聞かせをします。
読み聞かせの後、T先生がイラストを見せながら、子ども達につなぎながら今日の場面の確認をします。自席に戻らせてワークシートで考えさせます。テーマは「さっちゃんの気持ちを変えたものは」自分で先に考えさせたのち、ペアでの聴き合いに入ります。空席でペアを組めないところへ子どもを移動させています。(2人で机間指導)(ここまでで20分)

    

全体で交流。全員が発言者を注目しています。と同時にT先生が発言者と対角の位置に順次移動しています。また、2人制ならではですが子どもたちの発言をオンタイムでO先生が板書します。しかし、子どもたちは、発言者をみています。実にうまく指導されています。



(ここまで30分)
次に「紙づつみにこめられたあきらくんの思い」については、グループ(振り向いて)で考えさせます。(5分)全体での交流に移ります。この時も子どもの意見や発言を順次つないでいきます。立ち位置も変えながら、伏せている子への対応もさりげなくこなし、個々の意見をつないでいきます。右側どことなしか先生と同じで、発言を促します。

 

まとめ
子どもたちの発言から、キーワードを拾い上げて整理をしていきます。O先生からも質問が出ますが、即座に反応する子どもたち。まだまだ、意見が出そうでしたが、タイムオーバー。(47分)
【発見!】
まずは、子どもたちの表情が温かみがあって、柔らかいです。(抽象的ですみません。)よく言う、関係性が築きあげられている学級ではないでしょうか。
T先生の細やかな動きと柔らかいしぐさに感心しました。「聴かせる」難しさをよく耳にしますが、上述のごとく読み聞かせや子どもたちの発言ごとの位置取りで、見事に「聴いて」いました。左は、発言者の対面に移動して聴かせます。(画面右側中腰がT先生)右はしなやかな手つきで発言を促す先生。

 

そして、いよいよ給食です。何かしら「給食」を楽しみに訪問しているみたいで・・・