なら学びの会

学び・なら総合研究所
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1.16 定期訪問①

2019-02-21 17:09:44 | 日記
もうじき3月になろうというのに・・

話は変わりますが、この17日に第25回 奈良YMCA 発達障がい理解講座 に参加してきました。テーマは、「思春期発達障がいへの教育的支援」 竹田契一先生(大阪医科大学LDセンター顧問)と午後から「発達に凸凹のあるこどもたちに寄り添う支援PT・TTからのアプローチ」米田和子先生(NPO法人ラヴィータ研究所理事長・特別支援教育SV)
みっちり勉強しました。これはまた後日に

では始めましょう。

 定期校内研究会に行ってきました。今年も小畑公志郎先生にご指導いただきました。例によって、小畑先生は、全学年を一通り参観いただきました。私は2,4,5時間目のエントリー授業を参観させていただきました。

2時間目 2年生 算数 1000より大きい数を調べよう 6/11
座席 同性ペアの3列 
目標 数の相対的な大きさを理解する

   

教科書の巻末の数カード(「1」「10」「100」「1000」をそれぞれ切取る)を使用して、課題「3265」になるように並べます。完成したらペアで確認します。次に、ワークシートが配られて「100」を18個集めた数はいくらになるかを、カードで操作し考え方をまとめ全体で交流します。「100」が10個まとめたら「1000」になることを確認します。(ここまで35分)次は、「2300」は「100」を何個集めた数かをカードで示し、考え方を交流します。この課題で、かなりつまずく子どもが多く、指名で解答を導き出して、先生の解説でまとめ、次時に再度交流することで終了しました。

「1000」は「100」が10個のまとまりを示すというところがやや理解できてないようにも思いましたが、ワークシートには、カードの図で示したり、立式して表したりする子どももいたので、見た目よりはできるように思ったのでもう少し進んだのかなと思いました。また、同性のペアについて伺うと、男女だと交流がうまく進まないことが多くあったので同性同士にしてみたということでした。

4時間目 中学2年生 「総合なら」 キャリア教育「職業人に学ぶ」4/9
座席 男女ペア、3列 グループ活動は6人生活班
目標 仕事のやりがいや喜びを交流し、様々な仕事について知る。
課題 インタビューで聞いたことを、わかりやすく発表して交流する。




 まず、新聞(インタビューをまとめた冊子)を製本した(ここまで20分)のち、それぞれのグループに分かれて自分の記事を発表し、意見の交流をします。
その前に先生から進め方や発表について丁寧な解説(約4分)からスタートしました。(ここまで46分)
ワークシートを使って、交流時の振り返りを行いますが、時間切れのため先生から振り返りの説明をして終了。

   
 
前半まで作業が多かったのですが、交流はクラスメイトの親や親族の生の仕事とあって、かなり具体的だったので結構突っ込んだ質問などのやり取りで大いに盛り上がって楽しい授業でした。ただ、3人対面では、生徒同士の距離感が出たかなと思います。また、丁寧な解説でしたが、早く交流をやりたがっているようにも見えました。

5時間目 中学3年生 理科 太陽の1日の動き
座席 グループ(π型)
目標 太陽の観察の記録から、日の出・日の入りの時刻、南中の時刻を求めることができる
課題 観測したデータをもとに、日の出・日の入りの時刻を計算して求める

 

 前時の観察結果のまとめから、それぞれのグループの日の出時間を計算して出します。まず、先生が計算方法を全体で確認して、各グループでの活動となりました。(ここまで5分)
 グループで計算し終わったところで、当日の日の出の時刻をネットなどで調べて確認するよう指示をして、日の入り時刻の計算に入ります。(ここまで12分)ところが。透明半球状の長さが2cm(ほぼ1時間程度)ぐらいのずれが判明しますが、続けて計算します。また、南中時刻も計算するように指示を出します。途中で小畑先生もグループに加わります。
各グループの計算結果を全体で確認するためにここに前に出て黒板に整理します。(ここまで20分)前に出てきたのが、男子が1人だけであとすべて8人が女子という結果でした。
全体交流が始まり、かなりのずれを指摘し、その原因を考えさせます。観測記録の時にずれたり、設置時に風などの影響で観測地点が移動したりしたことなども原因になっているなどが交流できました。また、南中時刻が標準時とのずれる理由についても、明石との位置関係から考えさせます。今回の観測を通して、日の出・日の入り、南中時刻が計算して求められることを確認しました。ワークシートにまとめて、太陽の年周運動について進みます。
 日周運動と年周運動の違いについて確認します。地球の自転と公転が出てきたことで、公転の関係にある星を考えさせます。指名していきます。銀河系やイオと木星などが次々に出てきたので、太陽との関係以外でと絞られます。多くが、資料や教科書を参考に次々と出してきたところで、次時の予告をして終了。
 
       

1時間を通してグループということや、このクラスの生徒同士の関係性の良さには感心をさせられます。グループでありながら、個人で黙々学習もあれば、必要なところで聴き合いもできているし、その話声も全く気にならない。特に、女子が落ち着いていて発表も積極的でした。課題への対応も早いので、スピードアップできるクラスかなと思いました。


提案授業は、道徳です。最近指導要領の改訂に伴いかなりの頻度で「道徳」の公開授業が多いです。近々頑張ります。

お知らせ
1岡野先生の新本 

奈良の会 23日耳成南小学校です。要申し込み
3今年もあります「四月からどうする」小畑公志郎先生



今日はこの辺で



研究大会レポート その5

2019-02-08 21:12:14 | 日記
ようやくまとまりました。と言っても、ちょっとずるしましたけれど…

二本目は 中学1年生 理科 「地層の調査」 神奈川県横須賀市からの報告
創立31年目。1小1中、1年生2クラス。5年前から学びを導入。この学年からコの字による授業を展開している。小学校から子ども同士の関係をうまくつくれていなかったり、「わからない」ということを素直に出せない子が多かったり、グループ内での学びがなかなかうまくスタートしないことが多くあります。うち、支援級生が2名同席。
実験に多くの時間がかかってしまい、学び合う時間が少なくなってしまいました。
座席はコの字







露頭(崖などで地層が露出しているところ)のスライドから、復習もかねて地層の成り立ちなどを問いながら進め、表土に覆われた土地の様子を調べるためにはと問いかけ本題に入っていきます。タイミングよく「ボーリング」の声が、子ども達からボーリングの意味を確かめた後、この学校造成時のボーリングのスライドなどで補足します。
今日の、課題が説明されます。資料参照
その後、グループ活動に移ります。(ここまで、5分)

  

実は、このパックが今回の授業の主人公。パックにゼリーの層をつくって地層に見立てています。それも斜めにです。教材づくりの苦労話は後程。
続いて、ワークシートが配られて実験に入ります。ストローで地層に見立てた地層を抜いて断面図におこして、問題の箇所の地層を推測します。

各班での計測の調整が必要(ゼラチンが解けてにじんできた)となり誤差の調整をします。(ここまで25分)

  

課題2 青い層が支持層として、建物を建てるために柱を打ち込むのに何m打ちこめばいいのか。

37分頃
苦戦中なので、全体交流を入れます。先生の解説もいれながら再びワークシートにむかいます。が、かなり苦戦中!
        

48分頃 
もう一度全体交流を入れます。ここで、チャイム!
課題のXにストローを入れて、確かめさせた後、先生の「模型を開けていいよ」の声にかなり反響があり、喜んでいたのが印象的でした。

まとめながら、次時の予告。資料として、学校建設時のアルバムを提供して終わりました。

休憩の後
交流が始まりました。
フロアからは、牛乳パックの模型について。模型作りの苦労談に花が咲きました。また、1年生では平面図から立体を思い浮かべるのは難しかったのでは。作業時に、色鉛筆などを使わせる方法もありかな。最後に模型を開けたとき、子どもたちが結構興奮していたのはよかったと思いました。立体のサンプルを平面に置いてしまったので立体把握が難しかったのでは。例えば、模型の角にサンプルを立てたりしたらもう少し把握が楽だったのかな。「わからん」と言いつつも、最後まで考えていた姿はよかったと思います。

コメンテーターより


内山先生
前半(作業)と後半(課題推論)の内容がどれだけリンクしていたのか。科学が違うのでは、実験と推論。子どもたちは、後半の推論にのめりこんでいたと思う。「探究」と「理解」の話からlearning2へのいざないのお話をいただきました。
相田先生
 30分ぐらいたった時の、子どもの発言から課題設定の難しさのお話をいただきました。
先生として、興味・関心を引き付けるための努力は理解しつつも、「そもそもボーリング調査ができないところへ家を建てるべきでない。」テーマの設定の違和感に子どもたちが気づいていた。このことが、科学的な探求(地質学の学び)へいくとなったときに、興味・関心を持ってもらうための手立てが不整合を起こす可能性があるということが見えた授業ではなかったか。
一般論として、興味・関心等を引くための様々な取り組みが、子どもたちの発言や理論などで変化して、科学的な探求活動にぶれを生じさせないように、一貫性のある内容を提示し、子ども達(の活動)を切らずに進めるのが、「探究的な学び」の目指すところではないでしょうか。

全体交流でのキーワード「探究的な学び」についてご意見をいただきました。このあと、昼食後、まとめの講演となります。

今回は、スライドの一部をお借りしての報告となりました。今後の実践の一助になれば幸いです。なお、スライド・記事等のご利用にあたっては十分なご配慮をお願いします。

                     


お疲れさまでした。
この後は、全国のスーパーバイザーの先生方との研修会となりました。翌日の昼過ぎまでみっちりと勉強することができました。

ご案内
三重大学 岡野先生から新刊書の予約販売のお知らせをいただきました。











 


研究大会レポート その4

2019-02-03 15:59:48 | 日記
13日(日)2日目は分科会です。小学校4本、中学校6本、高等学校2本、学校づくり2本。
 昨夜は、300名近い参加者の皆さんとの夕食を交えての交流会。研究大会自体は、37都道府県から153校・学びの会等団体の参加でした。夕食の後も、2次・3次の交流会が深夜まで続いていたようです。分科会司会の大役を仰せつかっていましたので、早々と切り上げて温泉につかって英気を養いました。

 さて、中学校2の分科会では数学3年「相似と図形」と理科1年「地層を推定しよう」でした。
岡山県からの報告 協同学習導入して12年目。着任して7年間のモットー「全員授業」。スーパーバイザー 佐藤 暁教授(岡山大学大学院)のトランポリン理論を実践。発問については、「より簡潔に簡単に」を追求。ジャンプ問題のレベル設定の工夫。3年間持ち上がりの学年で、全クラス担当。授業者として、あまりしゃべらない。子ども中心に進め自分の考えを自分のことばで相手に伝える。他人が発表しているときは必ず聴くことを常日頃から言ってきた。「閃きを与える教具(教材・課題)」の開発に学年として注力して効果なども検証してきた。





課題の説明の後、すぐグループ活動に入ります。間もなくして、学び合いが始まりました。

1枚目の左にマスク姿の佐藤暁教授。撮影は、佐藤雅彰先生。スーパーバイザーとして秋山先生(おかやま学び工房)も長くかかわってこられています。

       
このようにして、50分を過ぎても学びは続きました。

研究協議
 意見交流が続きましたが、フロアから
Q:「普段から心がけいることは」
A:3年生の4月にオリエンテーションでみんな平等の立場なので「教え合いはダメだよ」ということを、わかっている子は「わからない子がちゃんと訊ける空気」をつくらないといけないし「どうやったら伝わるかな」などという気持ちでお互いやっていこうやと確認をしたら、その後は結構周りのことにも気を配れるようになってきたかと思います。

コメント
福山平成大学 相田先生より





 グループの中で一切しゃべらなかった生徒が、全体での発表の時には、拒否もせずちゃんと正しい解説ができていた。このことは、グループの中で議論ができなくても、ちゃんと聴いていて別の形態(全体)の発表でできている。
Q:指名はどのようにしていますか。
A:指名は意図的にしています。最初は、全体の前でも日々動じない子に、その後は普段からあまり人前に立てないけれども、成功体験をさせたい子に指名しています。(指名されたら、自分の解答が正解だと確信させている)
学び合いのかたちが育ってきているというのは何よりだと思います。

鹿児島国際大学 内山先生
課題の内容 「相似と平行線」が同時進行。全体交流で、やや課題のある子をクラスでどのように受け入れて「学びの共同体」をつくっていくのかも課題と思います。また、「ヒントカード」を出すことによって、今まで考えてきた道筋をいったん置いておいて解決に至る。というのはどのように考えたらいいのかという、「僕なりのヒントカード問題」として投げかけられました。


このことについて意見を求められた相田先生からは、(学び合いの状態から判断して)考えが多様に拡散するよりは、集約したほうが良いとう場面や時間の価値判断でいいのではないでしょうか。「ヒントカード」(もしくは、先生が解説する)を出すことによって単純化できることは大切なことだと思います。

 ※私どもの聞き取りですので、発言内容が正確とは言えませんのでご注意願います。

次回は、理科です。お楽しみに。





「4月からどうする」今年も継続!

2019-02-02 20:10:14 | 日記
お待たせしました。
今年開催が危ぶまれていた「4月からどうする」開催要項が、奈良の会を通じて届きました。
ひと安心ですね。





尚、今月奈良の会は耳成南小学校にて、9:30~です。事前申し込み必要です。


今月も前半タイトなスケジュールでバタバタしてます。レポート遅れていますが頑張ります。