なら学びの会

学び・なら総合研究所
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学校訪問レポート 最終回

2017-03-21 16:32:22 | 日記
奈良では、先週末からウグイスが春を告げにやってきました。桜の開花宣言も「東京」で本日行われました。
わが住宅地の一番桜もこの雨で一気に咲きかけました。

 

昔から、1月から3月までを「行く」「逃げる」「去る」と語呂合わせしてめっぽう早く「時」が過ぎる代名詞とされてきました。さすがに、その通りでこの3が月で何ができたのかを日々反省しております。いよいよ別れと出会いの時が近づいてきましたね。それぞれ、気持ちを新たに一歩前進しましょう。

さて、この学校もあっという間に3年が過ぎようとしています。基本的には、月1回の訪問で、授業参観希望の教室を中心に、終了後担当の先生や学年の先生方との懇談会を持っています。年に2回全体研修をSVをお招きして開催しています。
個人懇談会では、ビデオを見てもらいながら細かなところまで確認し合えるのでとっても気に入っています。

では、今回はグループ学習の威力というテーマで進めていきます。
① 小3 国語 「モチモチの木」 目標 多様な読み取り方や音読の仕方を考え、その中から自分に合うものを選択し、音読することができる。
 学習の仕上げとしての「音読劇」を目指して、子どもたちが取り上げたところをどのように読み下していくかを、友達の「読み」や思いを参考に自分なりの読みを見つけさせたいとのこと。前回までに、かなり読み込んできており、コピーしたテキストにもそれぞれ多くの書き込みがされており、子どもたちは、音読劇をやりたそうな雰囲気で流れていきました。
 (・∀・) 授業の準備物もない子どもが、グループでの支援で見事に



友達の読みを真剣に聞き入り、満足そうな表情をする



② 小5 国語 「大造じいさんとがん」目標 文章中の色に着目して、人物の心情を読み取ろう
 文章中の「色」に側線を引きながら、個人読みが15分程度続いたのち、それぞれの「色」についてグループで交流が始まりました。個々の流れが実にスムースでそれぞれ何をするのかが理解できているように思いました。それぞれ気づいた「色」についての交流が積極的に行われていました。



その後、グループや全体での共有後再び友達の「色」についての心情を参考に読み進めていきました。いつものことですが、最後に「まとメモリー」(担任造語)として、授業の感想や気づきを書かせています。

③ 小5 社会 「わたしたちの生活と森林」 目標 日本の森林の問題点に気づくことができる
 教科書・資料集のほか自前の資料を使っての学習。まず、日本の森林の面積について予測を立てさせたのち、それぞれの資料から問題点をあげさせて、問題点の解消に向けての手だてをグループで考えさせる流れ。
 (・∀・)「比較」って難しい! よく使われる東京ドームの〇倍!
 子ども「東京ドームはどれぐらい?」先生「・・・・スマホでチェック」子ども「甲子園の方がわかりやすい」「学校は?」と。比較材料は、身近なものを提供しましょう。(算数も使えるぞ)

 こうした全体交流後、グループでの交流。なかなか活発に繰り広げられました。

   

どの絵からも、真剣さや何かを獲得した笑顔が見られます。(・∀・)イイネ!!

 昨年この学年は3クラスでしたので、今年の混み具合は大変厳しいものがあります。毎年今の時期はこのクラス編成でやきもきしますよね。できるだけゆったりと学ばせてあげたいものです。

 来年度も引き続きオファーを受けましたので、一緒に頑張りましょう。

 お知らせ
 3月25日(土)奈良の会 大安寺小学校 (小畑公志郎先生)9時30分~ 参加費1,000円 要申込
 4月1日(土) 宝塚の会 「四月からどうする」シリーズ 最終章?

新学習指導要領 最終回 アクティブ・ラーニング

2017-03-14 20:48:37 | 日記
アクティブ・ラーニング 主体的学び 全教科で



このことについて、昨年夏の研究会で佐藤 学先生は講演の中で





 2015.10 田村 学 文科省初等中等教育局視学官談話より
 「アクティブ」という意味から、活動性をイメージさせてしまい、授業中に子どもたちが活動する、ダイナミックに動きまわる、何か体験をたくさんさせなければならない、といった誤解を持たれる傾向にある。活性化してほしいのは、子どもたちの頭の中、「思考」つまり、「子どもたちの思考が活性化し、真剣に課題に立ち向かっている」ような状況が授業の中で起きているかどうかが重要である。
 また、
 本来の「主体的」「学習者中心」が曲解され「放任」になっていないか。また、「アクティブ・ラーニングとは、この学習方法である」「どの教科、どの場面でもこの方法しかない」といった、偏った限定的な見方がされてしまう危惧も生じる。アクティブ・ラーニング自体は、まったく新しい概念ではなく、今まで築き上げてこられた教育実践にこの視点が反映されていると考えるべき。しかし、暗記・再生型の指導が必要な場面もあるはず、二項対立ではなく、調和を持った教育活動が重要である。


<よね言>
 実際、学校によっては、学校全体で「コの字」型座席、男女市松グループ席(1時間中、先生に背を向けている生徒も)なのに、相変わらず一斉授業。意外と見かけてしまうんです。声も大きく、熱血型の先生によく見かけますよね。そして、結構荷物が机の周りに散らばり、ロッカーは教科書などが詰め込んであったり、掲示物も古かったり、剥がれていたりと、およそ教室?といった風景もよく見かけます。こうした学校には、先進校視察をおススメしています。「百聞は一見にしかず」

 藤原和博・奈良市立一条高校長 教員の指導力向上必要



<よね言> 
 藤原校長は昨年2か年契約で一条高校の校長に着任されています。ご家族でこの「奈良」にお住まいとも聞いております。藤原校長と言えば、「よのなか科」、平成20年度から文科省肝いりで全国展開した「学校支援地域本部」の生みの親。奈良市では、全中学校区に「地域教育協議会」(地域で決める学校予算事業)として、文科省委託事業終了後も、市の単独予算と文科省の補助金を活用して継続されています。
 私自身、よのなか科の発想に大いに興味を持ち、「ネットワーク型授業」として定番の「ハンバーガー屋さんの店長になろう」をḾ店の協力を得てモデル授業をしたものでした。
 地域の方々との交流だけでなく実際に教室で子どもたちとともに学んでいただく。特に小規模校での(学年数人や複式学級)学習形態の一つに大いに役立つのではないかとおススメしています。
 ますます学校現場での負担が大きくなりつつありますが、今こそ学校や地域が互いに支え合って「学びの共同体」が形成できるようなヴィジョンをもって取り組んでいきましょう。

 紹介 「坂の上の坂」30代から始めておきたい55のこと 藤原和博 ポプラ文庫 600円

次回は、奈良の学校訪問からです
 
PS.「宝塚の会」4月1日 申込終わりました?



新学習指導要領4 小学漢字

2017-03-08 21:00:29 | 日記
今回は漢字・・読解力の向上 常用漢字表改定
「都道府県名漢字が追加」4年生までに全都道府県名を習得!6年間で習う漢字は、20字増えて1026字。



<よね言>
 「音読」に始まり「音読」に終わる。(黙読って、読めない文字も適当に読んじゃう。脳ミソってステキ!)
 国語と言えば、新出漢字の書き取りテストから始まっていました。交換して〇つけですが、子どもが発表して、(正解でも)つぎに先生が解答。先生の解答を待ってから、〇つけになるわけで5分間テストがややもすれば20分。これって時間がもったいなくないですかね。子どもの発表は、なんか意味あるのかな。子どもたちは、大方先生の解答を待つようになってしまうのではないでしょうか。改善しませんか?
 さて、前回の冬季大会でちょうど2年生国語の分科会で長岡市の 希望が丘小 呉井先生「かさこじぞう」の発表に出会うことができました。子どもたちの読みが一時間でどんどん深くなっていく様子が伝わってくる授業でした。何かの機会に是非ご紹介したいものです。
 読ませ方にもいろいろありますが、ただ単に「読ませる」「読み合わせる」だけではなく、「聴き合う」関係づくりには最適というお話をよく聞きます。学校訪問でよく見かける学びのルールの一つに「聴き合う」「お友達の話をしっかり聞こう」などと掲示がされています。先生方も授業中に「しっかり聞きなさい」と声をかけています。このような指示が増えれば増えるほど、クラスは騒がしくなりやすいですよね。しかし、ペアで読み合う場合などは、まず聞いていないと続きを読むことはできないわけですから、自然と聞く態度が備わってくるようです。これがまた、コミュニケーション能力の向上にもつながってくるんですよね。読むって大事なんですねぇ~!
 授業の中に、「聞く(聴く)」必然性のある機会をいかに工夫するかがポイントでしょうか。

次回は、コラムから「アクティブラーニング」・・言葉の記載は見送られました。


新学習指導要領3 ガッツリ英語

2017-03-05 21:58:29 | 日記
3月突入しました。
入試に卒業式、人事異動等1年の締めが来ました。どうぞ、どちら様もお疲れの出ませぬように。

① まずは小学校の英語のイメージをみてみましょう。
歌やゲーム3年から 5,6年生から正式な教科となり、教科書で授業を行い成績評価を行う。



② 中学校では 原則、日本語を使わず授業 ・・「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を育成し、文科省は卒業時に全生徒が英検3級程度のレベル



≪よね言≫
 英語は、中学1年の1学期を境に2極化が進みます。アルファベットから単語へ、単語から短文へ。2学期の中間テストになると、平均点が1学期の80点あたりから60点前後にがた落ちでしたね。特に男子は、復習単語テストが憂鬱らしく暗い表情から授業が始まっていたように思います。
もう少し早くにピコ太郎さんよろしく「PPAP」が世にあれば良かったのかも?

 愛知県のある中学校を訪問したとき、英語の授業になるとクラス全員がなんと外国人に変身!「MY name is Jack」、「Mary」など好きな名前で授業に臨むんです。これがまたいい感じで会話や発音、ジャスチャーなどもついてきたりして見違えるように活動的になるんです。特に「わからない」「知らない」というときに、例の首をすくめ、両手を下からヒョイと持ち上げるしぐさがとてもかわいく見えるんです。これって、使えると直感したものです。いかがですか?やってみませんか?

 そのほか、英語の歌を覚えて学期ごとに発表会を。私どものころは、Beatles 「Let It Be」でしたね。すぐ覚えてしまいました。
 ほかの学校では、中学2年生で、3年生を送る会に英語劇を披露。その時は、ロミオとジュリエットでしたか。グループで好きなところを取り出して演じるのだそうです。毎年、2年生になって演目を決めるところからスタートするようです。結構、生徒たちは楽しみにしているんだそうです。
 映画の翻訳も取り入れていた学校もありましたね。その時は、「アバター」だったと思います。これも、グループで演じるところを決めて、無声映画よろしくアフレコをするんです。様々に工夫をしておられる先生方がたくさんいるので、学校訪問の時は、いつも、英語を欠かさず見せてもらうようにしています。

次回は、小学漢字とコラムから