tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

国産品擁護への意志

2008年09月21日 19時34分49秒 | エアーガン/実銃
KSCグロックのシリーズで、フレームからグロックのマークが消えて久しい。
19や26においては、スライドですら独自の刻印になってしまい、何処に価値を見いだすのかが難しいくらいだ。
人によっては、エアーガンは撃ったときの性能であるという人間もいる。刻印などどうでもいいと。
ただ、私の立場は違う。モデルガン並みのリアルさで、刻印は実銃と同じく入らないと面白くないという人間だ。実際、こうした立場を取る人は多い。かつて、ウェスタンアームズは自社の刻印を入れたシグマを売り出したが、まったく鳴かず飛ばずの販売成績であったらしい。消費者の判断も捨てたものではない。国内における刻印、わけても商標権の管理は厳しく、本家の実銃メーカーとの交渉でしっかりと入れるところも多くなってきた。それでも、一時期KSCが行ったような、「何処までもリアル」というレベルではないのだが。

ただ、最近、リアルフレームと称する、台湾や中国の製品が入ってくるようになった。もともと、アルミのフレームだのスライドだのを輸入していたころから、実銃に忠実な刻印は入っていたのだが、リアルな刻印が入れば、ABSのフレームでも売れるという発想を見越したものだ。実際私も食指が動きそうになった(買っていない)。しかし、「当然」なのだが、こうしたフレームの刻印が本家の実銃メーカの許可を得ているかというと、そうでもなかろう。

過日、新聞で以下のようなコラムが載った。

2008年9月18日(木)付 朝日新聞「天声人語」

 もう十数年も前になる。北京のCD店に、「日本からの輸入盤」を並べた一角があり、そこで「南ニラせつ」なるジャケットが目についた。はて?と手に取ると、フォーク歌手の南こうせつさんのアルバムである▼どうやら海賊版のジャケットを作るとき、「こうせつ」の「こう」を、よく似たカタカナの「ニラ」と取り違えたらしい。憎めぬ馬脚の現しように、苦笑させられたのを思い出す▼カナは苦手でも、こちらは「さすがは漢字の国」と言うべきか。青森に似た「青ビョウ(品の口がそれぞれ水)」なる商標が中国で申請されたと、先日の紙面にあった。間違えたのではなく、承知の上である。中国では青森リンゴの人気が高いと聞けば、意図はおおむね察しがつく▼岩手県の南部鉄器も、「南部鐵器」と旧字を使って登録申請されていた。松阪牛も「松坂牛」とやられた。「九谷焼」など本名そのままも含め、日本の地域ブランドや地名が次々に申請されている▼漢字は2千年ほど前に日本に伝えられた。恩に思うが、里帰りよろしく「商標漁(あさ)り」をされてはかなわない。登録されると、中国で同じ商標を使うのは難しい。その名で粗悪品が出回れば本家の信用にもかかわる。関係する日本の自治体などは、異議を申し立てて防戦に追われている▼知的財産の保護をめぐって、中国はとかく国際社会の評判がよろしくない。紙に火薬、活字から羅針盤まで、多くの発明品を広めてきた国である。大いなる「知的財産」の恩恵には感謝しつつ、今は今。ブランドただ乗りのあこぎな商魂は、いただけない。


2006年10月、私は念願のAimPoint ML-2 を手に入れた。個人の持ち物で、ゲームで使用するものの予備に持っていたものをオークションに出したそうだ。軍用の実物である、耐久性は特に優れている。M-2ならば、本当に軍用でナイトビジョン(暗視鏡)対応だが、こんな機能はいらない。だから、ML-2で充分だ。結構な金額になって、36000円を払った。それでも定価で買うよりも安い。まして、最近のあらゆる値上げで、一般のショップでは定価で10万円の値段を付け出した。箱もマニュアルも本物。箱が本物で、本体が偽物とは考えにくい。

その後、私は仕事を失い、職安通いが続いた。ある時、あるエアーガンショップの正社員の求人を見つけた。そこは大陸系の輸入品を中心に販売している会社だった。趣味の延長だから、社長とも話はある程度合ったが、金属製のリボルバーをたいした安全対策を講じることなくキットとして販売しているのは気になった。

その後、ショップで展示品を見ていると、あるものが目についた。ドットサイトである。よくあるAimPointのコピー品であるが、商標までコピーしているの見て、正直気分を害した。大陸系の製品が知的財産権の問題をクリアできていないとわかっていて、なおかつ起きた感情である。

要はそういうことなのだ。

オリジナルが持つ権利、すなわち築き上げてきたクオリティや信頼性は非常に高いが、当然ながらそれはその分値段に跳ね上がってくる。クオリティや信頼性が落ち、値段を低いものに価値を見いだすことに無意味であると断じるのはどうかとも思うが、少なくとも私が手に入れたのはクオリティや信頼性が非常に高い、誇るべき「オリジナル」である。それと一色端にするこの行為に腹を立てたのだ。

しばらく生活が苦しくなることは明白であったが、採用であったにもかかわらず、私は辞退した。

いま、台湾や中国のエアーガンの中には、安かろう悪かろうという域をこえて、品質も良くなっているのだが、それでも壊れたときの修理の受け入れ先がなく、使い捨てというパターンも見受けられる。これでは高いだけで悪い商品を押し付けられているようなものだ。

日本製エアーガンの品質やディティールは、世界を見ても群を抜いてレベルが高い。
だが、台湾、中国、韓国の安い製品に押されて、パーツに至っては国内で製造するメーカが減少している。ミニミやM60を作っていたTOPも大陸の安い製品に押されて、製造と販売を終了するそうだ。国内のエアーガンメーカーも減る一方だ。

同じ財布をはたくのならば、国内製品の方だと私は決めている。

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