ロンドン

これから毎日こんな天気が続くのだろうが梅雨時だからしょうがない。こういう曇り空といえばロンドンだ。ロンドンにいた時分は来る日も来る日も曇りで気が滅入ったものだった。イギリス人（ロンドナー）独特のシニカルなユーモア、モンティ・パイソンでも披露される残酷なギャグ、イギリス人独特の狂気などはあの曇り空が産み出したものだと考えている。
ロンドンではとにかくカレーが美味しくて毎日カレーを食べていたのを思い出す。元々カレーは大好物であったが、私が特にインドカレー好きになった原点がロンドンでの生活だったのかもしれない。なんといってもカレーの概念が根底から変わった。まったく未知のインド料理をこれでもかと多種トライしてみたが、なによりあそこではスパイスの奥深さを自分なりに極めたのがロンドン、ベイズウオーターでの毎日であった。
ロンドンは道も狭いしお店も小さいのでどこか東京に似ているところがある。でも、やはりヨーロッパの中心都市だけあって建築もデザインも生活もなにもかも日本とはちがう。ニューヨークに８年ほど暮らした後にロンドンに滞在していた時、なぜもっと早くこの街に来なかったんだろうと強く後悔したのを思いだした。