つきのこ的徒然日記

見たこと感じたことを徒然なるままに。
わがまま自由気ままにゆったりと・・・。

厳島観月能へ・・・・・

2007-10-28 23:12:30 | 能・狂言
今年で2度目の厳島観月能のため、広島・宮島まで一泊のミニ旅行。
宮島までの交通手段を前日まで悩み、結局飛行機にした。

でもぉ~~!
同じ便に野村万蔵さん、友枝雄人さん、雄太郎くん親子。
広電では粟谷浩之さん、旅館に向う途中井上真也さんと会う。

存じ上げてるのはこちらだけ、
当然ご挨拶もなくチラッと横目で見て素通りしました。

最近お能大好きになった知人たちと旅館集合予定がフェリー乗り場でばったり。
彼女たちは1日早く出て倉敷を観光したらしい。
観月能は初めてでうれしそうにしていてくれる。
私ももう少し時間があったら、2泊ぐらい旅行計画立てたいな。

とにかくいいお天気に恵まれ、自称「晴れ女」
去年から2度まで的中している。
そんな些細なことまでがうれしく、この地再び訪れたことに幸せを感じる。

今年の演目は「自然居士」
若い宗教家が、わが身を捨ててでも、たった一人の少女を救うお話、
能のなかでは比較的演劇性のある演目。

お席に着くまで、厳島神社の回廊を渡っていく。
もうすでに回りは薄暗くなり、別世界へと導かれていくようであった。

火入れの儀が終わるや、照明が水面にあてられ、
いきなり能舞台全体に、水の揺らぎがゆらゆらと映し出される。

お仕舞は
粟谷明生 仕舞「阿漕」
粟谷能夫 仕舞「玉葛」
出雲康雅 仕舞「敦盛」

喜多流の舞は切れ味がよく大好きだ。

そして、お能「自然居士」

友枝さんはいつもながら美しい足の運び。体がぶれない。
お仕舞を多少たしなむようになると、更にそのすごさがわかる!

観ているほうがドキッとするほど、伸びやかに厳島能舞台で舞っている。

気のせいか途中から声の質がちがったように感じた。
ほんとに若い男の声にきこえてきた。
揚げ幕からお出になられたときは、まだ友枝さんのお声だったがなぁ~。
少女と人買が乗っている船にぐいぐいと近づいていく。
力あふれる若々しい動きだ。そして少女を救うために一心に舞う自然居士。

昔々からこんな宗教家がいたら、世の中ちょっとは違っていたかもなぁ・・・。

多少の雑音もあったけど、屋内ほど神経質に思わない。
自然の成せる業かもしれない。

終わってから、それぞれ違うお席にいたお能仲間と出口で待ち合わせ。
私のほうが数分早く着き待っているときに、
中国新聞社のかたからインタビューを受ける。

わぁ~困るといいながら、コメントしっかり申しました!
えっ~~といいながら、住まい、名前、年齢まで言っちゃいました!

見てませんが、多分翌日の朝刊、あるいは夕刊に載ってるはずです^^;

来年もまたこの地に来れる事を厳島神社に参拝しながら、
能舞台をあとにしました。

来年も来れますように・・・・・・!


















心の準備ができました!

2007-10-19 11:47:57 | 染織
ず~~っと、気になっていた『すくも藍醗酵建て』をやっと始める決心がつきました。
1999年から始めたすくも藍醗酵建ては、
親が亡くなった年を除いて毎年建てていました。

今年はすごく暑かったり、友人のトラブルにまきこまれたり、仕事のことや
いろいろ気に病むこともあって、なかなか取り掛かることまでいきませんでした。

すくも藍を建てるときは、心身ともに健全でありたいのです!

木灰も注文しました。
すくも藍は押入れで眠っているのでこれから出します。

観月能から帰ってきたら、取り掛かります。

大仕事です。力仕事です。また勘が取り戻せたらいいなと思っています。

すくも藍を建てるということは、こどもを育てることと同じようで
愛情を持ってあげなければなりません。
気を抜いたらその分、敏感に跳ね返ってきます。

(わが息子の子育ては、完全手抜き状態だ~^^;)

時期的に一番気温が気になりますが、
染色仲間から伝授していただいていることもありますので、
温度管理はその通りにやっていこうと思います。

去年は作品展の準備やボランティアやお仕舞や・・・
それでもすくも藍は建てていたのです。

忙しいなんて言い訳は言ってられません。

がんばっ!!





あぁ~~、美しき「「玉さま天女」 羽衣

2007-10-17 08:12:15 | 歌舞伎
先日、十月大歌舞伎昼の部に出向く。10月に入り3度目の歌舞伎鑑賞です。

お目当ては玉三郎さんの「羽衣」です。

その前に「赤い陣羽織」「恋飛大和の往来」の芝居があったのですが、
ほとんど寝てました。

大いに興味があった玉さまの「羽衣」

それは、今現在も続いている私の稽古の曲「羽衣」クセ。
7月からまだずっとお稽古しています!
基本中の基本ということで師匠は徹底してご指導してくださっている。
私は師匠のスピリットをいただいていると感じている。←すごくうれしい!
少しでも師匠のように完璧に舞えるようになりたい!

ここ数ヵ月、私の脳の中は「羽衣」の乙女、天人が舞っているのです。

てな、わけで余計に

玉三郎さんの「羽衣」拝見したかったのです。←えへっ、言い訳^^;

チラシには「羽衣伝説」をもとに、能の風情も取り入れた
新たな振り付けによる舞台と書いてある。興味大有りです!

伯竜は片岡愛之助さん。きりっとした男前の漁師でした。
当然のことですが、歌舞伎なので化粧してまげもある伯竜です。

伯竜が美しい衣を見つけ、持ち帰ろうとすると
天女が現れ、どうか羽衣を返して欲しいと懇願します。

ストーリーはお能と同じで、
衣を着たのち、天に帰ってしまうのではと危惧する伯竜に、

「いや疑いは人間にあり。天に偽りなきものを」と、
「玉さま天女」は、はっきり申します!!

そして、しばらく能の序ノ舞が続きます。
すり足、サシ、ヒラキ、大左右、他、完全に能の型です。

お友人の観世清和さんから教わったのかしら・・・・?

「浦霞、たなびきにけり・・・・・・・・・(かなり大幅に省略したお囃子の謡)・・・・・
霞にまぎれて失せにけり」

この謡と囃子ときには、「玉さま天女」はすでに歌舞伎の踊りになっていました。

あぁ~、観客すべての方が、目が釘付け状態になっていました。

ほんとにお美しい「玉さま天女」、時間が止まってほしかったくらいです!

玉三郎さんの踊りは、いつ観ても時間感覚をなくしてしまいます。

お能は「面」をつけることによって、この世の人ではない天人を
演じることが可能になります。お能より素が出ている歌舞伎、
人間界でない天人を演じることが出来るのは、
玉三郎さん以外に考えられないなぁ~とつくづく思いました。

私は帰りに「玉さま天女」のブロマイド買っちゃいました^^;
お恥ずかしいことですが・・・・。


























錦秋演舞場祭り 夜の部 「寝坊な豆腐屋」

2007-10-10 18:15:26 | 歌舞伎
私はチケットを間違えて買ってしまいました^^;

お目当ては昼の部、勘三郎親子3人の「連獅子」
勘三郎の「俊寛」「人情噺文七元結」では中村芝翫さん、のはずでした^^;

夜の部を買っていたのです^^;(涙)

しかも夫の分も^^;大ばか者です^^;

友人に当たってみても、歌舞伎でないしということで誰もいない。

まっ!いいか!

森光子さん、生で見たいし!

で、行ってまいりましたよ。

1920年生まれ、今年で87歳?!

すごすぎる!信じられない!お若い!お綺麗!お元気!

可愛い、チャーミング、ほんとに素敵な女性でした。

足元にも及びませんが、私、目指します!!←無理無理という声が!

出演者は森光子さん、勘三郎さん、波乃久里子、佐藤B作、米倉斉加年、

歌舞伎役者は息子の勘太郎、中村扇雀、片岡亀蔵、坂東弥十郎、ほか

昭和37年夏。オリンピックの開幕を控え、大きく変貌しようとする東京。
昔ながらの人情味あふれる下町に、豆腐屋を家業とする清一(勘三郎)が
暮らしていました。腕のいい豆腐屋だけど、なぜか朝寝坊。
ある日、そんな清一のもとに母親の澄子(森光子)が30年ぶりに
突然姿を現わします。

そんなところから、始まりました。

高度成長の背景に、人々が笑い、怒り、泣きながら、前に向って生きていく。
人生の機微を情緒豊かに描いている作品でした。

森光子さんは先代勘三郎さんとは何度か共演されたことがあったとか。

当代とは初共演とのことだが、息はぴったし。さすが大ベテラン同士です。

うまい役者が揃うと、観ている観客をグングンひきこみます。

私、泣いてしまいました。

間違って買ってしまってチケットでしたが、

夫もよかったといってくれたし、

「大正解」でした。









芸術祭十月大歌舞伎 夜の部

2007-10-08 13:34:11 | 歌舞伎
チャンチャカ、チャンチャカ、チャンチャカチャン、
先日見た坂東三津五郎の「奴道成寺」のお囃子の音がまだ頭に残っている。

お目当ては玉様ご出演の怪談「牡丹燈籠」
もちろんいつもお美しい玉様にうっとり、仁左衛門さんもいい男だ。

なのに・・・。

踊り巧者として名高い三津五郎さんの踊りを始めてなまで観ました。

小一時間くらい踊り続けていたと思います。

最初は白拍子で出てきて、烏帽子を取るとなんと狂言師という仕立て。

踊り続けていくうちに、

おかめ、お大尽、ひょっとこの3つのお面を瞬時に付け替える。

芸の見せ所、拍手喝采です。

歌舞伎は感動したら、いつ拍手しても一考にかまわない。

気楽に見れます。回りの雑音にもおおらか!

歌舞伎ならではで、男(狂言師)が「道成寺」を踊るのも珍しい。

あっ!お能の場合、能楽師(男)が女(白拍子)になります^^;

小坊主さんたちも10数人出てきて、でんぐり返りの連発。

とにかく楽しくみせてくれた。

能は考える、想像する、そこがたまらなくいいのです!

歌舞伎は、舞台装置もど派手、衣装のど派手。お囃子もど派手。会場もでかい。

とにかく徹底して楽しむ。そこがたまらなくいいのです!

あ~~、お能貧乏プラス歌舞伎貧乏にもなりました^^;

今週末は昼の部に参ります。

そういえば、「舞」と「踊り」の違いが

渡辺保さんの「日本の舞踊」を読むと的確に書かれていて面白いです。