月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

喚鐘之音

2012年01月13日 21時46分38秒 | 仏々相念(住職日記)

「蚊が鳴くような音が・・・」

 

大きなマスクを着けられお参りされました。

「風邪をひいてしまって、その影響で中耳炎になってしまって聞こえ難くて・・・」

「痛かったでしょう、大変でしたね。」

「もう膿も出たので楽にはなったのですが・・・」

 

中耳炎・・・

これを聞くと切なくもやるせない出来事を思い出してしまいます。

幼かった息子が耳の痛みを訴える。

直ぐに耳鼻科に行ったまでは良かったのですが、寝台に横になったかと思いきや看護師さんが身体を拘束。

否応なく、切開された・・・

その痛みに息子が絶叫したとか・・・

 

その話を聞いた数日後、私も耳に痛みが・・・

耳鼻科に行くと、「中耳炎に成りかけています。切ると直ぐに治りますが薬でも治ります。どちらにしますか?」

即答です・・・

「薬で治します!」ときっぱり!

今でもそのことを思うんです・・・あの時、もし、切開していたら・・・

「分かるよ!あれ、痛いよな~!」って息子に寄り添えるのかもしれません。

しかし・・・コイツは、自らが受ける痛みから逃れたのです。

「だってそうだろ!選択肢が2つあり痛みを伴わないものがあるのならそっちを選ぶんじゃない?」って未だに家族と話すことがある。

 

改めて情けない親父を感じながらご縁に会わせていただいたことです。

 

あまり聞こえないとのこと・・・

私は平生から声を張って話しません。

「ハキハキと」って娘にいつも注意されることです。

当然、これでは聞こえんだろうと大きな声で法話も・・・

「聞こえますか?」って・・・

「はい。聞こえます。」

平生、声を張らない私は続きません・・・

 

いつもいつも、大きな声で喚び続けて下さっているのですね・・・

自分のことばかりのコイツの為に、ず~っと。

 

昨日の喚鐘の音を思い出しつつ・・・


目標のはなし

2012年01月13日 07時11分20秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
おはようございます

昨日の今頃は、京都の本願寺でおあさじのおつとめをさせていただいてたな~…と、あの切り取られたような24時間を振り返りながら、いつもの時間に、いつものコースをウォーキングしています

50年に一度のご遠忌法要のご縁に、夫婦で、姉弟でお参りすることができて、本当に有り難かったです

昨日、弟が私にこう言うのです

「姉弟で一緒に出勤できるなんて、まったく有り難いね~!次の800回大遠忌は姉ちゃん(長女)も一緒に三人でお参りできたらいいな~!まだ80代だし…」

「え~っ!ちょっと待って…!!50年後でしょ、三人とも90歳代よ!姉ちゃんなんて100歳目前よ!!」

「あっ、そうか~、そりゃあ無理かな~…」


弟にはああ言ったものの…


明日が…いえ、刹那の後がわからぬいのち

50年先のことなど、夢物語のような話かもしれないけれど、

《こうなったらいいなあ》

という《暮らしの目標》を、小さくても、大きくても、大事に持っていることは、《いま》をたいせつに生きることにつながるのかな~…と思いながら今朝は歩いています

50年後、なんとか出勤ができるように、意識して身体も大事に整えましょう!
(ねっ!弟よ!!)

ということで、今日もいちにち
願生(がんば)りましょう!




昨日のおあさじの後、明るくなった本願寺のお庭に目を向けると、うっすらと美しい雪景色でした

50年後のご正当はどんなお天気かな…?