月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

夜間運行

2011年07月02日 19時48分39秒 | 仏々相念(住職日記)

キツイ旅だぜ~・・・

 

一日、休みがあります。

「ちょっと、京都行ってこようかな~」って思い付き行ってきました。

というのもこの夜行バス、宇和島発京都行きなのです。

平日だと片道4千円という破格の運賃、「これは一度乗ってみんといけん」って思っていました。

行く気満々でネットでの手続きをしていると、何と下りの便は松山止まりになるとか・・・

どうも出発日が偶数・奇数で宇和島・松山の発着が変わるのだとか・・・

「なんじゃそれ!」ってテンション下がりまくり・・・

松山で降ろされ乗り換えとか思うとだるくて、止めようかって思うもののやっぱり娘に会いたくて・・・

 

4列シートなのですがリラックスシートと言われるものらしくリクライニングは勿論、オットマンとかもちゃんと付いていて頭上にはベビーシートに着いている日よけカバーみたいなものも着いており顔隠しにもなります。

「おっ、いいじゃん」って思うものの・・・

松山での搭乗客が済むと殆ど満車状態、幸いにも私の隣に座るお客はなく気兼ねなく過ごすことはできましたが・・・

腰が・・・足が・・・

どのようにしても眠れません。

態勢を変えてみたりしても無理・・・

頭上のカバーをおもむろに降ろしてみても大きな顔には合わないのか酸欠状態になる・・・

ただ、良いのか悪いのか車内にトイレがないので2か所でトイレ休憩がありました。

愛媛の石鎚PAと淡路の宮津(?)PA・・・

隣りがいなかったというのもあるのですがバスから降りて足腰を伸ばせることが嬉しかった。

朝6時過ぎ京都到着・・・すでにフラフラ状態。

又今晩、これに乗るのかと思うと・・・

 

気分を切り替え京都での1日を大切にします。

本山にお参りさせていただき法要期間外ということもありゆっくりと静かな時が流れます。

この度の楽しみの一つだったのですが、龍谷大学の人間・科学・宗教オープンリサーチ・センターに初めて行ってきました。

丁度「生死を越える物語」の展示をされており、ところどころに恩師の香りに出会いながら拝観させていただいたことです。

私は、「山越えの阿弥陀」というなだらかな山の頂きの向こうから大きくて優しい阿弥陀さまが現れてくださる仏画が大好きなのです。

そこには復元された山越えの阿弥陀の屏風を展示されていますが、その阿弥陀さまの御手からは柔らかな五色の糸が垂らされています。

その糸を今当に往生せんとする方に握らせて来迎を喜んだとされるものなのでしょう。

観音勢至が右左、今あなたを迎え入れようと観音菩薩が掲げる蓮台、往生しようとしているあなたを優しく合掌して迎えてくださる勢至菩薩・・・

なんと優しいんだろうと時間を忘れてその屏風の前に立っていました。

 

夕方、このことのために行っていた娘に会いました。

この度は日帰り(?)ということで一晩泊ってゆっくりといこともできなかったのですが、食事をしたりアイスを食べたりと楽しく優しい時間をいただいたことです。

無口な親父を前に日常のことを話してくれる愛しい娘が目の前にいます。

なんと心地いい時間なのか・・・

ひたむきに願生っているんだな~・・・って最高の生ビールをいただきました。

「じゃあ、また来月・・・」夏休みに会うことを約束して駅に向かいました。

 

夜10時50分、京都を出発。

復路も満車状態・・・すでに私の横にも乗客が座ります。

こりゃあ大変じゃ・・・

前の方の座る背もたれも下がってくるし、横の方も首枕してさあ寝るぞ状態、勿論後ろにも・・・

もう・・・閉所恐怖症の私は息苦しくなり締め切っているカーテンをたくしあげ窓も割れんばかりに窓にへばりついていました。

眠れる訳でもなく・・・

隣りの方がおられるので途中休憩も立つこともできず、腕時計との睨めっこが続いたことです。

朝6時10分、松山到着。

腰も足も激痛がはしるなかフラフラ状態でJRに乗り込み宇和島へ・・・

宇和島について着替えしてご門徒のところへ・・・

もう無理がきかなくなっています。

 

バスにしてもシートにしても決して悪いものではなくとてもいいものでしたが、私にはもう無理です。

2回のところ1回にしてでも、やっぱり愛車で行こう!そう決意したこの度のキツイ旅でした。