自分の老後について,じっくり考えたことがあるだろうか?
お金のこと,それから体のこと・・・でもね,
本当のところはそうではないような気がしている。
「あしたも,こはるびより」(主婦と生活社)
つばた夫婦は,愛知県のニュータウンでくらしている。
築35年の平屋に。
そうして,200坪のキッチンガーデンと,20坪の雑木林に囲まれて。
夫のしゅういちさんは,86歳,東大を出て,
日本住宅公団で働き,大学教授なども行った人物。
いかにも,論理的で効率的な考えをもってそうな気がする。
堅苦しい人?でも違う。
アイディアマンで,奥さんを心から愛していらっしゃる。
妻の英子さんは,83歳,裕福な造り酒屋の娘さんで,
お金なんかもったことがないお嬢様,
なんだかおっとりしてそうな気がする。
そうして,世間知らず?
いや違う,とても働き者で,モノを大事にする人。
身長も20センチほど違うお二人だが,
とてもいいバランスをもっていらっしゃる。
春夏秋冬,ガーデンの整理をし,様々な野菜や果物を育て,
それを有り難く,美味しく頂く。
そうして,お客様や御親戚などにそれを梱包して配る。
なんと豊かで温かな暮らし。
あちきは,年取ったらこう云う暮らしができるんだ
とは思っていない。
それまでの生き方が,老後(本当は後ではないんだが)を
決めるような気がする。
あちきのように,毎日イライラしている人間は,
こう云った老いを迎えることはできない。
ましてや,今のような健康状態では,50まで生きられるかも,
危うい。
年取ったら,買い貯めたプラモデルでも作って・・・
なんて思っていても,その頃には,
糖尿病で目も見えず,手も動かないかも知れない。
これまでの暮らしぶりの延長が,
御夫婦のような豊かな暮らしに結びついているんだろうな。
と,つくづく思う。
あちきは,なかなか「こはるびより」的な生活ができない。
せっかちで,イライラしていて,
分かっていて,それを変えようともしない頑固さ。
なんだか,この本を読んで,深呼吸をしたような気持ちになる。
ぶ~。