今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・奥秩父 大山、赤沢山

2012年01月19日 | 山登りの記録 2012
平成24年1月15日(日)
大山1,860m、赤沢山1,818.3m

 6年前の丁度今頃、白泰山に登った。その前年の暮に熊倉山から酉谷山まで雪の中をピストンして、丁度中間あたりにあった岩山の上から見事な双耳峰を見た、それが白泰山だった。白泰山そのものは樹林の中で展望には乏しかったが、滋味深い山で誰にも会わない静寂境を満喫した。少し先ののぞき岩からは素晴らしい展望もあった。

 白泰山への道は、秩父の栃本から信州川上郷へ抜ける歴史ある生活路だ。特に信州の山奥から、江戸への近道として往時はかなりの往来があったようだ。とはいえ、険しい山間を結ぶ難路であったことは想像に難くない。川上から重病人の薬を得るため、夜を徹して秩父へ山越えをしたと言う様な事もあったのだという。それがためか、登山道ではないこともあり、この道は途中にある、大山・赤沢山・白泰山は全て山頂を通過せずに巻いている。また、栃本から一里毎に里程標代わりの観音様の石像があり、栃本から白泰山への中間附近に一里観音、のぞき岩の避難小屋の脇に二里観音、赤沢山と大山の間に三里観音、十文字峠への登りにかかる辺りに四里観音、毛木平の手前に五里観音と、五体の観音様がある。

 ハナシは横道に逸れたが、白泰山に登った時に、この道の先に続く十文字峠道の中間にある形の良い双耳峰を見て、いつかこの先の道も歩いてみたいと思った。そして、その双耳峰の赤沢山と十文字峠の手前にある大山も登っておきたいと思っていた。随分長いこと経ってしまったが、また冬のヒトケも無い時期に登ろうと、今回思い立ったのだった。

 今回は、川上側から十文字峠を越えて登ることにした。とはいえ、真冬のこの時期、積雪の状態によってはこのロングピストンは無理かもしれない。ましてや、直ぐ下を道が通過しているとは言え、大山も赤沢山も道の無い藪山だ。できれば、赤沢山の双耳峰の一峰、岩ドヤ(赤沢山の三角点ピークとほぼ高さが同じ東寄りのピーク)まで行ければ、と考えたのだが…。

 土曜の夜に家で夕飯を食べてから長野に向かった。碓氷峠を越え、佐久からR144で川上へ向かう。この村へは山登りのために何度来たことだろうか、目ぼしい山もすっかり登りきってしまったが、まだ周辺の幾つかのマイナーピークや奥秩父の足がかりで何度も訪れることだろう。川上に入っても路面には雪は無い、梓山から毛木平の駐車場に向かう手前の林道に入って漸く道に雪が現れた。毛木平の駐車場には一台の車も無かったが、雪原には真新しい車の轍が幾重にも付いていたから、土曜には山に入った人も居たのだろう。車外の気温は-10℃で、この辺りでは普通だろうか、月が照らす駐車場は雪明りで明るかった。0時半に毛木平に着いて、アラームは6時にセットし、直ぐシュラフに潜った。

 アラームで6時に目が覚めたが、まだ真っ暗。今日はロングコースなので、出来るだけ早立ちをしなくてはならないのだが、寒いのでまたシュラフに潜ってしまった。薄明るくなってきたのでシュラフから出ると、相次いで2台の車がやってきた。1台目の人は車から降りると直ぐに出発して行った。2台目は軽自動車に3人も乗った女性も混じった若者らしいが、休憩舎で支度を始めて賑やかだ。どっちにしても、ぼくと同じコースは考えられない。多分千曲川源流コースで甲武信ピストンだろう。ぼくも支度を始め、パンを食べて雪原になっている毛木平駐車場を7時丁度に出発する。大分遅くなってしまった。この附近で積雪は5から10cm程度、ここは谷間で日も当たらないところで寒々としている。気温は-10℃、この時期この附近としては、特に低くも無い普通の気温だろう。雪道を歩き出して、直ぐ地図を忘れたことに気づいて、車に戻って地図を持ち再度出発。直ぐに気づいて良かった。今日のコースは道の無い部分も多少はあるので、エアリアと2万5千図の両方を持っていく。

 朝日は県境稜線の向こうにあり、まだここまで差してこない。千曲川源流コースと直ぐ先で別れ、赤いお掛けをした五里観音(何故か一里観音と書かれている、長野側からだと一里観音という訳なのだろうか?エアリアには五里観音とある…)木橋の狭霧橋を渡り、みずな沢の向こう側から沢沿いに雪道を進む。山峡の北側に当たるので、雪は10cmから15cmくらいだが融けずにある。コースには昨日のもの?と思われる上りの足跡が一つ付いている。少し歩くと沢沿いをジグザグに登るようになる。積雪は少ないが、一応4本爪アイゼンは持ってきた。今日も、毛糸のウォッチキャップに、上は冬用のアウターシェル、下はゴアのパンツとゴアのスパッツ、シングルストックで靴は前回と同じ防寒スノーブーツといういでたち。今日こそは雪道歩きかな?

 ジグザグをしばらくやって、尾根に出ると樹間越しに三宝山が現れる。十文字峠まで、あと30分と書かれている。尾根筋は雪も疎らで全く無い所もある。木の根や大きな岩が目立つ道を緩く登ると県境稜線に出て、右手にシカ避けの網に囲まれた十文字小屋が見えた。十文字峠に8時48分着。この附近も積雪は10cm程、小屋は一部開放されており、中はきれいに整頓されていた。小屋の外の温度計は-9℃を指していた。外にあるベンチのところから、木の間越しに両神山が見える。

 十文字峠では休まずに、そのまま『甲武信ヶ岳・三宝山』方面に進み、小屋の直ぐ上から『栃本・白泰山』と指す大山北面を巻く道へ入る。コースには真新しい上りの足跡が一つあるが、下りのものは無い。北面のため積雪は15~20cmくらい、乾燥したさらさらの雪だがここ最近に積もった様ではない。この附近コメツガの素晴らしい巨木の原生林で、奥秩父らしい重厚な森林だ。特に歩きにくいことも無く、今日はこの雪質ではアイゼンも不要だろう。

 大山を巻き終わると、川又へ下る股ノ沢林道分岐の四里観音(行きは小さな観音様に気づかなかった…)。付いていた足跡はこの川又方面から上ってきたものだった(この時期に川又から登ってくるとは、かなりの篤志家だな…足跡からすると、この人は川又から登ってきて十文字小屋へは寄らずに甲武信に向かったものと思われた)。栃本へのルートには全く足跡は無く、雪道にはトレースも無い。「けんけんぱ」をするウサギの足跡、足袋を履いた様なシカの足跡、一直線のキツネの足跡、そしてテンのものと思われる鋭い爪のある足跡等、山の住民達の足跡ばかり、大山の巻き道ではくっきりと新しいクマのものもあった。さあ、ここからは本当の静寂境になった。行く手に木々を透かして、大山のピークが幾つかのコブの向こうに見え、遥か彼方に赤沢山の双耳峰が見えている。左手には、丁度樹林が切れた所から武信国境の弁慶岩の突き立った岩峰や、弁当箱の様な梓白岩、その県境稜線の向こうには白い御座山と右に思い入れのある蟻ヶ峰と大蛇倉山が近かった。そして、更にその右には群馬県の山並が見える。諏訪山の向こうに遠く鼻曲山や浅間隠が見えるのだった(こんな所から見えるんだ)。

 川又分岐から一下りすると、明るいなだらかな尾根に繋がる。この附近の日当たりの良い所には雪は無い。尾根の西に少し降りた平坦地には、木造の新しそうな四里観音避難小屋が建っている。中を覗くと、ここも驚くほどきれいで泊まりたくなった(奥秩父の避難小屋は、どこもきれいで感心します)。先は長いので、ここでも休まずに大山に向かう。

 稜線沿いは雪も疎らで、全く無いところも多い。しかし、北面に回り込むと全く違う様相になって20cm程の積雪には凍ったところもあり、トラバースする急斜面は危なっかしくて気が抜けない。大山の向こう側には奥秩父林道が上ってきている。さて、その大山にはどう登ろうか?手前の二つのコブを含め、大山は南面を巻いて先で奥秩父林道に繋がっている様にエアリアにはルート表記されている。2万5千図は稜線をそのまま行くように破線があるが、これは間違いで山頂部分は全部巻いている。この辺りの稜線沿いは、小さな岩場もあるが、概ねアセビなどがあるものの藪も無いが、巻き道沿いはスズタケが茂ってうるさい。

 大山の南面を巻く道が稜線から離れ、ほぼ直角に折れる辺りで道を離れ、稜線沿いに進むことにした。GPSに依れば、大山山頂まで500m程の所だった。しかし、稜線を進んで上り上げたピークは大山ではなく、一度下って上り返した先にまだピークが見えるので、これが大山の様だ。岩の多い左右が切れた痩せた稜線を慎重に下り、倒木が邪魔をする登りをしばらくで、雪が少しあるコメツガの薄暗い最高点に着いた。GPSで、ここが大山山頂に間違いないと確認。大山山頂には標識類は全く無い、ヒトケも無い寂峰だった。大山山頂に10時42分着。随分と時間が経っている。赤沢山はまだ遥かに遠く、GPSで直線距離2.6kmもあることになっている。その先の『岩ドヤ』まではちょっと無理かもしれない…。

 赤沢山さえ日の短いこの時期、時間的に大変厳しい状況なので、ここでも休まずに先に進む事にする。しかし、ここでそのまま稜線を東に進んだが、これは大きな間違いだった。しばらく行くと岩場があって先が案じられたので、南に下ったがこれは更に間違いで、南面を巻く道に戻ろうと下ると、倒木が目立つ岩混じりの雪の急斜面になり、トラバースも下りも非常に厳しい所になってしまった。さあ、どうしよう。ちょっと下ってみたが、足を滑らし少し落ちた。細木に掴まり大事には至らなかったが、下は更に厳しい崖状になっている。

 今日は補助ロープも無い(今日はいつものザックではなく、いつもそのザックに入れっぱなしになっている補助ロープが無い、致命的)。ここから50mも下れば巻き道に降りられる事は間違いないのだが…。細木を頼りに少しずつズリ下り、崖を避けて左のスズタケ藪に降りる。そのスズタケを掴みながらもの凄い急な藪斜面を下り続けて、漸く雪の巻き道に降りた。

 幸いなことには、スズタケ藪の急斜面を選ばなければ、最後の部分はブルーアイスが鈍く光る凍った滝になっていたのだった。降り立った巻き道は、急峻な崖をトラバースするもので、道でさえ雪があるこの時期は慎重な足取りが必要なところだ。

 巻き道がやや幅広の林道状になると、大山の東の奥秩父林道終点に出た。大山の稜線をそのまま下った場合、最後のこの林道に繋がる部分は大きな崖で降りられなかった。帰りは巻き道をそのまま進んだが、大山山頂への取り付き地点がちゃんとあったのだ。そこは、大山から南東に下る尾根にぶつかる辺りで、赤テープがあった。そこから南東尾根を往復すれば、何の問題もなく大山山頂は往復出来たろう(それ以外は大山へのルートは岩場や崖で危険)。

 この奥秩父林道終点からでも、まだ赤沢山の双耳峰は遠くに見える。奥秩父林道は雪に埋まり、現在車が走れるような道ではない(崩落箇所も多いことから、歩くのも危険と説明看板があった)。赤沢山の右手には茫洋な和名倉山が大きく望まれた。ここから遠くと見えた赤沢山の双耳峰だが、ルートは高低差の少ない稜線を歩く。稜線沿いは雪も疎らで夏道といっても良い歩き易い道がしばらく続く。途中に三里観音があったのだが、行きはその三里観音像が倒れていた事もあってか、先に目が行っていた事に依るものか、スズタケの切り開き道を気づかずに通り過ぎてしまった。平坦な倒木や露岩の多い、やや荒れた雰囲気の林の道になり、窪のような地形を緩く登る。朝からすっきりとしないお天気だったが、薄曇った空は陽も余り差さなくなり、むしろ暗い雲が広がって夕方のような雰囲気だ。

 程なく、赤沢山の北面を巻く道になる。北面は稜線沿いとは全く様相が変わり、また雪が20cm程になる。先行者のトレースもなく、急斜面をトラバースしている事も手伝い、気が抜けない雪道になった。赤テープは時々見るのだが、とても歴史のある生活路という感じの道ではない。どこが道なのか不明瞭で、時々ルートを外し修正しながら歩いていく。木の間越しに、大ナゲシと赤岩岳が間近に見えている。赤岩岳方面には陽が差している。GPSで確認すると、赤沢山三角点まで250m程の地点まで近づいている。右手に見える高みをその方向と指しているので、それが赤沢山の様だ。

 赤沢山山頂に向かう道は無いので、かなり雪がある岩混じりの手がかりも少ない急斜面だが、露岩の目立つ稜線に向かって、この辺りから直上することにした。かなり足場の悪い、雪の斜面を半ば強引に稜線まで登り上げる。これを下ることはしたくないような斜面だった。稜線沿いはスズタケやアセビ等が茂り、かなり藪がうるさい。この上が山頂と見た高みに上りつくと、あろうことかまだその先に高いピークが見える。細いコメツガの茂る岩の多い斜面を一度下り、先を見ると愕然とした。その先のピークが赤沢山山頂に間違いないのだが、なんとそこは20mはある石灰岩壁がルートを完全に分断しているではないか。傍まで行くと、岩壁は南から北までぐるっと山頂部を分断していた。そして、その岩の基部に生える木に古い標識が打ち付けられているのだが、書かれていた文字は消えていて分からない。これはルートを指し示すものなのだろうか?

 北側は雪があるので、仕方なく一度南に岩壁の基部を巻いてこの岩をエスケープしようとしたが、斜面はどんどん下っているので大分下ったが、更に岩はずっと先まで続いて巻けそうも無い。岩の基部には大きな洞窟が口を開けて、その前に角が生えたオスジカの白骨と、もう一体の角の無いシカの白骨があった。シカの墓場なのかな?あまり気分が良いものではない。最初に目の前にした白骨は、頭部が遠く離れた所に転がっていたので、大腿と腰部のバラバラな骨が初めに目に飛び込んだ時、一瞬人の骨かと思った。岩場で転落した遭難者のものかとドキッとした。少し先にその頭の部分を確認してシカと判別した。

 GPSで確認したところ、山頂はこの岩の向こう側30m先であることが分かった。しかし、このまま岩沿いを下ってもこの岩を巻けそうも無いと判断し、元の所まで登り返した。山頂を目の前にして断念という訳には行かない。今度は北側に回りこむと、岩壁は北側にはなく(地図で早く確認すれば、無駄に南に巻こうとする必要は無かった)そこは雪や露岩こそあれ、急な藪も無い斜面で登り上げることは可能と思われた。ふと、北に目をやると、木々の間からブドー沢の頭や滝谷山、帳付山の上武国境稜線が見えた。一瞬懐かしさを覚え、一息深呼吸した。そして、気持ちを切り替え、息を切らせながら、ずるずる滑る手がかりも少ない急斜面を、半ば強引に登っていく。しかしここも、もし足を滑らせば、かなり下まで落ちてしまうだろう。落ちればその先には岩場も見える。緊張感を維持しながら登り上げ、山頂部に出た。山頂部は笹と潅木藪がうるさいが、ちょっと右に行くとそこが赤沢山の山頂だった。

 赤沢山山頂に12時48分にようやく着いた。そこは藪に囲まれ全く眺めもない、真ん中に半ば埋まった三等三角点があるこんもりと高まった土饅頭の様な山頂だった。かつて登った赤火岳の山頂に良く似ていた。山頂を表示する山名板の類は全く見当たらない。木の枝に青いブルーシートの端切れが縛り付けられている。赤沢山とマジックで書かれて居た様だが、ほとんど消えている。赤沢山の山頂で、朝から歩き続けて来て初めてザックを置いて休憩した。6時間近く、荷物を背負ったまま休まずに歩いてきたので、さすがに疲れた。

 この時間となっては、残念ながら直ぐ先に藪越しに見えている岩ドヤ(これも名前のとおりの藪岩山)までは届かなかった。三角点標石の脇に腰かけ、まずはネーブルオレンジを食べる。ところが、これは気温が低いせいかシャーベット状になっていた。次に、頭脳パンやきそばパンという変な名前のパンを食べるが、喉が焼けているのか、喉を通らず、冷たくてもさもさして一向に旨くない。仕方なく紅茶で流し込んだ。帰りに十文字小屋でカップ蕎麦を食べよう(これを楽しみにしていたが、時間切れで食べられず)。

 さて、時間も押している。岩ドヤは無理だったが、赤沢山までは届いて充分に満足だ。13時10分に赤沢山を下るが、登りにした斜面は危険なため、南東に稜線伝いに下る。何のことは無い、こちらは藪も大した事なく容易だった。始めから赤沢山と岩ドヤ(赤沢山東峰)の鞍部から登れば簡単に頂上を踏めたのだろう。そうしたら、岩ドヤを登れる時間もあったかもしれないが、後の祭りだ。

 岩ドヤとの鞍部附近に正規の道を見つけそこを引き返す。しかし、赤沢山北面のトラバース道は、雪もあって結構危険で気が抜けなかったが、繋がる大山に向かう稜線は、またのんびりと歩き易い道だ。復路では、仰向けになっていた三里観音に気づいて、観音像を起こして立て直した。この三里観音像は穏やかで良い顔をしている。白泰山に登った時に見た二里観音もこんな雰囲気。この後に確認した四里観音は顔がつるっとして目鼻がほぼ無くなっている。毛木平の近くの五里観音は寂しそうな顔をしているし、栃本に近い一里観音はちょっと意地悪な顔をしている。ぼく的には二里観音と三里観音が良いと思います。

 三里観音の傍らで、もう時間も大分押しているが一休み。観音様は穏やかに微笑んでいる。寒いでしょうが、何時までもここで通り行く人々を見守って下さいね。と思いながら、ポテトチップを食べてまったり、観音様にも少しお裾分けした。14時13分に三里観音様にお別れし、後はひたすら戻り続ける。行きにはこれも気づかなかった四里観音像を川又分岐で確認し、ここから十文字峠までの登りの雪道は結構こたえる。

 薄暗くなった十文字峠に16時35分にようやく戻ってきた。夕闇が迫っている。もうこの時間では、とても小屋で湯を沸かしてカップ蕎麦なんか食べている余裕は無い。水を飲もうとしたら凍っていた。夕暮れの薄紫の景色の中で、両神山が良く見えた。そのまま峠を下り、どんどん暗くなってくる雪の沢沿いの道を下る。ヘッデンを点けるが、電池は新しいものと交換してきたのに気温が低くてバッテリーが低下しているのか、ちゃんと明るくならない。ぼんやりとした弱い明かりながら、雪明りと行きの自分の足跡が付いているので余り心配も無いが…。カップ蕎麦を食べそこねて、お腹が空いたので、ポテトチップを摘みながらすっかり星空に変わった雪の斜面を下り続けた。ポテトチップが凍ってしまっているのには驚いた。食感がちゃりちゃりして、不思議な感じでした。

 雪でぼんやりと明るい毛木平駐車場に17時56分に戻ってきた。広い雪原の様な駐車場にはぼくの車だけが、ぽつんとご主人のお帰りを待っていた。この時期としては結構なロングトレールだったが、山では人にも会わない静寂境と、赤沢山までどうにか届いたこともあって満足度は高かった。帰り支度をして、-5℃とやや気温が上がった?毛木平を後にした。

 帰りは、この方面の定番になっている海ノ口温泉の和泉館で入浴した。お風呂には宿泊客のおじさんが一人入っていたが、間もなく出ていったので貸切になった。モチロン塩素臭なんかしないとても良いお湯で、疲れも一気に吹っ飛んで大満足、一日中氷点下で冷え切った身体も芯から温まり、なんとも気持ちが良かった。入浴後は、佐久で夕食を食べて家路に着いた。

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2 コメント

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この時期としてはかなりロングウオーク (ノラ)
2012-01-21 15:58:15
あさぎまだらさん こんにちは。この時期としてはかなりなロングウオークですね。十文字峠で16:35って。もうかなり暗いでしょう。私だとかなり焦りますね。ヘツデン歩きってかなり怖いですからね。大山といい赤沢山といい,厳しい登りに降りでおまけにトラバース道の雪といい記録見てるだけで疲れます。まー、無事でよかったって言う感じです。夏だったらもう少し楽なんでしょうが。この時期に行くとは。このコースは秋か、遅い春がいいような気がします。相当地味なコースですね。
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超地味(滋味)コースです (あさぎまだら)
2012-01-21 19:42:18
ノラさん今晩は。
今週は雨と雪でダメですね。これで低山にも雪がたっぷりになりました。行く山も限られますね。
奥秩父でも最も地味なコースの一つでしょうね。山登りというよりは高い山を避けた生活路という歴史のあるコースですから。何時行っても沢山の人に会うことはありえないトコロです。ということで、ぼく向きなのです。
駐車場に帰ってきた時は全くの夜の闇でした。
ヘッデンが低温で電圧低下は想定外でした。今後は対策が必要ですね。
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